其七十七
あれ………?
なんか、ドラすくの更新が前に戻ってない…………?(泣)
それに…………???
一方その頃、伏見町では。
ーーーー【稲美】ーーーー
〈山和・仁和〉
「あーーーもう!ほんとなんて数なの?」
「はいはい、愚痴ってても仕方ねーんだから、仁和もさっさと祓えバーカ。」
「んな!バカって言うな!!!」
稲美の南東部を任された、幼馴染組の未貝山和と麦縄仁和である。
「マジシャンでしょ?どうにかできないの?」
「出来たらどうかしてるわ!」
と喧嘩をしながらも、弓と槍でクラをなぎ倒していく。
まるで、どこかで見たような風景だ。
〈百合子・ふわり〉
こちらは、稲美の西側を任された、青神百合子と八坂ふわりである。
「百合子さんって、名字に色が入ってるのに、気候なんですね。」
「ええ。【青】は青龍様の青だから、色龍には入っていないのよ。」
二つの、銀色に光る槍先が、黒き穢れを祓ってゆく。
ふと、会話の途中でにこりと笑いあうと、ふわりは叫んだ。
〈小冬・弥生〉
「…………………なんでまた小冬先輩となの?」
「嫌なら帰ってもいいわ、よっ!」
ぶつぶつと先ほどから呟き続ける水無月弥生と冷野小冬の先輩後輩ペアは、稲美の残りの部分を受け持っている。
「まあでも」
唐突に、小冬の視線の前で戦っていた弥生の姿が、消えた。
小冬は目を見張る。
だが、後ろから聞きなれた声。
「借りを返すにはもってこいですね」
「……………生意気」
ーーーー【七倉】ーーーー
〈桜・莉々〉
「お願いだから、莉々、ぜぇ~~~ったいにこけないでね!」
「りょ、了解しまひた!!」
現在絶賛木の上でクラ達の様子をうかがっている、七倉北東部班の清水桜と真黄野莉々である。
「それにしても、すごい数のクラだね。」
「は、はい!やはり、あの軈乃球を破壊しない限り消えないみたいですねっ!」
「じゃあ莉々、もうひと踏ん張りしよ!」
「了解で…………うわあっ!」
にっこりと笑う莉々だったが、敬礼のために揃えようとした足を枝で滑らせ、
「ば、バカ莉々ぃ~~~~!!!!」
クラの団体様に落ちかけたところを桜に助けてもらったのであった。
〈夏樹・奈月〉
「なんかさぁつき、すごいデジャヴを感じるんだけど。」
「え?どこに?なつ。」
七倉西側を受け持つ、仲浜奈月と仲浜夏樹のなつき双子のペアである。
「だって、いっつもつきとでしょ?」
「まあ仕方ないじゃない。」
そう言いつつ、奈月は両手に構えた短剣、「夏月」を目の前にいた、襲い掛かろうと構えたクラを一閃して言った。
「双龍術の中で、もっとも相性がいいのは私達だしさ!」
奈月の背後で、クラが光となって消えていく。
にっこりと微笑む姉を見て、弟は仕方なさそうに小さく笑う。
「ま、そうだね。」
〈佳穂・悠〉
こちらは、七倉の残り部分を担当する幼馴染ペアの南佳穂と黒河悠。
だが……………
「ったく、佳穂だけ治癒とかズルすぎじゃない?」
「だぁーー!それは前にも説明しました!こーれーはー、光龍術なんですってば!」
「しかも、幻術で形変えられるし。」
「悪かったな!練習してるのよ!!」
こちらもいつも通りである。
現在のスコアは、悠が69体、佳穂が73体だ。
ちなみに、現在の佳穂の武器形態は、悠と同じく槍形態だ。
「でも、まあさすがか。討伐対決で、俺と同じ槍に変えさせたけど、俺よりスコア多いし。」
「どうせ僅差でしょ。なんであんたが聖龍士じゃないのか不思議だわ!」
「現在、五人の聖龍士は引退表明他を出しておりません。」
「あーもう!」
という言い合いが繰り広げられつつも、二人はまったく隙を見せずにクラを薙ぎ倒していく。
こちらも、さすが、である。
「まったくもう!悠と話してると、なんでこうなるのよ!」
「知るかバーカ」
ぶつぶつと悪態を付く二人。
ある意味、似たもの同士なのだ。
ーーーー【清水】ーーーー
〈空・カロン〉
「はあ、ったくなんで俺がやらないといけないんだ……………」
「まあまあカロン、仕方がないよ。祇夕の呪縛は運命だったんだからね。」
清水北東、西部分担当班、支野空とカロンである。
この二人、特に親戚とかという関係があるというわけではないが、空は三十歳、カロンは十五歳という、二十七族生最年長と最年少の二人だ。
そして、なぜかよく一緒のペアになっている。
「空は剣で俺は刀だし…………武器構成的には近接二人で悪いんじゃねーのか?」
