其七十六
ミナガクとドラすくの投稿頻度がぎゃくてんしてるよ
ドラすくだって、いいとこなんだけど。
(っ、え…………………なに、これ………………………)
巴樹が目を開くと、そこはまさに地獄絵図だった。
(どういうこと………………………?な…………なに、が、起こって、るの?)
ぱちぱちと瞬きを繰り返し、巴樹は目の前の光景を幻だと考えたくなった。
漆黒の炎に焼かれる家屋
道………いや、もう道なのかどうなのかも分からない場所で歩き回る大きなクラ達
皐月学園と思われる平たい土地に鎮座する、酒呑童子のようなクラ
水の枯れた美波川と、枯れ果てた桜の並木
そして
所々に散らばる点
「…………………………うそ、でしょ?」
空に浮かんでいる巴樹には遠すぎてよく分からないが、それは確かにうずくまる「人の姿」だった。
「佳穂さん?小冬さん?柴さん?卓弥さん?なつくん?つきちゃん?莉花さん?佐久さん?暦さん?百合さん?陵様?冷さん?赤羽さん?悠さん?雛さん?桜さん?ふわりさん?カロンくん?仁和さん?赤奈さん?空さん?莉々さん?星くん?利人さん?山和さん?弥生さん?」
どこに、いるんですか?
『………………………弱いな、貴様達は。
やはり、千年前のことはまぐれか。』
はっと気が付くと、巴樹のほぼ真後ろに祇夕が立っていた。
びっくりして横にそれる巴樹。
だが、祇夕はふんっと笑って言った。
『お前らの力はそこまでか?まあ、所詮はただの餓鬼龍の集まり。我の此の闇の力に太刀打ちできるわけない。』
「………………………。」
『後は封じの姫、貴様だけだ。その首と命、我に寄越せ。
そうすれば、痛い思いはせずに済むぞ。』
「…………………………。」
『ふん。だんまりか。
やはり、お前も弱心だな。』
「……………………………。」
『では、その命、我に捧げよ!!』
「『黙りなさい』」
静かに祇夕の言葉を聞いていた巴樹の目が、カッと見開かれた。
その目は、いつもの巴樹の新緑の色なのだが、怒りなどの黒い感情が映し出されていた。
『ふん。やっとか。待ち草臥れたぞ、封じの姫よ。』
「『祇夕さん……………いいえ、祇夕。あなたのこと、少なくともあの時の前までは信じていたのよ。』」
『戯言はよせ。見苦しい。
それより、この会話は、"あの時"にもしたはずではないのか?』
「『そちらこそ、戯言はよしましょう。私は、こちらの世界にやってきた時点で決めたのです。
此の世界と、芽吹く命の数々、そして、私の強大な力を受け継ぐ巴樹ちゃんを護る、と。』」
『ああ。始めよう。
諸悪の宴を………………………』
ふと気が付くと、巴樹、基風華の意識は一面が漆黒の草に囲まれた草原のような場所へ飛んできていた。
『ここは………………』
『覚えているであろう。我とお前が最期に戦った場所だ。』
そうつぶやくと、祇夕は挑戦的な笑みを端正な顔に浮かべ、腰本に差した大太刀を引き抜いた。
それを見て、風華は持っていた緑色の扇………"風華"基"風花"を構える。
『【龍風巴】』
『【龍闇伊】』
その宣言と共に、二人の持つ武器が光を帯び、その形を変える。
風花は、以前巴樹が封じ込めの力を解放した時と同じ、流れる三本の組紐と金色の鈴が二つずつ、そして、扇面は七色の龍が泳ぐ絵柄に変化する。
そして、祇夕の持つ大太刀は、黒光りのする大きな刀身に、深い紫色をした柄には銀色の家紋のような文様が刻まれている。
『"龍闇伊"、久しぶりに見たわ。』
『その名の通り、"龍"を"喰らう"太刀だ。
この太刀も、千年ぶりに貴様と会いまみえ、嬉しがっているようだ。』
『"嬉しい"、なんて感情が、黒亜にあるのかしら?』
そう言い終わるは否や、風華はまさに疾風の如く一気に間合いを詰め、龍風巴の扇面を祇夕の腹の辺りに当て、言い放った。
『【風花龍美】』
刹那
風華を中心に竜巻が巻き起こり、その風を真正面から受けた祇夕は、数十メートルほど吹き飛ぶ。
吹き飛ぶ、はずだった。
『甘いぞ』
冷たい声が風を切り裂き、風華は驚いたように飛び下がる。
『…………………………やっぱり、これぐらいじゃあ倒れない、か。』
『なめてもらっては困るぞ封じの姫よ。』
ふんっ、と小さく笑い、祇夕は龍闇伊を振り下ろす。
すると、そのたった一振りで先ほどの風華の風とは段違いの爆風が風華を直撃する。
『これは…………………反復術?』
にっこりと微笑む祇夕を見ながら、数十メートルほど先で風華はつぶやく。
反復術は幻術の一種で、この術の発動中、相手の攻撃をくらうとその攻撃を反復させて相手に返す術式である。しかも、その攻撃の威力は相手からの攻撃の倍の威力があるため、ほとんど報復なのである。
『ほう…………………さすが龍精の姫。物知りだな。』
『ふふ。おほめに預かり光栄だわ。』
風華は、祇夕と同じように微笑み、吹き飛ばされた地点から龍風巴で大気を仰ぐ。
すると、キラキラと輝く光の粒が風華を纏い出した。
『……………………大気との【戯れ】………………いつ見ても絢爛で輝かしい。』
『【戯れ】は、私の得意術の一つでもあるからね。』
(幻影の中だというのに、此の【戯れ】。見事なものだ。)
見た目は巴樹、頭は風華。
君はどこぞのアニメの探偵か?




