其二十七
次回で、参章終了です。
そういえば、今日ってバレンタインデーですねー。
みなさん、チョコレートもらいましたか?
そして、ちょうど四人が王様ゲームしていた時。
睦月寮によるお花見場所で、ちょっとした争いが起こっていました。
「あれ?みなさんおそろいで。」
わいわいがやがやと騒ぐみなに、一人の少女が近づいてくる。
その人に気が付き、御津葉が声をかける。
「きいのクラスメイトの、鳴海さん、ですよね?」
「こんにちは。」
ぺこんとお辞儀して、鳴海が言った。
「お花見ですか?」
「ええ。鳴海ちゃんも?」
「はい。家族と一緒に。」
前に何度か睦月寮へ遊びに来たことがある鳴海は、寮員とまあまあ顔見知りなのである。
すると、鳴海が誰かを探すように、あたりをきょろきょろと見回す。
その行動に、いち早く気づいたレナが、にやりと笑って言った。
「きいですか?」
「っ!!!」
瞬間冷凍ならぬ、瞬間温暖される鳴海。
「ぷぷぷー。ゆでだこー。」と冷斗のドS発言をしっかりと聞いた鳴海が、ますますゆでだこになる。
「きいならいないよ。奈濟さんのはな……お腹いっぱいになったんだって。」
源人が、危うく本当のことを言いそうになりながら、なんとか防ぐ。
「え……あ、そうなんですか。」
なんとか平常心を保とうと笑顔を作るが、やはり残念がる表情が出たらしく、ドS小悪魔の格好の的となってしまった。
「鳴海、きいが大好きだもんねぇー。ヒューヒュー♡」
「ダーーーッ!冷斗さん!言わないでくださいっ!」
「いやいや、だいじょーぶ。睦月寮の全員が知ってることだから。」
「全然大丈夫じゃありませんっ!ってか、なんでみなさんうなずいちゃってるんですか!」
「だって、本当のことだし。」
「みなさん、思いっきりシンクロさせるのはやめてください!」
「まあ、あんたのライバルは、内々嫉妬しちゃってるだろーけど?」
「うぐっ………名指しされていないのに、すごく感じるんだけど。」
「御津葉ちゃん!一時休戦して、あの悪魔さんを倒しましょう!」
「はい!鳴海さん!私もほとほと、あのドS悪魔野郎にムカついてたんです!」
「奈濟さん、冷斗さんの弱点を教えてください!」
「ええ?なんか、私まで巻き込まれている気がするんだけど!」
「奈濟さん、ファイト。」
「みぃーどりぃー!」
と、こうして、なんとなく笑える、どこかで見たような言い合い合戦が幕を開けたのであった。
そして、十分後。
冷斗以外の全員が全員とも、荒い息遣いでブルーシートの上に倒れこむ。
「冷斗さん、強すぎぃ………」
「あたり、まえです、あれ、に、かて、るのは、きい、ぐらいで、す………」
ガクッと御津葉が首を前に倒す。
冷斗・鳴海間で起こった合戦は、御津葉、奈濟さん、緑、源人、レナ、理衣の順で巻き込まれていった。
たぶん、冷斗・鳴海以外の六人は、
(なんで、私・僕・俺までぇ!)
と心の中で叫んでいることであろう。
数分して復活した奈濟さんが、なんとか立ち上がって言った。
「じゃ、じゃあ、そろそろ、帰ろっか。」
そう言う奈濟さんの笑顔は、ザ・苦笑い であった。
全員で後片付けをしていると、ふと、御津葉が鳴海の耳にささやいてきた。
「鳴海さん、さっきの言い合いではああ言いましたが、私はきいを渡す気はありませんよ?」
明らかな宣戦布告に、鳴海はにやりと笑ってささやき返した。
「私もだよ。御津葉ちゃん。」
二人して笑っていると、間にニョキッとドS小悪魔が顔をのぞかせる。
「「ひっ!」」
ザザッと後ろに下がる二人に、小悪魔は言う。
「さぁーて?(・∀・)ニヤニヤ きいはどっちを選ぶのかなぁ?」
「「聞いてたのか!」」
「ふふふふふーーー♪」
「ななななな………」
「こ、こ、こ、このっ!!」
「「ドS小悪魔野郎っ~~~~~~!!!!!」」
源人 「ねえ。」
レナ 「うん。」
奈濟 「冷斗ってさ…」
理衣 「年上なのに、」
緑 「毒舌でドSじゃなければさ。」
「「「「「敬えるのにね…」」」」」




