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悪女は正しい  作者: Dちゃん
第四章「重なるものに、形が見える」

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54/69

第54話 悪役令嬢、三週目の水曜日を歩む

「悪女は正しい」をお読みいただき、ありがとうございます。再開後2回目の更新、第五十四話をお届けします。


水曜日、また新しい一日の重なりが、静かに始まります。

――――――

 水曜日の朝、帝国からの書簡は、なかった。

 オットーが朝の業務一覧を持ってきたとき、その紙の上に、書簡はなかった。

 (――火曜日の夜に出しましたのね)

 (返信は、また、数日後かもしれませんのね)

 (でも――「まだ来ていない」ですのね)

 窓の外を見た。今日の王都の空は、水曜日だった。

 (――また、曜日で呼んでいますのね)

 (先週の水曜日は「見えている真ん中」でしたのね)

 (先々週の水曜日は「流れの中の真ん中」でしたのね)

 (月曜日は三枚目が「一緒にいる」に、火曜日は三枚目が「頼れる」に辿り着きましたのね)

 (水曜日の三枚目は――どこに辿り着きますかしら)

 窓の外の青を、しばらく、見た。

 (――「流れの中の真ん中」は、見つけた瞬間の驚きがありましたのね)

 (「見えている真ん中」は、それが続いていると知る落ち着きがありましたのね)

 (今日の真ん中は――違いますのね)

 (見つけるでも、見えているでもなく――ただ、動かない感じがしますのね)

 (「動かない」という言葉が、浮かびましたのね)

 (でも――もう少し、この青の中にいますのね)


――――――

 水曜日は、定例の文官報告が二件あった。

 オットーが、朝の業務一覧を差し出した。

 「――今日の予定は、以上でございます」

 「わかりましたわ」

 一件目は、南区診療所の週次確認だった。

 「担当医師からの所見:「今週、西区から初めて患者が訪ねてきました。「南区の診療所は評判がいいと聞いた」とのことです。西区は、こちらの管轄区域ではございません。にもかかわらず、区を越えて評判が届いていたということになります」」

 レオノーラは、その言葉を、しばらく、見た。

 (――「区を越えて」ですのね)

 (先週は「地域の言葉」になりましたのね)

 (今週は――その言葉が、地域そのものの境を越えましたのね)

 (「来た」「連れた」「教えた」「お使いで来た」「機能した」「自己判断で来た」「動かした」「感謝を届けた」「円を描いた」「声をかけた」「溶け込んだ」)

 (そして今週――「境を越えて伸びた」)

 (十二枚目のページに、なりましたのね)

 「――オットー」

 「はい」

 「――「西区の患者が、区を越えて評判を聞いて訪ねてきた」という事実を、十二枚目のページに記録してください。管轄の境は、わたくしたちが引いた線ですのよ。でも、人の言葉は、その線を知りませんのね。それでいいのですのよ」

 老執事は、少しだけ、目を細めた。

 (――「境を知らない言葉」ですね)

 (一人の子どもから始まった記録が、今日は、行政の境そのものを越えていく形になりましたよ)

 二件目は、周縁部第一区の緑地化工事の週次報告だった。

 「担当者からの所見:「本日、区画の土壌調査のため、計画外の草花の周辺を少し掘り返しました。その際、根の部分を確認したところ――計画外の草花の根と、隣の苗の根が、地中で絡み合っているのが見えました。どちらがどちらの根か、もう見分けがつかないほどでございます」」

 レオノーラは、その言葉を、もう一度、読んだ。

 (――「見分けがつかないほど」ですのね)

 (地上では、ずっと「一緒にいる」「当たり前の景色」と記録してきましたのね)

 (でも――地面の下では、もっと前から、根そのものが絡み合っていましたのね)

 (見えるところで起きたことは、見えないところで、もっと深く起きていましたのね)

 「――オットー」

 「はい」

 「――「地中で二つの根が絡み合っていた」という事実を、そのまま記録してください。地上の「一緒にいる」という感じは、地下の事実の、遅れた影だったのかもしれませんのね。見えないところが、いつも、先に進んでいますのよ」

