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兵士に案内され
エリーゼ達は王宮にある一室へと入った。
ただ昨日のこともあってか
誰も口を開こうとはしない。
重い空気の中、沈黙を破ったのは撫子であった。
「ジン、怪我はいけるんか?」
「撫子さん、ありがとう。見た目程は酷くないよ」
安堵の溜め息を漏らしたのは
撫子だけではなかった。
「ジンさん、ジンさん
本当にごめんなさい」
リリスは破顔して涙を流し嗚咽する。
自分が原因を作り
人、一人が死にかけたのだ。
自身をどれだけ責めぬき、卑下したかは
想像するに難くない。
「本当に大丈夫だから!
リリスちゃんも泣かないで」
ジンは慌てふためきリリスの頭を撫でる。
だが、それが逆効果となり
リリスは安心したのか更にわんわんと泣いた。
「ホンマ、心配させよるからに……」
「よ、良かったですぅ……」
撫子もシルビアもリリスに感化され
少しもらい泣きをする。
ジンが更に慌てふためいたのは言うまでもない。




