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ドラゴンすくらんぶる!  作者: 葉月 都
第陸章 災いの始まり
52/94

其五十一

新章突入!!


の前の、伏線張りまくりの三部構成です。

ちなみに、この章は、すべて巴樹目線です。


「おはよー、きいくん。」

「………はよ」


「きいくーん、ごはん出来たって!」

「……あそ」


「一緒に学校行く?」

「いや、いい。」




……………おかしい。


なにかがおかしい。


私は、授業中ながら隣の席のある人物を、難しい顔でこっそりと盗み見ていた。

端正な顔立ちに無表情を浮かべているきいくんは、私の視線なんて、道に落ちてる小石ほど。


窓から見える桜の残り花ももう少なくなって、所々にピンク色の花がうっすらと見え隠れするぐらい。

夏にはまだまだ早い、五月の終盤。


私の悩みは、ただ一点のみ!!


そう。


それは…………


『最近のきいくんの私への態度について』!です!


ほんとにおかしいよ。

今日の朝だって、前までは私が「おはよー」って挨拶したら、「おはよ。」ってちょっと笑って言ってくれたり、学校行くときも、なんやかんやで一緒に行くし………なのに!


「はよ」と「いや、いい」だよ?!ご飯のお知らせも、「あそ」だよ!

読点句読点も全部合わせて、たった九文字だけだよ!!??




「いったいなにがあったのーーーーー?!」


「ちょっ、巴樹、どうしたのっ?」

「なんか変だぞー、巴樹。」


お昼休み。

屋上でお弁当を食べている友達の優香と茉奈が、私の突然の叫びに驚いたように声をかけてくれる。

柵から身を乗り出していた私は、上体を起こして二人のもとへ行く。


「あはは………ごめんごめん。」


もともと言葉数は少なかったし、私の気のせいだと思うから、二人には言わなくていいよね。


「なんとなく、頭の中にそんな言葉が浮かんできて…………。」

「まったく………たまに謎行動するわよね、巴樹って。」

「たまに危なっかしい時もあるし。」

「それは今関係ないって、優香。」


この二人には、とってもよくしてもらってるよね。


優香はちょっと天然っぽくて、茉奈はしっかり者。


ほんと、皐月学園に転校してきて良かったぁ。

きいくんとも会えたし。


って!


なんだか、私、きいくんのこと考えすぎじゃないっ?

まあ、気のせいー、気のせいー、気のせいーーー……………だよね。


「………巴樹?なに百面相してんの?」


茉奈のあきれ声が私の耳に届くのは、それから約十五秒後のことであった。


だめだ。私。

すっかり気が動転しちゃってる。




そして、すっかり日は暮れて。


ぐおんぐおんぐおんぐおんぐおん……………………………


「おーい、巴樹ちゃーん?」


はっ


「あっ、ごめん、ぼーっとしてた。なんだっけ?理衣ちゃん。」

「ううん。巴樹ちゃんが途中から目がうつろだったから声かけただけだよ。」


小さく笑い、理衣ちゃんが言う。


現在、夜の八時。

理衣ちゃんおすすめの音楽番組を見ながら、私はお茶を飲んでいた。


「もう。しっかりしてね、巴樹ちゃん。一体今日はどうしちゃったの?」

「うーん………なんだか今日は、気分が優れないというか…………」


理衣ちゃんの心配そうな言葉に、私は苦笑いして答える。


あー、ダメだなぁ、今日の私。

午後の失態を思い出し、私はますますへこむ。


先週の抜き打ちテストが返ってきたけど、散々な点だったし。

掃除中は、自分の掃除場所間違えるし。

帰り道では、道にあいていた大穴に気が付かずに、思いっきりつまづいたし。

ご飯のお手伝いしてたら火傷しちゃうし。

お皿はひっくり返すし。


ションボリラ(´;ω;`)ウゥゥ


そんな私を見ていた理衣ちゃんが、突然どこからかタロットカードを取り出して、私に言った。


「巴樹ちゃん。ちょっとこの中から三枚選んで。」

「え?」


驚きつつも、私は言われた通りにタロットカードの山から一枚カードを引き抜いた。

そして、ひらりとひっくり返すと、そこには赤い羽根をした天使と、若い二人の男女が描かれていた。


「これは?」

「ん………ああ、これは『恋人』のカードだよ。正位置だから、意味は、


『幸運は、掴みに行くのではなく、向こうからやってくる』


、だよ。」


「………向こうから、やってくる…………」


その言葉に、私の胸が、なぜか打ち震える。


「というか、このカードは恋愛の始まりやいろんな幸運の到来も意味してるんだけど…………巴樹ちゃん、誰かが好きになっちゃった?」

「っ?!」


どこか図星を差され、ぎくりと肩を揺らす私。

………………………………理衣ちゃんならいっかな。


最近想い始めていたことを、私は理衣ちゃんに打ち明けた。


「…………実は…最近……ドキドキしたり、喋れないだけでうずうずしたりするんです。」


私の言葉に、理衣ちゃんはしっかりと食いついたようで、目をキラキラと輝かせて叫んだ。


「えええっ!誰っ、誰なのっ!?巴樹ちゃんを夢中にさせたやつはっ♪」

「……楽しそうですね、理衣ちゃん。」


苦笑いしてから、私はごにょごにょと極小の声でその名をつぶやいた。


「…………です。」

「え?」


ますますキラキラとさせる理衣ちゃん。

\\\\\\やっぱり恥ずかしいよ……………


かああっと体中の血液がぐるぐるとものすごい速さでめぐっていく。


私は、ゆっくりと理衣ちゃんの耳に口を寄せ、ささやいた。



「きいくん、です…………」



その瞬間。


理衣ちゃんの表情が驚愕に変わった。

【ドラすく登場人物紹介こーなー!】

桂川理衣

十五歳。A型。身長156,7cm。

龍精

武器 弓矢


睦月寮の住人。

落ち着いた性格ではあるが、少々気弱。

戦闘は苦手で、本職は占い師。

お手伝いが趣味。

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