其二十六
やりました!一日に二つあげれました!
出川のはじめてのおつかいみながらやっちゃいました☆
「ねーねー、王様ゲームしない?」
それは、佳穂の突然の提案で始まった。
「「「え?!」」」
三人が、目を見開いて佳穂を見る。
用済みの割り箸四本をきれいにおしぼりでふいて、食べるほうと反対側の太い面に、「1」・「2」・「3」、そして、最後の一本の先を赤く塗る。
「せっかくだし。ルールは分かるよね?」
にっこにこの佳穂。その黄色の瞳の奥から、「断らないよねー。断ったらどーなるか、分かるよねー」オーラがにじみ出ている。
それをいち早く察知した三人は、真っ青になりながらこくこくとうなずく。
王様ゲームを知らない方のために、ここで説明をしておこう。
王様ゲームは、割り箸が参加する人数分と、箸を入れる入れ物があればどこでもできる遊びだ。
主に、四人以上でやると面白いだろう。
(これは、四人でやる場合である。)
まず、三本の割り箸に1から3までの数字を書く。
残りの一本は、赤などの色を塗る。この箸が、王様の箸だ。
これで準備はOKだ。
次に、四本の箸を、数字・色がついた方を下にして入れ物にいれる。
そして、全員が一斉に箸を引く。(数字・色付きは、絶対にほかの人には見せない)
「王様だーれだ!」の掛け声とともに、色付き箸を引いた人=王様が名乗りを上げる。
そして、王様は、「一番が、三番にこちょこちょ十秒!」などの命令を出す。
「O番だーれだ!」と掛け声をして、(例えば)一番が名乗り出る。
おおまかなルールはこのようなものだ。
そして、王様ゲームで守らなければならないルール。それが………
『王様の命令は、絶対!!!!』
「よし!準備OK☆」
佳穂が、ギュッと箸の先を握り締め、グッと前へ突き出す。
全員が一本ずつ取ると、いっせーのでで掛け声を言う。
「「「「王様だーれだ!」」」」
「あ、私だ。」
言い出しっぺ佳穂が、箸を見せる。
しばらく考え込んだ後、にこっと笑って命令を出した。
「じゃあ、二番の人が、黒豆を全部食べる!」
アルミホイルのお皿に乗せられた黒豆を指さす佳穂。
「「「「二番だーれだ!」」」」
「はーい。」
ひょいっと手を上げて、きいが言う。
「……かけてもい……」
「だめ。」
一味をかけてもいいか聞いたらしいが、速攻で佳穂王から拒否される。
きいがしぶしぶそのまま食べた後。
「「「「王様だーれだ!」」」」
「はーい!」
今度は巴樹が手を上げる。
「命令は、一番と三番が手をつなぐ!」
「「「「一番だーれだ…」」!」」
あきらかに嫌そうな声が二つ混じる。
結局、一番がきい、三番が悠であり、「いぇーい。」と完璧な棒読みとつくり笑顔で手をつないだ。
そんな二人を見て、巴樹王と佳穂が大笑い。
それからは、もう笑いが絶えないことはなかった。
第三試合は、またまた佳穂が王様に。
命令は、二番(巴樹)が、一番(悠)にハイタッチ。
ノリノリの巴樹と違い、悠は苦笑いしながら行っていた。
第四試合。王様はきい。
命令は、三番(佳穂)が、二番(巴樹)にハグ。
二人とも喜んで抱き着く。その光景を、男子二人が驚きの表情で見ていた。
第五試合。王様は、やっと悠。
命令は、一番が、隣の花見客から、なにかもらってくるというもの。
お隣の女子会に入っていった結果、十分ほどつかまり、なんだか色々な食べ物やお菓子をたくさんもらって帰ってきた。
そして、第六試合。
「「「「王様だーれだ!」」」」
「はーい。」
連続で王様は悠だった。
ちょっと考えて、悠はいたずらっ子みたいな顔で命令を出した。
「一番が、二番に告白。」
それを聞いた二人が、二人そろって真っ赤になる。
二人とは、巴樹(二番)ときい(一番)である。
うーうーとうなっていると。
「きい~、巴樹ちゃーん、帰るよー?」
御津葉の声が聞こえてきた。
その声が、二人にとって、どれほどうれしかったものか!
「じゃ、じゃあっ、私たち帰るねっ!」
「ま、また。」
いそいそと立ち上がるが、ジト目の悠と、ニヤニヤ顔の佳穂に遮られる。
「「王様の命令は?」」
うぐっ…という顔で、二人が立ち止まる。
すると、苦虫をつぶしたような顔で、きいが二人の耳になにかをささやく。
(な、なに言ってるんだろ?)
二人は、はあっとため息をついて言った。
「まあ、今日はそれで許したげる。」
「またな。」
「え?さ、さよなら?」
態度の変わりように戸惑いながら、巴樹は、きいとともに坂を上がってみんなの元へ向かった。
ちなみに、私の友達は、トランプや、紙に書いたくじなどでもやってました。




