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槍とは言えない
氷塊が空中に形成されていく。
空に浮かぶには不釣り合いで
雲間から差し込んだ光を反射し
どこか幻想的にも思える。
撫子は頭をフル回転させる。
何が起こる、何をしなければいけない?
これは1人で対処出来るのか、
誰かに助けを求めなければいけないのか?
何が起こるか。
ジンは、あの氷塊と爆風に上下から
挟み撃ちを受ける。
ならば、左右に回避するのが妥当だ。
何かフォロー出来ることはあるか。
……そこで撫子は自身の重大なミスに気付き
すぐ様ジンにメッセージを飛ばす。
『後な、言い辛いんやけど……。
うちの魔法て基本、設置型でな。
あんな爆発起こってもーたら
発動してまうねん……』
正直、これに関してはジンが
自力で脱してくれる他ない。
ならばジンがこれを脱したとして
次は何が問題となるのか。
「水蒸気爆発かいな……」
南の地方にも販売網を広げる
如月商会を度々悩ませる問題が思い当たった。
火山の噴火に伴うガス爆発や水蒸気爆発は
偶発的に起こり防ぐのは難しい。
それが擬似的に人為的に
同じことが起こっている。
これを防ぐには……
「なるほど、これの為に
僕をお呼びになられましたか。
皇女殿下」
疎ましそうにエリーゼを見つめる
エドが頭を押さえて立っていた。