 オットーは、少しだけ、間を置いた。

 (――「見えないところが、先に進んでいる」)

 (先日、お嬢様ご自身が問われたことでしたよ。「この根々は、いつか、繋がっていくのでしょうか」と)

 (答えは――もう、地面の下にありましたよ)


――――――

 昼過ぎ、マリアが昼食を持ってきた。

 「――今日は、どんな空ですか」

 「水曜日の空ですのね」レオノーラは言った。「でも――先週の水曜日とも、先々週の水曜日とも、少し違いますのよ」

 マリアは、トレイを置きながら、少しだけ、目を細めた。

 「――どう違うんですか。先週は「見えている真ん中」でしたよね」

 「ええ」レオノーラは言った。「先々週は「流れの中の真ん中」を見つけた驚きで、先週は、それが続いていると見える落ち着きがありましたのね。今日は――見つけるでも、見えているでもなく、ただ、動かない感じがしますのよ」

 マリアは、少しだけ、考えた。

 「……なんか、それって、独楽の芯みたいな感じですかね。回り始めたばかりの独楽って、芯がふらふらしてて、「どこが真ん中かな」って探してる感じじゃないですか。でも回転が安定してくると、「あ、真ん中はここだ」って見えてくる。それで――ずっと回っていくと、周りはすごい速さで回っているのに、真ん中の芯だけは、もう、全然動かなくなるんですよ」

 「「真ん中だけは動かない」」レオノーラは言った。「――ええ。「流れの中の真ん中」は、探して見つけた真ん中でしたのね。「見えている真ん中」は、それが確かにそこにあると見える真ん中でしたのね。今日は――探すことも、確かめることもなく、ただ、そこが動かない場所になっている感じがしますのよ」

 マリアは、少しだけ、窓の外を見た。

 「……今日の空って、なんか、周りがどんなに忙しくても、そこだけは静かにある感じがしませんか。独楽の芯みたいに、周りが速く回っているからこそ、真ん中の静けさがわかる、みたいな」

 「「周りが速く回っているからこそ」」レオノーラは言った。「――ええ。「動かない真ん中」とでも、言いますかしら。動いているものたちの中心に、動かないものがあるからこそ、動いているものが、動いていられますのね」

 マリアは、それを聞いて、少しだけ、止まった。

 「――「動かない真ん中」って、なんか、お嬢様みたいですね。周りでいろんなことが起きても、お嬢様がどっしりそこにいるから、みんな安心して動けるっていうか」

 (――「動かない真ん中」)

 (言われて、少し、止まりましたのね)

 (「流れの中の真ん中」と「見えている真ん中」と「動かない真ん中」が――同じ水曜日の名前として、三枚、並びましたのね)

 (一枚目は「発見」、二枚目は「確認」、三枚目は――「支えること」ですのね)

 (見つけて、見えて、支える――それが、水曜日の三枚重なる形ですのね)

 (月曜日は「一緒にいる」、火曜日は「頼れる」、水曜日は「支える」ですのね)

 (三つとも、他者との関わりの中で辿り着いた場所でしたのね。でも――辿り着いた先の形は、それぞれ、違いますのね)

 「――マリア」レオノーラは言った。「今週も、あなたの言葉から出てきましたのね。「動いているからこそ、真ん中の静けさがわかる」という言葉から、「動かない真ん中」が生まれましたのよ」

 マリアは、少しだけ、にこりとした。

 「――三週目の水曜日にして、また拾ってもらいました。なんか、今日は独楽の話をしてよかったです」

――――――


 午後、周縁部の巡回に出た。

 先々週、初めて芽が出たばかりだった第二区の区画と、隣接する第一区の区画を、続けて回った。

 担当者が、案内した。

 「――こちらをご覧ください。第一区の計画外の草花の葉と、第二区の新しい苗の葉先が――今週、初めて、触れ合っております」

 レオノーラは、その様子を、しばらく、見た。

 (――地上で、触れ合いましたのね)

 (今朝、地下で根が絡み合っていたという報告を聞いたばかりですのね)

