其三十五
明日は、試合があるので、投稿できるか分かりません。
でも、できたらしたいです!
「あのー、お取込み中申し訳ありませんがー、佳穂さんはなんでここにきたんですか?」
絶賛怒られ中の冷と、絶賛怒り中の佳穂に、巴樹がおずおずと話しかける。
かれこれ十分ほど説教している佳穂は、その声にくるりと振り返った。
にっこりと、恐怖の笑みで、佳穂は言った。
「ちょっと、この自由奔放すぎる闇龍を『捕獲』しに来たのと、姫様に、お話がありまして。」
「言葉が物騒だな………」
ソファに座って、その光景を見ていたきいがつぶやく。
だが、なぜか巴樹がわたわたと慌て始めた。
「「「?」」」
三人とも、きょとんとした表情になる。
が、すぐに解けることになる。
「~~~~~~っ?!×@※◇◯△☆/^~~~っ?!」
「は?」
ゆっくりと巴樹に近寄ると、自分の耳を巴樹の口のあたりに近づけ、きいが聞く。
「……………バカかお前は。」
十秒ほどで通訳したきいは、バシンと巴樹の頭をはたいた。
そして、二人に巴樹の言っていたことを話した。
「巴樹は、封じの姫としてのお仕事が初めて来て、ビビっているらしいです。」
すると、
「あはははははははははは!!!!」
「あはははははははははは!!!!」
突然二人の笑い声が室内に響き渡った。
「ちょ、ちょっと、笑うなんてひどいですよ。」
本当に傷ついた顔で巴樹が二人に訴える。
だが、二人は笑いをとめる気はないらしい。
その笑い声のおかげで、寮員達が起きだしてきた。
「何の騒ぎだよ………は?」
「もうちょっと寝よぉ………え?]
「朝早くから……へ?」
最後にやってきた奈濟さんが、間抜けな声を発する。
まあ、そう思うのは当然だろう。
聖龍士の二人が、半泣き顔の巴樹とあきれ顔のきいに、術によって縛られている光景だったのだから。
もちろん、二人が奈濟さんに怒られたのは、言うまでもない。
「それで……なんか話が脱線しまくった気がするんですけど、なんで笑ってたんですか?」
へとへとのきいが、椅子に座ってお茶とコーヒーを飲んでいる、佳穂と冷に聞く。
みかんを確実に、しかも大量に食べている冷を横目でにらみつつ、佳穂は言った。
「そんなに緊張しなくても、私たちは、巴樹ちゃんの肩の荷を増やそうと思ってないからさ。」
「むぐ……そうそう。」
十個目のみかんを食べ終え、冷は立ち上がった。
怪訝な目で佳穂が見る。
「どこ行くの?」
「んー、だって、佳穂が暦の伝令言ってくれるんでしょー。じゃあ俺いなくていいじゃん。」
「…………。」
大きな大きなため息をつき、佳穂は机に突っ伏した。
「あーもー!どーぞどーぞ!その代わり、後々働いてもらいますからねー!」
「んじゃ、みかん十個で。」
「五個です。」
そんな会話をしつつ、ひらひらと手を振って、冷は睦月寮を出ていった。
「それで、佳穂さん。伝令とは?」
巴樹が聞くと、佳穂も立ち上がって言った。
「うん。実は、見つかったんだ。軈之球の本体が。」
「お……」
「おおお!」
思わず拍手する二人を手招きし、佳穂は睦月寮の小さな庭に出る。
そして、ポーチから呪符を取り出して言った。
「少し来てもらうね。」
二人がこくんとうなずいたのを見ると、すうっと息を吸って、符を構えた。
「空間転移 光龍」
ぱああ、と呪符が光り、三人を包み込んだ。
目を開くと、そこは、龍雅会の青龍の間だった。
そして、一つの席に、一人の女性が座っていた。
その人の元に佳穂は歩み寄る。
「暦?二人とも、来たよ。」
すると、暦と呼ばれた真っ白い髪の女の人は、立ち上がって言った。
ふんわりとした、どこか眠くなる声で、その人は言った。
「………こんにちは、おふたりとも。」
擬音語がまったくつかないような言葉づかいに、巴樹は不思議な感覚に見舞われた。
(こ、この人……すごい!)
何がすごいのかはよく分からないが、何か、他の人とは違うオーラがあったのだ。
「わざわざごめんなさぃ。ふうじのひめさま。」
「あ、いえ。」
巴樹が首を横に振ると、暦は言った。
「わたしは、ゆいのこよみといぃます。たいごりゅう、れいりゅぅのせいりゅぅしです。
わたしが、ぁなたがたをよんだのは、やがのたまが、ぁるばしょにぁらわれることがわかったんです。」
暦(結野暦)は、どこからか、銀白の呪符を取り出す。
「っ…なにあれ!?」
「ああ……初めて見る呪符だ。」
「しめしたまぇ、【やがのごと】」
暦が、水色の少しへこんだ部分に、銀色の呪符を落とす。
あらかじめ水が張ってあったらしく、ふわりと浮いた符が、真っ白な光を放った。
暦は平仮名だけなので、ちょっと大変です!
ちなみに、全部平仮名で書いたので、紹介をここに書きます。(新たに暦登場回にて紹介はします)
結野暦
対五龍、霊龍精で聖龍士。
チョコレートをこよなく愛する。
真っ白の髪は、ひざ下まである。




