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ドラゴンすくらんぶる!  作者: 葉月 都
第壱章 封じの姫
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其之十 巴樹視点

今回は、巴樹目線で行きたいと思います!

久々の視点でしたぁ。

しかも、改行・空白なしでぴったり二千文字なので、やりきった感満載です☆

(改修で変わったけど笑)

ある日。

私が、佳穂さん、というか、龍雅会からの依頼であるクラ討伐をするために伏見町を歩き回っていると。



「あれ?巴樹?」



と、ばったりきいくんと出会った。



「あれ?きいくん。」



寮で朝ご飯を食べた時に会っていらいだ。


(そんなに時間は経ってないけどね。)


きいくんの格好は、何か英文が書かれている黒のTシャツにジーンズといったシンプルな服装だけど、腰に、空霊と天命を差している。


ってことは!?



「きいくんも、クラ探し?」

「…………ああ。雑魚クラは何体か見かけたから除霊しておいたが、大物は見てない。」



首を振って、きいくんは言う。


確かに、そうだ。

私も寮から出てきて、かれこれ三十分ほど歩き回っているけれど、きいくんと同じ結果だった。


まあ私的には、体が弱いから、あんまり体力を使わなくていいし、良かったんだけど。

私は内心苦笑いする。


それから、私はきいくんと一緒にクラを探して回ることにした。

それでもやっぱりいない。





稲美の方にやってきて散策していると、突然、後ろから声をかけられた。



「あれ?もしかして……、きいこ?」

「きいこじゃない!久しぶりっ!」


「……、なつき?」



突然後ろから響き渡った男女の声に、驚きながらきいくんが振り向く。

私もつられて振り返ると、そこには、二人の男女がいた。


右側の女の子は、水色のミディアムに髪とおんなじ水色のたれ目。

左側の男の子は、水色のショートに、右の子と同じ、たれ目の水色。

身長もほとんど変わらないけど、左の子が1cmほど小さい。

っていうか、




顔がそっくり!




唯一違うのが、髪の長さと目元のほくろ。


戸惑っている私に気が付いて、きいくんが小さく笑って言った。



「巴樹、紹介する。小学校の時の1個上だった双子。こっちがなつきで。」



女の子を手で指ししめて、きいくんが言い、続けて、男の子の方を指しながら渋い顔で言った。



「こっち、『も』、なつきだ……。」


「……………………へ?」



えーと………"なつきちゃん"と…"なつきくん"?

まったく同じ名前で漢字変換が行われず、私の口から変な声が出る。



「どっちも……なつきさん?」


「そ。……右が、四季の「夏」に巴樹の「樹」で、『夏樹』。

左が、大きいに示すの「奈」に、お月様の「月」で、『奈月』。


俺は、ややこしいから、こっちをなつで、こっちをつきって呼んでる。」



……えっと、


私はなんとかぐちゃぐちゃの頭の中を整理する。



「男の子のほうが、つきくんで、女の子のほうが、なつちゃん?」



と言うと、きいくんとなつちゃんとつきくんが、ぽかーんと口を半開きにしたまま固まる。


あ、あれ?私間違えた?


微妙な雰囲気に気づき、私はぱちぱちと瞬きをする。



「逆だ。」



……………ん?

………………んん?

………………んんん?


きいくんの一言で、私の頭がヒート寸前になる。


ちょっと、意味がワケワカメなんですけどぉっ!?


困惑顔の私に、突然なつちゃんが言った。



「君は?」



え、ええっと、名前を聞いてるんだよね?

収拾がつかない脳内で、私は言った。



「わ、私は、七橋巴樹です。よろしくお願いします!」



ぺこんっとお辞儀すると、つきくんが言った。



「あなたも龍精なの?」

「あ、はい!風龍精です。」



うわぁ、声まで同じ?!

でも、なつちゃんの方が少し低めかな?



「「ふうん……」」



うわっ、タイミングまでばっちり?!

っていうか、まるで、なにか試されているような目線……

1個上とは思えないよ。この二人。



「あのさぁ、なつき。巴樹が怖がってるから。」



今度は私が固まっているのに気が付いたきいくんがそう声をかけると、二人は、挑戦的な目線を緩ませて、にっこりと微笑み一歩下がる。


ふうっ。なんか疲れたぁ……

………あれ?



「龍精のこと知ってるってことは、お二人も龍精なんですか?」

「今頃?」



あきれたようなきいくんの声が聞こえる。



「うん。四季龍、夏龍精なんだよ。」

「夏樹と二人で、夏龍精の仕事を務めているんだ。」



わあ。さっすが双子。

会話がリレーみたいになってる。



「やっぱり、なつき達も、龍雅会の依頼でか?」

「うん。」

「そうだよ。」



動作もほとんど同じ!

この日本にいる双子の中でも、こんなに揃っている二人なんてみたことないよっ。

私が目を丸くしていると、きいくんが二人に声をかけた。



「それじゃ、そっちは任せた。」

「「りょーかい。」!」


「んじゃ、また今度な。」



きいくんが、私の手を取って走り出す。


ひゃわ?!


突然の行動に、私の心臓がでんぐり返しをきめる。


にゃっ、にゃにゃにゃにゃ………\\\\\

バクバク、バクバク、

~~~~っ!


鼓動がきいくんに聞こえちゃわないかってぐらいにはねる。


うううっ、


最近の私、なんだか変だぁ!!!

私は、まるでお風呂に入った後みたいに真っ赤になりながら、きいくんに引っ張られてどこかへ向かった。









「ねえ、なつ。」



二人が去った後、夏樹と奈月が話し始めた。



「なに?つき。」

「あの子……巴樹ちゃんだっけ。」



奈月は、その水色の瞳を細めてつぶやいた。



「うん。」

「巴樹ちゃんさぁ……絶対。」



一度言葉を区切ると、奈月は、はあぁっ、と大きなため息をついて言った。






「私たちのこと、勘違いしてるよね。」





あきれ顔の奈月に、夏樹も苦笑いをして言った。






「俺も、そう思う。」





同意の言葉を発して、二人はどちらからということもなく、笑った。




「「アハハハハハハハハ………」」




その笑いは尽きることなく、稲美に響き渡った。



「それで、どーする?なつ。」



やっと笑いを止めた奈月が、夏樹に向かって言う。



「うーん、そうだなぁ……。」



夏樹は、少しだけ考えてから、奈月に言った。



「少しだけ、からかってみよっか。あの二人を、さ。」



二人は、小さく微笑みあった。

さて、この双子…夏樹と奈月は、なにをたくらんでいるのでしょうか……。

ちなみに、「其之九」のラスト三行のセリフは、この「其之十」に出てきたセリフです。

前に会ったというわけではありません。

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