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あれが起こるなら城壁にまで
被害が出かねない。
ならば学園長が対応するのが確かに適当だろう、
と撫子は納得する。
もし、まだ何か必要であるとすれば……
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
「しっかりせんか、リリ坊!」
撫子は腕に爪を食い込ませ
ガタガタと震えているリリスの頬を叩く。
「起こってもうたことは、
もうしゃーない!でも、アンタには
まだやれることあるやろ?!」
いくらただの魔法を大魔法へと
いとも簡単に昇華出来る化け物じみた能力を
持ち合わせているといえ
リリスはまだ5歳の子供である。
撫子はこんな小さく幼い子供に
責任を感じさせるのは酷な事だとも
思ったが心を鬼にしてリリスに喝を入れる。
「リリ坊、ジンを救えるんは
あんたしかおれへん。
せやから、もうちょっとでえーから
頑張ってんか?」
「はいっ……」
リリスは心を決め、俯くのをやめ
まっすぐ前を見据えた。
自身の成すべきことを理解しており実行に移す。
撫子がライブラで精霊を測定すると
直ぐに城門一帯に土精霊が密集し始めていた。
「学園長、今や!」
「―――サンドウォール」
土柱が立ち次々と城壁を守る様に
土壁が反りあがり始めた。
それと同時にジンが炎の壁の中から
飛び出してくる。




