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「そんなアホな……」
ジンが砲弾の軌道修正なんて
簡単にやってのけるのは分かり切っていた。
ただ問題なのはその後だった。
ジンが放った一閃は剣で放ったモノとは
到底思えなかった。
空が一瞬にして紅に染まる。
それはワイバーン達を紙の様に
意図も簡単に切り裂き
鎌鼬を起こし
何百もの屍を築き上げ
空までを切り裂いた。
「それじゃあシルビアちゃん☆
やっちゃおうか!」
「はいっ……」
呆然としていたシルビアは
エリーゼが言うまま己の役割を
成さんとする。
「アイシクルランス!」
この行動が、この後ジンに降りかかる
厄災の助長となることと考えもせずに。
察しが良かったリリスは
この時点で気付いてしまった。
この後何が起こるかを。
「ご、ごめんなさい」
「リリ坊、何がごめんなんや?」
その様子をエリーゼは
冷ややかに口の端を釣り上げ
さも愉快だと言わんばかりに
声を殺して嘲笑する。
時に
現実は知識による空想よりも生々しく
如実に理を具現する。




