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ドラゴンすくらんぶる!  作者: 葉月 都
第陸章 災いの始まり
53/94

其五十二

間違えてだいありーの方に投稿してました(>_<)

すみません


えっ…………??


理衣ちゃんの目は、何か恐ろしいものを見ているかのようで。

怯えたように、理衣ちゃんは私の肩をがしっと掴み、真剣に訴えかけてきた。


「巴樹ちゃん……………お願い……………きいさんに……………あまり……………」


でも、途中で言葉を濁らせて、下を向いてしまった。


きいくんに、あまり?


だけど、どうしても言葉の続きが気になる私は、逆に理衣ちゃんの肩を掴んで言った。


「言って。なんでも聞くから。」


その言葉に、少し戸惑うような表情の後、理衣ちゃんは小さくつぶやいた。


「あまり、油断しないでください。」

「油断………?」


油断しないで……って、どういう意味なの?


そう追求したかったけど、私は口を閉じた。

その悲しげに細められた理衣ちゃんの瞳は、「これ以上は話したくない」と無言で告げているかのようだった。


「とにかく、頑張ってください!巴樹ちゃん。」

「え、あ、うん………」


「それでは私は、先に寝ちゃいます。おやすみで~す」、と、理衣ちゃんは、タロットカードをまとめると、ひらひらと手を振って二階へと上がっていった。


キッチンで食器の片づけをしていた奈濟さんが、理衣ちゃんに「もう寝るの?!」と驚いたように声を上げたが、理衣ちゃんは苦笑いして上へ上がる。


そんな会話を後ろに聞きながら、私は視線をテーブルの上に移す。


あ………タロットカード………


持っていくのを忘れたか、取り損ねたのか、巴樹の引いたカードの恋人と、そして、白い馬に乗った骸骨騎士が描かれたカードが二枚表になって残っていた。


骸骨騎士の絵の下側には、「DEATH.」と書かれている。


えーと……確か意味は……「死神」?


そういえば、前に茉奈の読んでいた本の挿絵に、骸骨の体にボロボロのフードマントを羽織ってて、大きなカマを持った死神の絵があって、優香と三人で「こっわぁー」って言いあったっけ。


少し本でみたのと違うけど……って、共通点が骸骨なだけもするけど、まあ、いいか……このカード、なんだか気味が悪いなぁ………


その時、習っている塾から帰ってきた御津葉ちゃんが、私の持つ二枚のカードをのぞき込んできて言った。


「あれ?それって理衣ちゃんのだよね?大事なものみたいだし、届けてあげたら?」

「うん。そうだね。そーするよ。」


私はカードを手に、二階へと上がっていく。


その後ろ姿を見ながら、御津葉ちゃんがぽつりとつぶやいた。




「…………………死神、かぁ………………」




御津葉ちゃんのその呟きは、私の耳には届かなかった





コンコンコン


「はーい」

「理衣ちゃん、巴樹です。」

「ん?巴樹ちゃん?」


少しの間の後、目の前のドアがガチャリと開いて、寝間着姿の理衣ちゃんが姿を現した。

私がタロットカードを渡すと、眠たげだった理衣ちゃんの表情が、ぱああっと輝いた。


「あっ、ありがとっ!全然気づかなかったよ!」

「良かったぁ。」


ほっと胸をなでおろす私。

「それじゃね。」と引っ込む理衣ちゃんを見て、私は慌てて叫んだ。


「ちょっ、ちょっと待って!!」


その声に、理衣ちゃんは驚いたように振り向いた。


「?なに?」

「あ、あのね!、その、死神のカード、どういう意味があるの?」


理衣ちゃんの持つ、死神のカードを指で指示し、私は聞く。

その問いに、理衣ちゃんは少し考えるような素振りを見せてから言った。


「んーこの位置は………………反転したみたいに生まれ変わるって意味だよ。」

「……そっか。ありがとう、理衣ちゃん。…おやすみ。」

「うん。おやすみ~」


にっこりと微笑み合い、理衣ちゃんは扉を閉じ、私は左隣の自分の部屋へ戻る。

部屋に入ると、私はベットにダイブする。


スプリングに跳ね返されながら、私は考えていた。


「反転したみたいに、生まれ変わる、か……………………………」


きいくんの態度が、反転しちゃったみたいになっちゃったのと、関係があるのかな………


……………まさか。あくまで占いだもん。

気にしない、気にしない!


私は、頭に浮かんだ考えを振り飛ばし、布団の中に潜り込んだ。




その頃、巴樹の隣の部屋では。


「どうしよ………」


笑顔で巴樹を送り出した後、理衣は手元のカードを見つめた。

その視線は、まっすぐに死神のカードへと続いている。



「……………ごめんね、


本当にごめんなさい


巴樹ちゃん。」



部屋の中には、理衣のすすり泣く声が小さく響いていた。


夜空に浮かぶ月は、星とともに、三人の部屋の中を淡く照らしていた。

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