「だけど、同じように動けるから隙はないんじゃないかな?」
「…………………空、うるさい。」
「?カロンが聞いてきたんでしょ?」
きょとんとした表情で、自分より高すぎる男性を見上げると、カロンはがっくりとうなだれて、鞘から刀「氷河」を抜く。
「まあいい。空行くか。」
「ああ。行こう。」
〈冷・雛〉
清水東と南東部担当の聖龍士、久都冷と白龍精、伊勢砥雛。
「にしても、雛と組むって久々なきがする。」
「確かにそうだね!何年振りだろー?」
にっこりと満面の笑顔で笑う雛を見つめ、冷にも伝染したようで、彼も小さく笑う。
二人は、大学時代の同級生だった。
「それにしても、たくさんのクラだねー」
「まあ、災厄の大元だからな。」
「じゃあ冷、私フォローするから頑張って!」
「………………俺の技、サポートも入ってるんだけどな。」
苦笑いする冷が、霜月高校屋上から、校庭に広がる闇の塊へ向かって飛び降りる。
その顔は、戦いを楽しむように笑っていた。
〈赤奈・莉花〉
ピョン、ピョン、
「相変わらず、赤奈さんは身軽ですね」
「まあ、毎日鍛えてる、しっ!」
清水の残り部分を担当するのは、雅赤奈と糸波莉花。
龍幻術を使わずにクラから、かれこれ十分ほど逃げ回る赤奈の体力に莉花は感嘆の声を上げた。
コンクリート塀を静かに飛び越えた赤奈の後ろで、怪物の苦しそうな声が響く。
「あー、喉乾いたぁ」
「の、呑気ですね赤奈さん……………」
どこかの人家の屋根で休憩と監視を兼ねていると、ふうっと一息ついた赤奈が立ち上がった。
「OK!ここなら広いし、いけるね!」
「……………了解です」
ーーーー【白波】ーーーー
〈佐久・卓弥〉
「白波は、比較的クラの数は少ない方ですね。」
「ああ、だけど野宮の方はひどいだろうな。」
白波南と東担当は神霊佐久、夢野卓弥の二人。
「ですが、陵様と暦様にかかれば大丈夫なのでは?」
「確かに。聖龍士の中でも力があるからな。」
にこりと笑う佐久の構える光り輝く愛刀「春花」は、確実にクラへと当たり、消滅させていく。
また、卓弥の持つ槍「雷砂」から放たれる電撃も、一度に複数体のクラの腹部を貫く。
二人は目を合わせると、強気な視線を絡ませ笑った。
〈赤羽・星〉
「……………星、ちゃんと仕事に戻れよ?」
「もちろんです兄様!僕、兄様の頼みとあらば頑張りますので!」
きらきらとした目で兄を見つめる弟は、トロンとした笑顔を浮かべていた。
白波東と北西を担当する緑葉赤羽と緑葉星の兄弟組だ。
「兄様のサポートはお任せください!」
「…………分かったから、早くやろうな。」
天使の笑顔を浮かべるわんこ系男子は、短剣「緑草」を構え、クラ達のいる地面を囲むように突き刺す。
「"緑華咲"!」
〈柴・利人〉
白波残り部分を担当するのは、三奈城戸柴と六道利人のいつものペアである。
『りーくん早く!』
「急かすな柴!」
相変わらずの高速手話会話をしながら、二人は河原を駆け抜けていく。
後ろからは、どろどろとした形態のクラが追いかけてくる。
「雪華はどうした雪華は!」
『出すけど今無理!』
「なんで荷物なんか持ってんだよ!」
両手に何やらエコバックを持っている柴は、ひいひいと悲鳴を上げながら走り回る。
そんな柴を見ながら、利人は「まったく!」という目で幼馴染を見る。
『と、とりあえずこの辺りで…………』
少し広い場所に出ると、柴は荷物を置くと龍符を取り出した。
ーーーー【野宮】ーーーー
「暦、そっちはどう?」
「だいじょうぶ。あとすうたいだけど…………まだくる。」
雅龍将、幸末陵と、霊龍精、結野暦の担当は、伏見町の中心部、野宮だ。
「本当に、霊泉鈴にしなくて大丈夫なのか?」
「……………うん。ぶんさんがたのほうが、こうはんいにこうげきできるよ。ちからがぶんさんされるけど。」
「まあそうだな。」
そうつぶやきながら、陵は黒く染まった空を見上げた。
陵の瞳には、黒い渦を巻く球体が映っている。
「封じの姫…………あなただけが頼りだ。」
「はぎちゃん…………がんばって…………」
その陵の視線を追いかけるように、暦も上を見上げる。
だが、その二人の姿はクラ達にとっては隙だらけの獲物にしか見えない。
大きな雄たけびをあげて、クラが襲い掛かってくる。
シュン…………
「ばかにしないでね?」
「隙なんて、生まれないから。」
にこりと笑う二人の目の前で、約二十体ほどのクラが消滅した。




