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「まずは入学おめでとう!
いや、卒業資格取得おめでとうと
言った方がいいのかな?
学園生活を1日も送らずして
こうなるなんて僕としても複雑な気分だよ」
エドは苦笑した。
それはそうだろう。
生徒会入りが確定する、それ即ち
教師がもう教えることはないと
匙を投げたのだ。
新たな学園生が学園の教育を受けていないのに
卒業資格取得だ。
学園長としては嬉しいやら
悲しいやら複雑な気分だろう。
「今日呼んだのは今後どうするかだ。
卒業資格を取得した者は
特に生徒会入りする学園生には
本来通り学園に残るか、
それとも予定を切り上げて
国の官職に就きたいか聞くのが定例でね」
本当はアンネとフランクの子供が
どんなものか見たくて時間を割いていたんだかね
と、エドは独りごちる。
「私は学園に残ろうと思います」
残るも何も学園生活を送っていないのだが。
ただリリスが思ったのは
ここにはリリスを理解してくれる
人々がいるということだ。
リリスは同年代の友人はいなかった。
合わせてリリスの知識を圧倒する者は
誰一人として居なかった。
だが、この学園は違う。
既に良い意味でも悪い意味でも
リリスに無いものを持っている人達がいる。
これ以上に学園に残る理由が
必要であろうか。




