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「パン屋のソルベ、服屋のメル、靴屋の……」
「だあああああああ」
学園長は急に奇声をあげる。
汗は先程の比ではない。
髪の毛はぐっしょり濡れ
机の上にぽたぽたと雫を垂らす。
「リリス君。す、すまないが
撫子君と大事な話があるから、
少し席を外してくれないか?」
学園長はニッコリと世の女性を魅了するような
笑顔で微笑みかけるが
憔悴しており、少し品に欠ける。
「君の瞳はこのサファイアの様に、
いやサファイアより美しい」
「だああああああああ」
追い討ちをかける様に撫子は呟く。
そして、それに呼応する様に
学園長は奇声をあげだす。
尋常ではない様子に
そそくさとリリスとミネルバは
部屋を退出した。
―――半刻の後
満面の笑みで撫子が部屋から出てきた。
後日談にはなるが
ミネルバの話によると如月商会に対する
特別スペースの貸し出し期間が
1週間から2週間に延長されていたらしい。




