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ドラゴンすくらんぶる!  作者: 葉月 都
第弐章 黒の御子
17/94

其之十六

いやぁ、やっとあげられましたぁ。


ちなみに、ここで小紹介しておきますが、なにか番外で書いてほしいお話などがありましたら、こちらの感想一言欄、または、活動報告に書いてください。

できる限りお答えさせていただきます!

その日の放課後。



「ねーねー、巴樹ちゃん。」



雨はすっかり上がって、雲の切れ間から、陽の光が差し込んできている。

部活に行くきいと別れて、帰宅してきた巴樹にレナが話しかけてきた。



「なぁに?」

「今からさ、ショッピングモール行かない?」

「ふへ?!」



突然のレナの申し出に、巴樹がずっこけそうになる。



「い、今から?」



目を瞬かせて、巴樹はレナに聞く。



「うん。そうだよ。」



こくんとうなずいて、レナは巴樹の目の前に二枚の紙を差しだす。

そこには、『商品券 一万円分』と書かれていた。



「こ、この商品券どうしたのっ?」



その商品券をレナからひったくるように取って、凝視しながら驚いて叫ぶと、自信気な表情でレナが言う。



「奈濟さんにもらったんだ♪」



楽しそうにレナが語ってくれたのは、こんなことだった。






ーーーーーーー



「うわぁ、これどうしたんですか?」



レナが中学から帰ってくると、奈濟さんが2枚の券を渡す。



「たまたま福引で当てちゃってね。そのまましまってたんだけど、朝思い出して。」



よく見ると、有効期限が今日までになっている。



「こ、これ、今日までじゃないですか!」

「だからよ。」



ぽんっとレナの手に置くと、奈濟さんが微笑んで言った。



「私、今日一日用事が入ってて使えないのよ。だから、レナちゃんが使ってちょうだい。ね!」


そう言うと、急いで奈濟さんは駆け出して、どこかへ行ってしまった。



ーーーーーーーー





「っていうことなの。」



にこっと笑って、レナは、巴樹の肩をがしっとつかむ。



「お願い、私一人はいやだし、補導の人とかいても、巴樹ちゃんが入れば問題ないし、一緒に行かないかな!ね、ね!」



私が入れば大丈夫なの?と思わず思ってしまった巴樹だが、そう懇願されると断りきれず、巴樹は戸惑いながらもこくんとうなずいた。









そして、十分後。



「ひっろぉーーーーーい!」

「久々に来たなぁ、ショッピングモール。」



睦月寮から西に進んだ七倉というところにある、大型ショッピングモールにやってきた二人は、中に入って、小さく悲鳴をあげていた。



「それで、どこにいくの?レナちゃん。」



隣で目を輝かせるレナに、巴樹が問いかける。

はっと我に返り、店内のマップを見上げながらレナが言った。



「えっと、地下1階の食料品売り場と、六階のおもちゃ売り場と、三階の本売り場の一部商品には使えな

いんだって。あと、おつりは出ないってさ。


私は、とりあえず二階と三階の百円均一で爆買いしよっかな。」



レナの説明を聞きながら、巴樹は考えていた。


(それじゃあ、最近私服のバリエーションが少ないから、服でも買ってこよぉかな……)



「じゃあ、私は、四階の服売り場にいるね。」

「了解しました!じゃあ、五時に出入り口で待ち合せましょう。」



「じゃあ~」と言って、レナはエスカレーターに乗って上へと行ってしまった。


(さてと。どんな服買おっかなぁ~。)


そんなことを考えながら、巴樹もエスカレーターに乗って、四階へと向かった。









そして、それから十分。

巴樹は、服売り場をはしごして、お気に入りの服を探した。

途中で、「これも、これもかわいいっ!」と服をたくさん買っている女の人を見かけて、苦笑いしながら通り過ぎていった。



「う~ん、それじゃあ、これにします。」



散々迷った挙句、白っぽいノースリーブのワンピースと、ハートがついた赤い服と、黒いセーター、そして、ジーパンをお買い上げした。



「ありがとうございまぁーす。」



店員のお姉さんが、笑顔でそう言った。


と、その時。



グオオオオオオオオオオオオ………



巴樹の耳に、聞き慣れた唸り声が響き渡る。


驚いて振り向くと、ちょうどモールの真ん中に開いている吹き通しのところに、真っ黒な化け物……クラが。



「キャアアアアアアアアアアッ!!」



大きな悲鳴を上げて、店員のお姉さんが逃げていく。同じように、いたるところでたくさんの悲鳴が上がっていた。


四階にいる巴樹には、首の真下が見えている。


(ど、どれだけおっきいのっ?!)


ポカーンとあっけにとられていると、突然巴樹の後ろから一本の矢がクラの胸に突き刺さる。


乱砺紅葉みだれこうよう


すると、その矢が色とりどりの葉っぱに変わり、またクラに四方八方から突き刺さっていく。



「ええ?」



あっという間にクラは祓われてしまった。

あの葉っぱ達も消えている。

一瞬の出来事に、巴樹はまったく頭が付いていかない。


風華を一応構えていた巴樹に、ぽんっ、と誰かが後ろから肩をたたく。



「こんにちは、小さな龍精さん。」



振り向くと、そこには、さっき服を買いながらはしゃいでいたあの女の人が立っている。



「ううん、違うな。えっと…



封じの姫様?」





巴樹は、その茶色の瞳に浮かび上がった、真面目な表情に、またまたあっけにとられてしまっていた。




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