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―――時は遡り城壁にて。
「うっはぁああ☆すんごく飛んだねぇ!」
エリーゼは“人間大砲”なるものを
1度は本当にやってみたかったらしく
目を輝かせて小躍りまでしている。
他の3人からすれば
ジンが哀れで仕方なかった。
エリーゼの欲を満たす為だけに
常人ならば死んでしまうことを
やらされてしまっているのだから……
死地に砲弾と共に飛ばされるなんて
特攻、もしくは蛮勇もいいところだ。
砲弾が打ち出されて数秒後
異変に気付いたのはシルビアだった。
「あの……
飛びすぎてませんか?」
「そんなアホな。
ウチが計算間違うことなんか
ありゃしまへん」
だが、ジンを乗せた砲弾は
地上軍の先端に差し掛かろうとしているにも
関わらず勢いは衰えることなく
速度を保っている。
撫子がチラッとエリーゼを
覗き見ると変わらずニコニコとしており
どうやらこれも彼女の想定の内らしかった。
嫌な予感がする。
撫子はすぐ様、ジンにメッセージを
飛ばした。
『あっかん、訳分からんけど
砲弾飛びすぎてるわ。そっちで調整してんか?』




