2-12
「ど、どうじゃ?
うまかろ?うまかろ??」
シルビアが期待に満ちた目で
2人を見つめる。
「んっん~~~!!」
リリスはカレーを口に含みながら
歓喜の声をあげる。
良く煮込まれている為か肉と野菜は蕩け
絶妙なハーモニーを奏でている。
「そうじゃろ?そうじゃろ?!
撫子から“まよねーず”なるものを仕入れてな、
お子ちゃまにも安心じゃ」
シルビアは御満悦な様で
ハーッハッハハっと声高らかに笑い声をあげる。
テレジアも嬉しかったみたく
小さくガッツポーズをしていた。
実際この味で繁盛しない理由が
分からない。
街で店を出しているそんじょそこらの
レストランより抜群に美味い。
その理由をミネルバはシルビアに問いかける。
「それはじゃな……」
至極簡単な理由でしかなかった。
まずは店構え。
貴族が主たる生徒であるこの学園では
こんな店構えでは近寄らない所が忌避すらされる。
その上、呼び込みもあの風体だ。
誰も近寄ることはないだろう。
2つ目。
価格が高くて一般の生徒が入って来ない。
需要と供給の常だ。
元々割高設定だった様だが客が来なければ
食材は余る。
値段は高くなる。
客が来るといっても事情を知っている
学園長が冷やかしに来るくらいらしい。
そして極め付けは
シルビアが本来恥ずかしがり屋なのだ。
しかも生徒会であるから、通常の授業に出ていない。
広報活動をしている訳もなく
ただの一般学生のテレジアがいつでも
ここに来れる訳もない。
テレジアが店に来ない時は
シルビアは店の中で決めポーズを
考えているだけらしい。




