2-4
「約束がちゃうやろが、あほんだら!!」
「まあまあ、落ち着いて撫子君」
撫子が学園長らしき人物の
襟元を捻り、掴みかかっている。
一触即発の状況だ。
「ウチらが昨日特別スペースを
貸して貰う申請したんは1週間分や!
ちゃんと前金も納めさせてもろてます!!
学園長はんの印鑑もついとります!」
「それはそうだけど、流石に
聖域開放が今日発表されるとは
僕も知らなかった訳で……。
他の商会から学園と如月商会の
癒着を疑われてしまうよ……」
その内容だけで事の次第を
リリスとミネルバは理解する。
発端はこうだろう。
昨日リリス達の部屋を飛び出した撫子は
学園長の元に赴き特別スペースなる場所で
商売をさせてもらう申請を出した。
撫子の意図に気付かず学園長は許可を
出してしまい
今日の朝、王国から聖域開放の詔が出され
彼は愕然とする。
案の定、彼が朝に執務室に
到着するや否や
学園に店を構えている
他の全商会から撫子が出した条件と
似たような申請が出されたのだろう。
本来はそこで
出資額の多い順で期間を
割り当てるのだが既に如月商会が
既に独占している。
学園側としても
多くの利益を生みたい訳で
今の交渉に至っているのだろう。
「あぁ、待っていたよリリス君!!
撫子君悪いがこれは、君達の為でもあるんだ。
ささ、詳しい通告は後で出すから
退出してくれたまえ」
助けに船、冷や汗をかいていた学園長は
リリス達を見るなり
満面の笑みを浮かべた。
撫子の不思議な呪文を聞くまでは。




