其五十
いやー、やっと来ました!五十話目っ!
これで、軈之球編終了です!
そして、少し短いです。
「はあああああ…………………!!!」
先ほどの封印の儀よりも、遥かに気龍の消費は少ない。佳穂の言った通りだ。
でも、
(軈之球がもともと巨大だから………さすがに時間がかかるっ!)
苦しそうに、巴樹の顔が歪められる。
だが、光の放出はやめない。
でも、巴樹の力は、軈之球に少しずつだが効いてきていることは確かだ。
いまだ色彩封印の儀は続いている。
そのおかげもあって、巴樹はなんとか体力を持ちこたえている。
軈之球の大きさは、今や巴樹の2,5人分ぐらいになっている。
「もう少し……もう少しだからっ!」
(耐えてっ、私の体力っ!)
目をぎゅっとつぶり、一層力をこめる巴樹。
震え始めた体を押さえつけ、一心不乱に手に力を集中させる。
「私はぁ………………私はぁ………………っ!!
みんなをっ、伏見町をっ、
全部
全部
ぜーーーんぶっ!
取り戻すんだからぁっ!!!!」
ますます光が大きくなり、軈之球の縮小も速くなっていく。
そして。
パチンッ……………………!
風船が割れるような破裂音とともに、
軈之球が消滅した。
それと同時に、闇結界や、辺りにいる、少なくなったクラ達もはじけて、消えてしまった。
伏見町に、太陽の光が降り注ぐ。
一人、空に浮かんであっけにとられていた巴樹の顔に、花が開いたように笑顔が咲いた。
ほっと肩をなでおろし、ゆっくりと近くの屋根に降下していく。
そこには、
色龍の五人と佳穂が、笑顔で待っていた。
ひらりと降り立つと、真っ先に佳穂さんが抱きしめてきてくれた。
「やったじゃんっ!巴樹ちゃん。すごい!よく頑張ったよっ!」
ぐしゃぐしゃと髪の毛をかき乱す佳穂に、巴樹は苦笑いしながら答える。
「ふふっ、これはっ、みなさんと、佳穂さんの作戦のおかげですよ。」
すると、わっと莉々と赤奈が飛びついた。
「おおお………すごいっ、すごいよっ、巴樹ちゃん!」
「頑張ったねっ、巴樹ちゃん!」
遠慮がちに、雛も巴樹の頭をなでる。
その時。
その場にいた全員の耳に、あの能天気そうなお気楽な声が響いてきた。
「はっぎちゃぁーーーん!よく頑張ったねっ!!」
そして、そのままむぎゅっと抱きしめられる。
巴樹の体全部を悪寒が走り抜けた。
すりすりとすり寄ってくるのは、紛れもない陵であった。
「君のおかげで元に戻ったよっ、ありがとっ☆」
「あ、はい……………ありがとうございます。」
口を半開きにしたまま、巴樹が言う。
「さっすが、封じのひm……うぎゃっ!!」
ゴチンッと鈍い音が聞こえる。
びっくりして目をつぶる巴樹。
でも、何も体に異変は起こらず、目を開けてみると、大の字に気絶した陵。
そして、
真っ黒な怒りの表情で、それぞれの武器を手に陵を見下ろす二人の影が。
「か、佳穂さん……きいくん………」
きいは、空霊と天命二つの鞘を強打させ、
佳穂は、光輝の先を、しっかりと命中させたらしい。
「何してくれてるんですか。」
「…………変態のらくら野郎。」
絶対零度の表情で、そう吐き捨てる二人。
ぽかーんとしている巴樹に、小さく視線を合わせたきいが、ぽつりとつぶやくように言った。
「……………早く帰れ。切れかかってるだろうが。」
いつもよりそっけなく、冷たい声。
びっくりした巴樹は、立ち上がってきいに言った。
「ど、どうしたのっ、きいくん?」
「倒れられても、面倒だ。」
言葉を遮るようにきいは言うと、すたすたとどこかへ歩き去っていった。
戸惑っていた巴樹だが、きいの言っていた通り、気龍はあと少し。
渋々、言うとおりに睦月寮へ帰っていった。
(いったい、どうしたんだろぉ…………)
「どうした。きい。」
どこかへ向かうきいの手を、追いかけてきた利人が掴む。
その手を引っ張ってこちらを向かせると、その表情に利人は驚いた。
「っ!?」
パシンッと手を払いのけると、きいは走り去っていってしまった。
利人の脳内には、先ほどのきいの表情がくっきりと残っていた。
真っ赤な鼻に、涙腺が壊れたかのように大粒の涙を流す、あの表情が………………………。
それと、ドラゴンすくらんぶる!外伝改め「ドラゴンだいありー!」に変えて、さっそく更新してみたんで、見てみてください。




