其三十一
今、新しい物語を執筆中です
投稿ペースに支障を満たさないように書いてます。
たぶん、投稿は、四月初めになります。
お楽しみに!
「え………?」
巴樹が森につき、まず目にしたのが、大量のクラ達であった。
思わず、少しだけ風華を持つ手が震える。
(あ……あんなに祓えないよっ……て、きいくんはどこ行ったの?)
と思った、まったくその時だった。
突然、森全体が紫色に光り輝く。
よく見ると、巴樹の足元ギリギリに、魔法陣の円の一部が描かれていた。
そこで、巴樹に気が付いたクラが、何匹かこちらにやってくる。
巴樹が、風華を構え、技を発動しようとした。
刹那
魔法陣の中にいた、巴樹の見える位置にいるクラ達、
ちょうどこちらに来ようと思ったクラ達、
その全てが、いっぺんに消える。
巴樹はしばらく魂が抜けたようにぼーっとしていた。
ありえないほどの力に、ただただ圧倒されてしまっていたのだ。
(こ、こんなに大量のクラを一瞬ではらうなんて、どれだけの気龍を使うの?私なんか、絶対に倒れちゃうよっ……)
すると。
ふいに、森の中から誰かの話し声が聞こえてきた。
反射的に、巴樹は近くの林に飛び込んだ。
それと入れ違いに、見覚えのある人と、見覚えのない人が歩いてきた。
「っ………!」
その一人は、きいだった。
隣にいる人は、紫色のミディアムヘアに赤と黄色のオッドアイをした、きいより背の高い男性だった。
二人とも武器を持っているから、二人が祓ったのではないかと思う巴樹。
やっと二人の会話が聞こえてきた。
「………いさんは、なんでここにいるんですか。」
「あはははは………もちろん可愛いでs!」
男の人がそう言いかけると、きいが手刀でお腹をたたく。
「それ以上言ったら、あんただからって容赦しません。」
「怖い怖い。」
「………佐久兄よりムカつく。」
なんだか和気あいあいとした会話に、巴樹は小さく微笑む。
「でも、やっぱりきいは、クラの気配に敏感だよね。」
「………あの、なにがいいたいんですか。」
すっかり面白くなった巴樹が、耳を澄ませると。
シュッ………
「えっ………?!」
「おお、さすが。」
青い龍に連れてこられた巴樹は、きっちりと二人の前に来ていた。
「ったく。盗み聞きに向いてないよ、あんたは。」
はあ…とため息をつくきいに、巴樹は土下座して謝る。
「うう……ごめんなさい。」
「~~~~~っ………!」
顔を上げると、難しい顔をして顔を少し赤く染めたきいと、横で笑う、あの男の人がいた。
「いいからっ…早く立って。」
手を引っ張って巴樹を起こすと、きいは言った。
「この人は、俺の…師匠的な人。」
「師匠『的』ってなんだよ。」
『的』を強調して、その人が言う。
が、それをスルーして、きいは続けた。
「久都冷。対五龍、闇龍精。みかん狂いの聖龍士だ。」
きいの皮肉交じりの紹介に、巴樹は「おおお!」と歓声を上げていた。
「と、いうわけで、よろしく。封じの姫様。」
「あの、巴樹でいいです。」
「じゃあ巴樹ちゃん。」
にこっと天使スマイルを浮かべ、冷は言った。
「これからも、色々よろしくね~。」
「あ、はい!」
と挨拶していると、横からベシッと頭をはたかれる。
「巴樹。この人のマスクに騙されんな。佐久兄ぐらいの性悪だぞ。」
「心外だな、きい。」
すると、さっきと一転、何もかも見透かすような冷たい目線で、冷はつぶやくように言った。
「俺がいなかったら、お前、あれだけのクラを祓えたのか?」
「………いえ。」
珍しく、きいがしゅんとした表情を浮かべ、巴樹の顔に驚きが走る。
「まだ、きいにはそれだけの力がない。」
「あります。」
「自分で思っているだけ。」
まるで、厳しい父親と、強がる息子のようだ。
「まあ、お前が『本気』を出せば?、俺ら聖龍士ぐらい普通に倒しそうだが。」
その瞬間。
周りの空気が、瞬間冷凍される。
「………それ以上………」
突然、巴樹の横で、いつもと違う、低い声が響く。
「それ以上、言わないでください………!
最近、あなた方から、同じことを遠回しによく言われています。
人の気持ちも考えてください!」
怒りをあらわにするきいに、巴樹はあっけにとられる。
(きいくん、なんだよね?)
睨みあう二人をぼーっと見ながら、巴樹は思った。
(なん、なの?きいくんは、私になにか、隠している、の?)
そして、巴樹の前が真っ暗にシャットアウトしてしまった。
ちょっと短くなっちゃいました。
そういえば、きいも巴樹も、高一なんですよね。
忘れかけてました☆




