其六十七 巴樹視点
遅くなってすみません!
そして、短くなりましてごめんなさい<m(__)m>
さて、とうとうドラすくも最終局面に入ってまいりました………………!
"きいくんが………………………消えたの"
その一言に、私は、いや、私はおろか、利人さんや佳穂さん、柴さんまでもが動きを止めた。
そして、そこからの十数秒、いや数分間、まるで、いつも柴が感じている、世界からすべての音や気配が消え去った。
「…………………………………ど、う、いう、こと、です、か………………………」
私は、頭の整理がつかず真っ白になりかけながら、やっとのことでその言葉を絞り出した。
とても、とても小さくて、伝わるか心配だったけど、辛うじて奈濟さんに届いたらしく、奈濟さんは苦しそうに私の言葉に答えてくれた。
「かえってきて、から、ぜん、ぜん、きいく、んが、すがたを、みせない、から、心配に、なって、様子を、見に来たの。
そし、たら、もう…………………」
とぎれとぎれの奈濟さんの言葉を要約してまとめると、
買い物に行っていた奈濟は、私が意識の薄れている状態で見つかったと聞き、急いで寮に戻ってきたらしい。
私の無事を三人から確認した後、ふと用件を思い出し、巴樹の一つ挟んだ隣の部屋のきいを訪ねた。
が、返事がなく、ドアのロックも外れていたので不審に思って中に入ると、
「これが………………」
そう言って、奈濟さんは私に一通の手紙を手渡してくれた。
私は、それを無言のまま受け取る。
そして、薄紫のアヤメの絵が右端に小さく描かれただけのシンプルな封筒の表に書いてある、少し崩れた形の文字を見て、目頭が熱くなるのを感じた。
【巴樹へ】
きいくんらしい、そっけない三文字。
でも、それだけでも、自らの涙腺を壊すにはちょうど良すぎた。
震える手を必死に動かし、私は中から真っ白な雪色の便箋を取り出した。
そして、零れ落ちそうになる雫で文字を滲ませないように拭きながら、心の中でゆっくりと読み始める。
【巴樹へ
この手紙を読んでるとき、俺はもういないと思う。
別に、ただのクラスメイトでちょっと毒舌なやつ、とだけの認識だけなら、この時点で手紙を破って。】
…………なに、言ってるの。
破るわけないよ。きいくんは、大事な大事な寮員の仲間で、大好きな人だよ………………?
【これまで、色々と迷惑かけた。
お前に嫌な思いさせたし、傷つくような言葉をかけたりした。
でも、こんな俺の話だけど、ちょっとだけ聞いてほしい。】
もちろんだよ……………何でも聞く。
【でも長い話はあんまり好きじゃないから、簡潔に言う。
きっと、後から佳穂さんや利人さん、奈濟さん…………色んな人から聞くと思うけど、これから話すことに関連する大事な部分だけ書いておく。】
………………大事な部分……………?
私は、その一言に首をかしげる。
が、続く言葉を見て、息をつめた。
【俺は、千年前、あの日……阿衡の一年の日に、お前と……お前の前世、初代封じの姫の風華と戦った、
祇夕の生まれ変わりであり、
その力を引き継いだ、】
黒の御子だ…………………………




