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ドラゴンすくらんぶる!  作者: 葉月 都
第肆章 真実への戦い
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其三十六

二月も今日で終わりますねー。

Wi-Fiさんがつながらず、四十五分間ほど時間を食ったおかげで、昨日はできませんでした<m(__)m>

それと、「其二十四」あたりの呪文をちょっぴり返させていただきました。


二人がその光景に見とれていると、暦がふいに言った。


「これは、すいめんきょおといいます。すいめんきょおは、すいめんかでうごく、わるいやつをしめしてくれます。」


すいめんきょお……水面鏡は、暦の呪符を吸い込むようにして、その光を強めていく。

佳穂はいつの間にか消えていた。


「ここ…は、もしかして?!」


きいが、その光に映った景色を見て、悔しそうに歯を食いしばる。

巴樹も、驚いて言葉が出ない様子。



「そぉ。………ふしみちょぉが、やがのたまのしゅつげんばしょ。」



そう。

そこには、二人の見慣れた学校、町、神社、河川敷、そして、睦月寮が映っていた。


二人の顔には、不安と、絶望と、悲しみの表情が浮かんでいた。




『みんなには、まだいわないほぉがいぃとおもうよ。こんらんするとおもうから』


そう暦に言われ、二人は佳穂に送られ龍雅会を後にした。

だが、その帰途には会話が全くなかった。


すると。


にゃあ………


どこからか、か細い猫の鳴き声が聞こえてくる。

その声に、巴樹がぴくりと反応した。


辺りをきょろきょろと見回し、巴樹がつぶやいた。


「ゆゆ?」


少ししてきいも立ち止まる。


「ゆゆ……って?」

「私の、式神だよ。三毛猫の女の子。」


にゃあ………


再び猫の鳴き声が聞こえてくる。

今度は、



足元で。



「うわああああっ!」


すっかり腰を抜かした巴樹は、道にへたり込んでいる。

きいは、しゃがみこんで、その三毛子猫を抱き上げる。


「お前、何か用か?」


すると、ポシュンッと煙が上がり、薄茶色の髪を黄色のシュシュで一つにまとめ、だぶだぶの白いパーカワンピを着た、一人の小さな女の子が無邪気な笑みを浮かべていた。


「巴樹様に頼まれて!」

「っ……まさか、もう分かったの?!」

「もちろんです♪」


起き上がった巴樹が、おろしてもらったゆゆのもとに駆け寄る。


「よし!じゃあ、寮の部屋に戻ったら聞かせて!」

「了解です!」


きらきらと緑色の瞳を輝かせ、何の挨拶もなしに駆けていった。

苦笑いを浮かべ、きいはつぶやく。


「自由奔放な奴。」


小さく笑うと、すぐに絶対零度の顔になり、後ろを振り向いた。

その瞳は、まさに氷のようだ。


「………あんたがつけてくるとか、面白いですね。」


と声をかけると、近くの塀の後ろから、一人の男性が姿を現す。

その人は、青緑色のヘッドホンを着けて、意地悪そうな青色の瞳をきいに向けている。

前していた黒縁眼鏡は、今日はしていない。伊達メガネだったのだろうか。


水色の髪の毛をくしゃくしゃとかき、彼は言った。


「やっぱばれてたか。」

「気配は気づいてたんで。」


改めて紹介しよう。

彼は、六道利人ろくどうりひと。巴樹と同じ、五行龍、水龍精である。

年は、きいより二つ年上の十八歳。

普段は、実は意外と人気の声優のお仕事をしたりしているが、清き水の龍の力を使い、龍精の医者をしたりしている。


超絶ぶっきらぼうであるが。


利人は、ゆっくりときいに近づくと、つい先ほど巴樹が去っていった方向を見つめながら言った。


「あの子が『封じの姫』。」

「………そう。」


きいも、そちらを見つめつぶやく。


「大ボスが来るんなら、きっと集まるな。」

「っ!?」


その一言に、きいの肩がびくっと震える。


「どうして、それを。」

「二十七族生の龍精に、通達が来たし。」


利人の話によると、どうやら、ちょうど二人が龍雅会に呼ばれたころ、全国の二十七族生の龍精のそれぞれの式神によって、軈之球の出現について通達された。



『全員に告ぐ 大至急伏見町に来られたし』と。



「………マジか。」


その通達文を聞いて、きいの顔が真っ青になる。

ぼそぼそと、「マジかよ……ウソだろ……」とつぶやいている。


「そりゃまあ、あいつらも来るでしょうね。」


口ににやりと小さく笑みを浮かべ、利人が言う。

ぎろりと利人を睨み、きいは体を上げた。


「分かり切ったことを言うな、バーカ。」

「はいはい。」


はたから見ると、まるで、仲のいい兄弟のようだ。


「えーと、話がそれたけど、何の用なの?」


思い出したようにきいが言う。

利人も、「あっそうだった」という顔できいを見る。


「忘れてた。ほんとは、式神を飛ばそうかと思ってたんだけど、近くに来たし。」

「もったいぶってないで言え。」


すうっと息を吸い込んでから、利人は言った。


「俺たちの前世、偶然すぎやしないか?」

「は?今頃?」


思っていたより軽い質問に、ずっこけるきい。


「なんとなく、聞いてみたくなったから。」


はあーーと大きく息をつき、きいはあきれ顔になる。


「前に言った気がするけど、まあいいか。


俺が、


俺の前世が、そうなるように『仕向け』て、呪いを『かけた』んだよ。」


「………そうだったな。」


外していたヘッドホンを付け直し、利人はくるりと方向を変えた。


「それだけか?」

「ああ。じゃあ、あれが現れたら、また会おうぜ。」


ポケットに手を突っ込み、利人は去っていく。

きいは、その後ろ姿を見ながら、つぶやいていた。





「千年以上に渡った、『本当の』俺の野望が、実現するんだろうな。」









【ドラすく誕生日公開こーなー】

冷野小冬 十二月十一日

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