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ドラゴンすくらんぶる!  作者: 葉月 都
第漆章 皐月の組紐と予感
61/94

其六十

改修途中だけど、頑張って仕上げました!

一週間も経っていて、久々すぎて書き方を忘れかけた都でした笑


そして、時はめぐり、皐月祭り当日となる。

現在の時刻は、午前十時四十分。

昼も近くなり、人々の賑わいもより一層高まっている。



すっかり回復した巴樹は、来客としてやってきていた。

本当は、皐月学園の生徒は出迎える側の仕事もしなければならないのだが、小冬と、巴樹の担任の先生の計らいで、特別に許可をもらっている。


(ほんとは……いけないんだけど、ごめんなさいっ!)


目をギュッとつぶり、運動場に建ち並ぶ屋台の間を駆け抜けていく。


辺りで、「たこ焼きどーぞー!!」とか「射的!やってまぁす!!」とか、夏祭りや文化祭並みの呼び込みの声が響いている。


今日の巴樹は、伊達メガネにいつもは垂らしたままの長い金色の髪を、三つ編みで一つにまとめ、てっぺんでおだんごにしている。

もちろん、変装用である。



「……………にしても………」



メガネをくいっとあげながら、巴樹はつぶやいた。



「これ、ばれないのかな?」



先ほどから、バレたらどうしよう!という恐怖と、巴樹は戦っている。現時点では、五分五分である。


悶々としながらぐるぐると回っていると、


ドンッ!!!



「いたっ!!」

「っ………!」



前からやってきていた人とぶつかってしまった。

相手は、おでこをさすりながら立ち上がって、巴樹の方へと歩み寄ってくる。


(あわわわわわわ…………ちゃんと前見てればよかったっ!どうしよ、怒られるっ!)


そんなことを思いながら縮こまっていると。



「あのさ……………早く立ったら?」

「…………へ?」



相手の男の子から発せられたのは、予想外の言葉だった。

思わず、巴樹の口からすっとんきょうな声が出る。



「通行の邪魔になるでしょ?早く。」

「え………あ、はい………」



差し出された手を取り、巴樹は立ち上がる。

いつの間にか出来ていた人だかりは、あっという間に散っていった。


(うわぁ……………この人、すごいかっこいい…………)


真っ正面からその人と対面すると、その男の子は、きいととてもよく似た顔立ちをしていた。

黒髪に、海のような青い瞳が黒ぶちメガネの奥で輝いている。

しかも、かなりのイケメン。



「大河ー?」

「っ………あー、今行くから。」



人混みの奥から聞こえてきた女の子の声に答えて、「大河」と呼ばれたその男の子は言った。



「大丈夫ですか?」

「あ…………ありがとうございます。あと、ごめんなさい!」

「気にしないでいいから。」



巴樹がそう謝ると、大河は小さく微笑んでから、人混みの中に消えていった。

最後、巴樹の耳に微かに、大河と女の子の話し声が届いてきた。



「あの子、だれ??」

「ぶつかってきた子。なに?嫉妬してんの?モモ。」

「うるさいっ!」



わーわーぎゃーぎゃーと騒ぐ女の子を見ながら、巴樹は思った。


(仲がいいんだね、あの二人……………いいなぁ……………)


にっこりと笑い、巴樹は少しずれた伊達メガネを直して、再び歩き出した。





いずれ………再びあの二人と、驚きの形で会いまみえることになることとは知らずに…………………………。









「そういえば………………佳穂さん達は、どんなのをしてるんだろ?」



受付で渡されたパンフレットを見ながら、巴樹は首をひねる。


しばらく目をきょろきょろとさせていると、



「あ!あった!なになにぃ……………え。」



佳穂のクラス、2年B組の文字を見つけ、巴樹は興味津々で出し物の説明を見る。

が、そこで巴樹は、口を半開きにしたまま固まってしまった。


巴樹の若草色の瞳には、パンフレットの説明文が映し出されている。



【2年B組 劇「不思議の国のアリス」

あらすじ

アリスは、お昼寝の途中ふと目を覚ますと、時計を持った白ウサギを見つける。その白ウサギを追って、アリスは木の根元の深い深い穴へ落ちてしまう。そして、その穴の行きつく先は、不思議の国だった


アリス 南佳穂

白うさぎ 黒河悠

帽子屋 島崎愛香

開演 午前十一時より

場所 第一体育館】



「不思議の国の…………アリス?」



信じられない………と、巴樹は呆然とする。

だが、巴樹が驚いているのは、佳穂がアリス役をすることではない。


巴樹は思い浮かべた。




あの………あの真面目で無愛想で策士な悠が、真っ白でふわふわの長い耳を付けて、懐中時計を持ち、タキシードを着て、白ウサギの恰好をしているところを。





「あは…………あはははは……………」



自然と、巴樹の口からは笑い声が漏れていた。


一人静かに大きな木の下で笑うメガネの少女を、行き交う人々は不思議そうな目で見つめていた。





(すっ、滑り込みセーフっ……………)


はぁはぁと荒く息を吐きながら、巴樹は体育館の後ろの壁に背を預ける。

体育館に並べられた席は、ほぼ満席だった。


笑いすぎて、自分の通う学校の図面を完璧に忘れ、尚且つ、人混みに流され、巴樹が第一体育館に着いたのは、開演2分前だった。

2分前でもまだ受付が出来て、巴樹はほっとしている。


走ったり、もみくちゃにされてぐちゃぐちゃになった髪を直していると、劇の開園を知らせるブザーが鳴り渡り、微かな明かりも話し声も、一瞬にして消えた。



『これより、2年B組の劇【不思議の国のアリス】を開演いたします。』



そうアナウンスが告げると、ステージがパアッと明るくなった。



アリスのお話のあらすじは、私が勝手に思い出しながら書きました。

へたくそすぎてごめんなさい。

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