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ドラゴンすくらんぶる!  作者: 葉月 都
第漆章 皐月の組紐と予感
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其六十一

少し文など変ですが、後々また修正します。

アリスのお話が、所々変かもです。

私なりに書いたので、許してください。


(ん…………………?)


少しの間の後、巴樹はある部分に違和感を感じた。

ある部分、それは、先ほどのアナウンスのことである。


(どこかで聞いたことがあるような……………………?)


周りの人達も、何かざわざわとしていたが、劇が始まったのでざわめきは収まった。






「待って!ウサギさん。待ってったら!」



水色のワンピースに真っ白なレースの付いたエプロン。栗色の髪のてっぺんには、黒いスカーフリボンが跳ねている。

場面は、アリスが穴に落ちる少し前である。


すると、突然アリス役の佳穂が、ワンピースの端をつまんで、走っていた台の上からピョンッと飛び降りた。

それと同時に、後ろの背景が目まぐるしく下から上へと変わっていく。


(これって、穴を落ちている演出なんだ!すごい!)


後ろの背景の絵は、様々な色の水晶や苔、草花、そして、今度はたくさんの棚の絵になる。

あまりのクオリティの高さに、巴樹は思わずほぉっと感嘆の声を洩らす。



「まあ、なんて不思議な穴なの?一体どこまで続くのかしら。」



佳穂の演技も、観ている人を劇の中に引き込むような力強さがあった。

巴樹は、しばらくこれが文化祭なのではないかと勘違いしてしまっていた。







「まあこんにちは。」

「やあ、何でもない日を祝う、ティーパーティへようこそ。」

「こっちへ座って!」

「いえ、私はただ、道を聞きたいだけで、」



事件が起こったのは、アリスが帽子屋たちと出会って、お茶会に招かれている場面のことであった。

途中で席が一席空き、巴樹は、扉の近くの席で劇を鑑賞していた。





「きゃぁあぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!」





突然、外から悲鳴が聞こえてきたのだ。

そして、たくさんの人々が逃げ惑う怒声と足音、そして、何かを踏み潰すような大きな足音。


大きな足音。


ドスンッ、ドスンッ、と、まるで巨大怪獣が暴れているような音。

その音に、巴樹は嫌な予感を覚える。



「……………まさか。」



ぼそりとつぶやくと、巴樹はガタンッと椅子が転がるのも気にせず、体育館の扉をあけ放つ。

勢い勇んで飛び出すと、巴樹はそのまま固まった。


(うそでしょ………………、なんで、"また"……………)


驚きに満ちた巴樹の視線の先には、





あの、見慣れた姿……………そして、「そんなに空気読みたいのか!!」と言わんばかりの造形、ゴ○ラの形をしたクラが、校舎へ向かって前進しているところであった。




ぽかぁーんと口を半開きにしている巴樹。


すると、その隣に誰かが駆け寄ってくるような足音が聞こえてきた。



「おぉ………おぉおぉお?」

「これ………………」

「うわ、マジかよ……………」



聞き慣れた声。

佳穂、悠、そして、右隣からした、もう一つの涼やかな声、今、一番いるはずがない人の声。



「り、利人さんっ?!」



びっくりして見上げると、不服そうな利人の顔が巴樹を見下ろしていた。



「なんだよ、いちゃいけねーのか。」

「いっ、いやいやいや!!ってことは!もしかして、あの時のアナウンスっ!!!」

「俺ですけど。」

「やっぱりっ!」

「ちょちょっ、二人とも!今はそんなこと言いあってる暇はないよ!」



小さな言い争いが始まりかけ、佳穂が二人を叱咤する。

その言葉に、二人が一瞬で口をつぐむ。



「鶴の一声、ってか。」



佳穂の横で、悠がそうぼそりとつぶやいた。












「予想外、なんだけど。」



これは、あのゴ○ラクラが現れる少し前。

校庭の隅で、一人の少年がそうつぶやく。



「いえいえ。まあ、手慣らし、ということで、よろしいでございましょう?」

「……………でも、よりによってなんで今日なんだよ。」



どうやら、会話の相手は、少年より年上の男の人のようだ。

濃い青紫の髪に、チョコレート色の真ん中が谷のようになっているカウボーイハットを被り、カウボーイとは真逆の灰色の執事服を着た男性だ。



「こちらの都合が少々重なりまして。今日しかお迎えに上がれないのでございます。」



その男性は、とても礼儀正しい敬語を使って、自分より年下の少年に話している。



「だからって、なんで造り上げる必要がある。」

「まあよろしいではございませんか。もともと、この式典のために、一,二週間ほど前から準備を重ねていたのですから。」

「…………………………。」



その男性の言葉に、少年は黙り込む。

そして、少しの間の後、言った。



「分かった。俺も、少し肩慣らしに力を貸してやるよ。その代わり、"帰る"前に少しだけ時間をくれ。」

「もちろんでございます。貴方様から直々にお力をお貸ししていただけるなど、身に余る幸福。」

「幸福なんて、欠片もないくせに。」



ぼそっと嫌味を吐くと、少年は静かに男性の額にその白い手を当てる。

すると、その手の下から紫色の光がボオッと光り、男性が「うっ」と小さくうめいた。



「それぐらいで、いいだろ。」

「有難うございました……………」



男性が苦しみながら頭を下げる。

少年は後ろも振り向かずにそのままグラウンドへと戻っていった。



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