表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンすくらんぶる!  作者: 葉月 都
第拾章 蒼い記憶
83/94

其八十二

なんか、毎回言っている気がしますが、お久しぶりです。

そして、短いです。すみません。



「でもさぁ。」



ソファで和気藹々と笑顔で話し込む二人(一人と一匹)を横目で見つめながら、ふと、御津葉が口を開いた。



「本当に、あの【葵】って子、【きい】なの?確かに外見そっくりだけど、ただのそっくりさんって可能性だってあるでしょ?」

「………同感。確かに、あの葵って男の子、本当にきいなのか?」



ベランダに腰かけ、文庫本片手に冷斗も同調する。

二人の意見を聞き、奈濟が考え込む素振りを見せた。


確かに、巴樹は葵=きいと仮定して、あの年齢詐称(?)説を話してみせたのだ。違っていれば、結局のところまた暗礁に乗り上げてしまう。


もう夕方もすぎ、学校が終わったレナも加わり、再び思案する睦月寮生達。

すると、突如、神が降臨した。




「……………それなら、きいくんの好きだったもの、食べてもらえばいいんじゃないですか?」




ダイニングテーブルに座り、車座になって座る皆皆を見つめ、首をかしげるその天使姫は、全員が見落としていたことをさらりと告げた。


巴樹はきょとんとして、「だって、そうですよね?」ととぼけてみせた。(彼女はこれが素である)


その神のお導きに、全員の目が輝いた。





"きい(くん)の好きな物って言ったら、あれ・・しかないよね!!"






ーーーーーー


奈濟の一緒にご飯を食べないか、という誘いに、葵と御癒は二つ返事で承諾した。

話を聞けば、帰るところもないというのだから、ついでという名目で泊まっていくことを提案した。

二人は、泊まる件は承諾を渋っていたが、奈濟の押しに負け、こちらも承諾した。


睦月寮の食卓が、久しぶりに大いににぎわった。



「うわぁ!すごく美味しいですね、これ!」

「まあっ、元の人とは全然・・違うわね!嬉しいわぁ………」



屈託のない、曇り一つない笑顔で奈濟に言うのだから、奈濟がデレデレになるのも無理はない。

無論、寮員達は、顔を赤くする寮長を冷ややかな目で見つめていた。

そして、奈濟が「全然」を強調したところは、全員が黙秘した。


今日の晩御飯は、王道肉じゃが先生だった。


ただ。

葵の肉じゃがと他の寮員達の肉じゃがには、決定的な差があった。

それは。



「でも…………少し辛さが足りないかなぁ、って僕は思います。」



"いやそれあなただけだから!"



巴樹達全員のツッコミを受けるが、もちろん鉄壁を持つきい。かすりもせずに笑顔を向ける。

この時、全員が悟った。



このきいは、天然すぎる天使だ!と。

あの、ドSで毒舌な悪魔は今や存在しないのだ、と。



ーーーーー


とにかく、これで葵=きい説が通ったことが証明された。

やはり、辛い物が好き、ということはつながっていたらしい。



「……葵くん。」

「はい?」



晩御飯がすみ、ひと時の団らんの時。

ソファでテレビを見ていた葵の元に、睦月寮旧メンバー(つまり、巴樹以外)が集った。



「どうしましたか?」



あどけない顔で、葵は首をかしげる。

すると、





「年下扱いしてすみませんでした!」

「年下扱いしてごめん!」

「年下扱いして悪かった!」

「何かいろいろごめん。」

「からかったりしてごめんなさい!」

「同等な口答えしてごめん!」

「同等な口答えしちゃって、わがまま言ってごめん!」





七連射の機関銃の弾幕を受けた。


パチパチ、と葵は瞬きをする。

巴樹も御癒もポカーンと唖然とした顔をする。


とにかく、七人はきいに対する無礼(?)を葵に伝えているのだ。



「あ、あの……皆さん………」

「な、奈濟さん…皆さん……」



唖然としすぎて御癒は固まってしまい、葵と巴樹がやっとのことで声を出す。

それは、寮員皆が皆90度の礼をしてきたらそれはそれで怖い。


と、その時。



「『そうそう。ったく、年下に見やがって………』……え?」



葵の口から漏れ出たその言葉に、全員が目を見張った。

自分が意図せず発した言葉に、目を瞬かせて口を押さえる葵。


あの低い声と喋り方には、全員ほとほと覚えがあった。




"きい(くん)だ…………"




ーーーーー


それから、巴樹達は葵について分かっていったことが増えてきた。


まず知っていることは、葵が幻術使い【華波家】の長男であること。

彼は12歳だということ。



そして、後あと分かってきたことが、葵は現在記憶喪失だということ。

御癒も、巴樹達のことは分からないよう。


自分の名前と御癒のこと、龍精のこと、そして、自分の家のこと。

それだけしか分からないようだった。


ちなみに、記憶喪失、というのは、巴樹達のことを覚えていない、という意味の記憶喪失である。



陵にも、もちろんこの件は話したが、「しばらく置いといてあげて♪」と言われた。(佳穂談議)

黒の御子の脅威が去り、一安心した最中さなかの、この葵事件。





彼は、本当にきいなのか。

きいならば、なぜ小さくなったのか。





再び、龍精達を悩ます事件が巻き起こった。















ガシャンッ……………!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