表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンすくらんぶる!  作者: 葉月 都
第拾章 蒼い記憶
82/94

其八十一

いやぁ…………お久しぶりです

一か月ぶりですね!←おい


はあ、はあ、と荒い息遣いで駆け込んできたのは、マイバック片手の奈濟だった。

近場のスーパーマーケットから帰ってきたのだろう。



「ちょっ………奈濟さん、何があったの。」



冷斗が真っ青な奈濟を心配して声をかける。

するとその時。

パタパタと、小さな・・・足音が全員の耳に聞こえてきた。


そして、玄関から顔を出したのが。












"ええええええええええええええええええええええええええッ?!"













藍色の髪にエメラルド・グリーンの瞳。

ただ、顔立ちに皆は驚いた。


彼は、"きい"と瓜二つだった。




ーーーーーーーーーーー



「えええええ?ななな、奈濟さん、どういうことですか!?」

「ごめん巴樹ちゃん!私にもわからない!」



そう言うと、奈濟は事の経緯を語りだした。



「あ、あのね、近場のスーパーマーケットで、ご飯の買い出しをしよーと思って歩いてたら、奈濟は、うろうろとしてた挙動不審な男の子を見つけてさ。心配になったから声をかけてみると、あげた顔が…………………なんとびっくり!」

「…………うん、どうしたの奈濟さん。」



冷斗のツッコミが入る中、奈濟は続ける。



「きいにそっくりなのよ!!」

「それでここまで連れてきたの?あまりにもむちゃくちゃ過ぎない?まあ、いつものことだけどさー。」



源人はスマホをいじりながら奈濟に言う。

すると、しばらく黙っていた緑が口を開いた。



「へえ……………ねえ僕、名前は?」



玄関付近で巴樹達のことを見ていた彼に緑は問う。

いきなり連れてこられて唖然としていたようだが、彼はぴしっと背筋を伸ばして、声変わり前の少し高い子供の声で言った。



「ぼ、僕は、【華波葵はななみあおい】、です。」

「歳は?」

「十二歳です。」



葵、と名乗る少年のエメラルドグリーンの瞳が揺れる。

そこで、巴樹は気が付いた。とある違和感に。



「あの、奈濟さん。」

「ん?」

「きいくんがやってきたのって十二歳の時なんですよね?」

「そうだけど…………実を言えば、だいたいなのよねー。あの頃は、きい、全然私達と話してくれなかったし。年齢も名前もよく分かんなくてさ。だから、陵様が名前をつけて、年齢は見た目からしてーって感じでさ。」



奈濟のその言葉に、巴樹の頭脳が瞬いた。



「違います、奈濟さん。



きいくんは、睦月寮ここに来た時の年齢は、『十三歳』だったんですよ!!!!」




巴樹の言葉に、葵以外の全員の視線が巴樹に集まる。

巴樹は、ちょっと得意げに話しだした。



「葵くん=きいくんと仮説を立てましょう。

葵くんは十二歳です。そして、きいくんは現在(六月二十一日時点)では十六歳です。

奈濟さん、きいくんがこの寮にいるのは三年ですよね?」

「ええ………………あ!」

「そうです!もし、きいくんが十二歳だった場合、四年間ここで暮らしたことになります。

それでは、一年間のロスが生まれてしまいます。ですから、結論としては、実はきいくんはここに来た時十三歳だったというわけです!」



おおお…………と冷斗以外から拍手が起こる。

と、その時。



「って、待って!は、華波って!」



源人が跳ね上がるように立ち上がる。



「聖龍士と並ぶトップの龍精の家系で、特に龍幻術に長けている、【南】家と並ぶ名家なんだよ。その【華波】の百二十代目当主候補だった・・・【華波葵】は、弱冠十歳にして龍幻術を完璧にマスターした天才なんだよ!」

「いい、いえ!佳穂様には遠く及びません……………」



まるで【きい】と違う喋り方。

佳穂のことを佳穂"様"と呼んでいるところからもそれがうかがえる。


すると、冷斗がスマホを操作しながらつぶやくように言った。



「…………………でも、華波葵は、五年前、つまり、彼が十二歳の時に何者かに攫われて行方をくらましてる。そして、その一年後、きいがここに来た。」



そういえば、と巴樹は思い出す。


五年前、当時十一歳だった私の脳裏にくっきりと残るあの事件。



【幻術使い 華波家の息子、消える!】



父と母、そして兄と双子の妹弟と、朝食の席で驚いて息をのむ自分を思い出す。

その後、父と母はその男の子を探せとの命令が下り、三か月も探し回ったが見つからず、結局迷宮入りしてしまった事件だ。

その時に、いつも夜方に帰ってきてへとへとになっている二人の顔を、今も鮮明に覚えている。



「【幻の暗闇】…………私もその事件、覚えてます。

父と母が何日も何十日も外へ行っていて、兄と私が協力してご飯を作ったりしてたので。」

「私もよ…………その時はまだ実家にいてさ。この事件見てびっくりしたよ。」



奈濟が悲しそうに目を伏せる。

冷斗や源人、緑も皆、その事件を思い出しているのだろう。


その時。







チリン……………


チリン………………


チリン…………………


チリン……………………








どこからか、鈴の悲しげな音が四回聞こえてきた。

すると。



ミーミィっ?!」



突然、葵が飛び上がり、すぐそばの窓を開けてベランダに飛び出した。

巴樹達もその後に続く。


庭に出ると、そこには一匹の黒猫が、ちょこんと座っていた。



「ミー、ミー!!怪我してない?大丈夫?!」

「ニャァ………」



その猫はか細く鳴くと、白い煙を上げた。



「あおぉ…………戻ったんだねぇ……………よかったぁ…………」

「み、御癒ちゃん!」



黒猫が変化した幼女の姿は、巴樹の知る限り一人しかいなかった。

きいの使い猫、御癒みゆだ。



「ミー……………無事でよかった………………」

「あおの方こそ…………………」



二人は泣きながら、静かに抱き合っていた。








【一周年のを書いていなかったので、ここで書きます】

都「いやー、ほんと皆には迷惑をおかけしましたorz」

巴樹「ほんとですよ!一か月も投稿されてないんですから、読者の方は皆ミナガクさんの方に行っちゃったかもしれないんですよ!」

きい「巴樹の意見に同意。」

巴樹「都さんの投稿頻度にも問題があると思いますよ!」

きい「同意。」

巴樹「早く新しい場所に行きたいですよー、都さんのバカ!」

都「ちょっ……なんでそのことを………」

きい「巴樹が、都さんの机漁ってた。」

巴樹「ちょ、きいくん!なんでバラすの!」

きい「俺は、早く元の名前に戻りたいから。」

都「わ、分かった、頑張るね…………」



ご清聴ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