其五十八 御癒視点
今回は、きいの式神、みゆ視点です。
昨日は出来なくてすみません。
こんにちは。
こうして読者の皆様にお会いするのはハジメテですね。
私、空天龍、飛龍精であるご主人様、信重きい様の式神、みゆです。
本当は、巴樹様に伝言があってやってきたのですが、私がやってきた時、突然初代の封じの姫様、風華様の幻影が現れ、なんだかお取込み中みたいなので、きい様に頂いてある龍符を少し使わせていただき、こうして巴樹様の部屋のべっとの上で、お話を聞かせていただいています。
どうやら今は、先ほどからの巴樹様の天然発言により、なんか色々と話が脱線してしまっているようですが、龍精の大大大大大×1000先輩に龍衣について教われるいい機会ではないかと思い、私はあえて静かに黙って聞いています。
『神託の呪文は、人それぞれ違うのね。』
おや?
風華様のレクチャータイムが始まるようです。
『巴樹ちゃんの場合で説明するわね。
巴樹ちゃんの神託の呪文は【七橋風華封印風夢】。
まあ、聞いてて分かっただろうけど、構成上としては、【名字・武器名・技名】になっていることが多いのね。
名字は、その人の家系に宿っている力を表してて、武器名は……その人の前世の名前が元になっていることが多いから、前世の力を借りるという意味ね。それで、技名は、その人に宿る龍の力を使う…
つまり、その人のすべての力を最大限引き出すってことよ。』
「へぇ~。」
「呪文は知ってたんですけれど、そんな意味があるなんて知りませんでした!」
確かに。
さすが、元、龍精のトップね。
私も、ゆゆちゃんと同意見だわ。
『他の構成としては、【名字・龍名・武器名・技名】かな?
だいたい意味はおんなじよ。
巴樹ちゃんを例にすると、【七橋風龍風華封印風夢】。
こっちの方が長いんだけど、龍の力を上げるとしては、さっきの構成より少し上なの。
それと………これは滅多にないんだけど、ごく稀に、こんな構成もあるんだ。
【名字・龍名・名称】
ていうのね。
今の雅龍将で言うなら、【幸末天龍雅龍将】って感じかな?』
あぁ。
これはなんとなくきい様から聞いたことがありますね。
この呪文を授かるのは、主に、雅龍将と封じの姫と聖龍士です。
名称………特別な力を持つ人が、たまに授かるんですっけ。
きい様によると、
「ある意味ごく稀だろ。主だけで考えても6人だけなんだから」
なんだそうです。
『龍衣には、力の暴発によって龍精が発狂してしまうのを防ぎ、尚且つ、最大限引き出す力を持っているの。
だいたい、それぞれの龍精一人一人が使える力は限られているの。まあ、お皿の大きさが人それぞれ違うってこと。だから、そのお皿を超える質量の物は溢れ出ちゃって、その人は暴れちゃうってわけ。
そうなるから、青龍様は龍衣をつくりだし、一時的にお皿を大きくする力を龍精に授けたの。』
龍神の神託の呪文の意味、それはすべての力を借りる。
龍神の神託の力、一時的に力の暴発を防ぎ、かつ最大限に力を増幅させる。
青龍様は、本当に素晴らしい方ですよね。
そういえば、二十七族生の色龍に「青」がないのは、青龍様がいらっしゃるかららしいと聞いたことがあります。
そりゃあ、【龍神】ですから、それだけの力を操りこなせるのはかなり難易でしょうね。
「な、なんだか、風華様のお話を聞いていると、青龍様の偉大さがひしひしと伝わってきます……………!」
「うんうん。私、すごい人から龍衣を頂いたんだね………。」
本来の目的を忘れ、巴樹様とゆゆは簡単の声を漏らしています。
でも……そろそろ脱線を修正しなければ。
私は幻術を解き、三人(一人幻影)の前へ歩いていく。
「あのぉ……そろそろ風華様がいらっしゃった理由を聞かないと………いくら龍衣を羽織ったとはいえ、時間制限、ありますでしょう?」
『おぉ!すっかり忘れてたよ!』
風華様は、なんだか莉花様みたいですね。
私はあはははは………と苦笑いしながら、風華様の幻影を見上げる。
といっても、今の姿だと顔一つか二つ分ほど離れているだけですけれど。
すると、突然巴樹様の声が後ろから聞こえてきました。
「えぇえ?…みみ、みゆちゃん??」
「みゆちゃん……………いつから私の部屋に。」
「そうですね……風華様がいらっしゃった頃ぐらいでしょうか。」
にっこりと微笑み、戸惑いの表情と声のお二人を振り返りながら見る。
少しして状況を読み込んだ二人は、今度は風華様の方を見て言いました。
「それで……現れた理由って……なんですか?」
『えーっとねー……あ、そうそう!』
もしかして、風華様、用件をお忘れになりかけていたんですか?
私は心の中で風華様に突っ込む。
『私が分龍の儀を行った理由よ。
私がどうして分龍の儀を行ったのか言ってたでしょ?だから出てきたの。』
「「!」」
どうやら、お二人には思い当たる節があるようですね。
さて。
そろそろお時間のようです。
それでは、また会える日をお待ちしています。
莉花は後々出てきます。




