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ドラゴンすくらんぶる!  作者: 葉月 都
第㭭章 消滅し人影、再生せし悪夢
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其七十二

な、なんとか、書き終わった………………でも、ミナガクがぁぁぁぁぁぁぁ……………!


『………………………く!………やく!早く!』

「も、もう無理だよ!見つからないよ!」

『早く!後三十秒だから!』



私は、どこかも分からない、右も左も同じ洞窟の中を一心不乱に走り回っていた。



『月の光がもうすぐ消える………………それを過ぎたら、"あの力"が復活しちゃう!』

「ダメっ……………どこを探してもないのッ!」



辺りは、キラキラと光り輝く鉱石で埋め尽くされ、私はその間を勢いよく駆けていく。

脳内で繰り返される声に、必死で答えながら、私は"ある物"を探していた。



月光ムーンナイトはッ、あなたのその力にしか反応しないんだよ!』

「そんなこと、分かってるけど………………!そろそろ、力が……………ッ!」

『お願い…………………あなただけが頼りなの!』



私は、はあはあと荒い息遣いを続けながら、必死に走り続ける。

周りの鉱石達は、私がそばを通ればひと際眩く輝き、通り過ぎたら、その光を失う。

それを繰り返していた。


その中で、私はある物を見つけた。



「……………………………あ…………あった………………!」

『ほんと……………ほんとだ………………すご………すごいよ!』



私の手の中でぼんやりとした白い光を放ち、それは輝く。

その光は、何度も点滅を繰り返し、まるで自分の呼吸とリンクしているかのようだった。

周りの鉱石は、まるで私を祝福するみたいに、その輝きを増す。


きらきらとその光を反射して、真っ白なその原石は、私の瞳の中で輝く。



『これで……………………………やっと、"あの人"が………………………!』



その時。

原石の輝きが、まるで太陽のような光を帯び、私を包み込む。



















「っあ!」



ふいに。

巴樹は目を覚ました。



「な、なんだ、夢か………………」



はあ、はあ、と息を切らしながら、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。

いつの間にか眠っていたらしく、巴樹は毛布を掛けられ床の上で眠ってしまっていた。

服も昨日のままだったため、巴樹は急いでタンスの中から他のワンピースを出して着替える。



着替え終わると、巴樹は静かに階段を降りる。

先ほど時計を確認したとき、八時十二分だったため、きっと皆起きているだろうと思ったのだ。

しかも、ちょうどいいことに、今日は先生達の出張が重なりまくりほとんどいないので、偶然にも休みだ。



「おはようございます、奈濟さん。」

「………………………あ、おはよー、巴樹ちゃん!」



階段から降りてきた巴樹に、キッチンで朝ご飯の片づけをしていた奈濟さんがにっこり笑顔で巴樹に挨拶をしてくれる。


テーブルに向かうと、ソファにいる源人と冷斗を見つけ、巴樹は挨拶をする。



「おはようございます、源人さん、冷斗さん。」

「…………おはよー。」

「あ、おはよー!巴樹ちゃん。」



だが、すぐに二人は元の会話に戻ってしまう。

すると、巴樹の耳にその会話が聞こえてきた。



「………そういや、今日の天気、おもしれーよな。」

「ああ。まるで、"あの時"と同じだ。」

「晴れてんのに雨が降ってるとか……………………………狐の嫁入りか?」

「ん、かもね?晴れてる時に雨が降ってる時には、狐が嫁入りをしてるって聞いたことある。」

「でもよ。この雨、昨日からずっと降り続いてるんだぞ。おかしくねーか?」

「………………………ヤなことしか起こる気がしない。」



そんな言葉を最後に、巴樹は意識を元に戻す。

目の前には、目玉焼きがのったトーストが一枚と、牛乳。



「ありがとうございます!奈濟さん。」

「ううん。昨日食べてないから、まだ入りそうだったら言って。」



奈濟さんはまだ何か言いたそうにしていたが、にっこり笑顔を取り戻して、キッチンに戻っていった。


巴樹は「いただきます」と手を合わせると、トーストにかぶりつく。

そして、むしゃむしゃとほおばりながら、窓の外へと視線を向けた。


(本当だ……………なんだか不思議な天気だな。)


巴樹の瞳に映る空は、雲一つない青空。

でも、その空からは、神様の大粒の涙が零れ落ちてきていた。

しかも、パラパラ、ではなく、ザーザー降りの大雨である。


冷斗の言う通り、この不思議な天候は、すぐに巻き起こるすべての元凶との闘いを暗示しているようだった。








無事、朝餉を食べ終えた巴樹は、縁側に座って空を眺めていた。


奈濟さんによると、理衣は塾、御津葉とレナは学校、緑さんも大学に行っていて、いるのは源人と冷斗と奈濟さんと巴樹だけだという。


巴樹は、少しだけ後ろを振り返り、部屋の中をぐるりと見渡す。


奈濟さんは朝刊を読みよみコーヒーをすすり、源人はテレビに意識を集中させていて、冷斗はその横でスマホをいじっている。



………………………本当はいるはずの一つの人影を、巴樹は無意識のうちに探していた。




(ほんと、もやもやしてるな、私。)


自分で自分に呆れながら、やることもなく巴樹は空を眺める。




刹那。




ヒュンッ、と青空を切り裂くように、細長く黒い物体が、皐月学園から真垂直に放たれる。

一瞬だったのだが、巴樹の目にはしっかりとそれが映った。



その時だった。



まさに光のごとく、世界のすべての"時間"が、抹消される。

電光石火のように広がった黒い波紋は、何重ともなり、世界中に広がる。


だが、それは巴樹達にとっては、コンマ数秒にもならない出来事だった。



そして、"それ"は現れた。



今度は、先ほどの黒い物体のように速くなく、先ほどの時間の停止よりもはっきりと、巴樹の脳裏に刻みつけられる。








「な、な…………………なに、あれ………………………?」









先ほどの晴天の青空に、真っ黒な球体が突如出現した。

どこからともなく、ふいに。


それは、つい一、二か月ほど前に見たばかりの"ある物"とよく似ていた。





そう。







巴樹が封印したはずの








軈乃球、そっくりの。

えと、ドラすくの二週間内予約投稿はこれで終わりなので、(もっと書けよ!)ぜひ、これまでのお話を振り返ってみてください。

たぶん、この本厄につながる手がかりが、どこかに?

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