 (地下で先に触れ合っていたものが、今日、地上でも、見える形になって現れましたのね)

 (見えないところで進んでいたことが、見えるところに、追いついてきましたのね)

 担当者が、続けた。

 「――第一区と第二区は、もともと別々に整地し、別々に「前の一枚」として記録した区画でございます。それが、今、こうして触れ合っております」

 「――担当者」

 「はい」

 「――「別々に記録した二つの区画が、地上でも触れ合った」という事実を、そのまま記録してください。今朝、地下で根が絡み合っているという報告を受けましたのよ。地下と地上、両方で、触れ合いが起きていますのね。これは、偶然ではなく――もともと、繋がろうとしていたものが、それぞれの速さで、追いついてきただけなのかもしれませんのよ」

 担当者は、静かに、一礼した。

 (――「もともと、繋がろうとしていた」)

 (お嬢様の言葉が、今日、地面の下と上、両方の事実によって裏付けられましたよ)


――――――

 温室に戻ったのは、夕方近くだった。

 二つの芽が、そこにあった。

 植木鉢の前に、しゃがんだ。

 エーデルローゼの芽は――先週より、わずかに高くなっていた気がした。葉が、三枚のままだった。でも、今日の光を受けて、全体に、揺るがない静けさを支えているような気がした。

 (――「揺るがない静けさを支えている」)

 (一週目の「落ち着いた深さ」、二週目の「持ち越してきた落ち着き」、三週目の「そこにいることが当たり前の落ち着き」、そして先週の「根を張ったような静かな強さ」の次の、今週ですのね)

 (「強さ」の次に来るのは――「支えること」ですのね)

 子爵の庭の薔薇の芽は――葉が、五枚のままだった。

 (――先週から、変わりありませんのね)

 (「変化なし」が、また、続いていますのね)

 (でも――今日はもう、その「変化なし」を、不安には思いませんのね)

 懐から紙を取り出した。二十五枚目を開いた。

 「――エーデルローゼ。高さ、約三十五ミリ。葉、三枚。揺るがない静けさを支えているような気がする。今日の光、動かない真ん中」

 書いて、止まった。

 「動かない真ん中」

 (――光の名前に、なりましたのね)

 (「流れの中の真ん中」「見えている真ん中」に続いて、三枚目の水曜日の名前が、揃いましたのね)

 「――子爵の庭の薔薇。高さ、約十七ミリ。葉、五枚(変化なし)。変わらないことに、もう不安を感じない気がする。今日も、動かない真ん中」

 書き終えて、二十五枚の紙を、ぱらぱらと、めくった。

 (――二十二種類に、なりましたのね)

 (数えるつもりはありませんでしたのに、わかりましたのね)

 紙を、丁寧に折って、懐にしまった。


――――――

 夕方、オットーが書斎に入ってきた。

 「――お嬢様。本日の記録についてでございますが」

 「ええ」

 「――診療所の記録に、十二枚目のページが加わりました。西区の患者が、管轄の境を越えて評判を聞いて訪ねてきたという記録でございますね。加えて、周縁部の報告に、計画外の草花と隣の苗の根が地中で絡み合っていたという事実も、記録されております」

 レオノーラは、それを聞いて、少しだけ、考えた。

 (――「境を越える」ことと「根が絡み合う」こと)

 (一見、別のことのようで――同じことを、言っていますのね)

 (言葉も、根も、わたくしたちが引いた線を、知りませんのね)

 「――ええ」レオノーラは言った。「十二枚重なって――記録が、行政の境そのものを越えましたのよ。そして、根の絡み合いは、今日、周縁部の第一区と第二区が、地上でも触れ合ったという事実に繋がりましたのね。地下で先に起きていたことが、地上に、追いついてきましたのよ」

 オットーは、静かに、一礼した。

 (――「地下が先に進んでいる」)

 (お嬢様が、今日、初めて、その順序を言葉にされましたよ)

 (見えるところだけを管理してきた三十年から、見えないところの方が先に進んでいることを知る境地へ――お嬢様は、また一段、深いところに立たれましたよ)

 「――また、温室の二十五枚目には「動かない真ん中」という記録が入っております。「流れの中の真ん中」「見えている真ん中」に続く、三枚目の水曜日の名前でございますね。光の名前は二十二種類になりました」

 レオノーラは、それを聞いて、少しだけ、考えた。

 (――月曜日は「一緒にいる」、火曜日は「頼れる」、水曜日は「支える」ですのね)

 (三つとも、他者との関わりから生まれましたのに、辿り着いた場所は、それぞれ違いますのね)

 「――ええ」レオノーラは言った。「「一緒にいる」は、距離を感じなくなることでしたのね。「頼れる」は、疑わなくなることでしたのね。今日の「動かない真ん中」は――周りが動いても、自分は動じず、その動じなさが、周りを支えることですのよ。三つとも、根が育った先の形ですのに、それぞれ、違う枝を持っていますのね」

 老執事は、深く、一礼した。

 (――「違う枝を持つ根」)

 (一つの根から、三つの曜日それぞれの枝が伸びていくという捉え方を、お嬢様は、今日、示されましたよ)

 (この先、木曜日、金曜日、土曜日――それぞれの枝は、どんな葉をつけるのでしょうか)


――――――

 夜、書簡を書いた。

「アドリアン。今日は三度目の水曜日でした。「流れの中の真ん中」「見えている真ん中」に続いて、今日の水曜日の光を「動かない真ん中」と名付けましたのね。見つけて、見えて、そして今日は――動じない、という形に辿り着きましたのよ。月曜日は「一緒にいる」、火曜日は「頼れる」、水曜日は「支える」ですのね。同じ三枚重なりでも、曜日ごとに、違う枝を持っていますのよ。光の名前が二十二種類になりましたのよ。診療所の記録が十二枚目になりました。西区の患者が、管轄の境を越えて、評判を聞いて訪ねてきたそうです。言葉は、わたくしたちが引いた線を知りませんのね。周縁部では、計画外の草花と隣の苗の根が、地中で絡み合っているのを見つけましたのよ。そして今日、隣り合う二つの区画の葉先が、地上でも触れ合いました。地下が、いつも先に進んでいますのね。見えないところで、もう、繋がろうとしていたものが、それぞれの速さで、追いついてきましたのよ。返信は、また、数日後かもしれません。同じ時刻で。――好意として」

 書き終えて、レオノーラは、その書簡を、しばらく、見た。

 (――「今日は三度目の水曜日でした」から、書き始めましたのね)

 (月曜日、火曜日に続いて、水曜日も「三度目の」になりましたのね)

 (三日続けて――「三度目の」という書き出しが、揃いましたのね)

 封をして、オットーに渡した。

 「――今夜中に」

 「かしこまりました」

 オットーは、それを受け取って、少しだけ、間を置いた。

 「――月曜日、火曜日に続いて、水曜日も「三度目の」という書き出しになりましたね。三日、揃いましたよ」

 「――ええ」レオノーラは言った。「木曜日、金曜日、土曜日も、いずれ、揃っていきますのね。焦る必要は、ありませんのよ。重なりは、来るべきときに、来ますのね」

 老執事は、深く、一礼した。

 (――「来るべきときに、来る」)

 (三十年間、期限を管理してきたお嬢様が、今は、期限のないものを、静かに待っておられますよ)


――――――

 夜、寝室の文机の上に、冊子があった。

 レオノーラは、それを、手に取った。

 最初のページから、ゆっくり、読んだ。

 「今日は晴れ」から始まって、光の名前が並んでいた。「晴れ」「曇り」「薄曇り」「雨」「晴れ(雨上がり)」「まっすぐな光」「穏やかな光」「気合いの入った青」「気合いが馴染んだ光」「流れの中の真ん中」「週末の気配」「週末の入り口」「着いた光」「知っている青」「いてくれる青」「見えている真ん中」「知っている気配」「知っている入り口」「戻ってきた光」「一緒にいる青」「頼れる青」。

 そして、今日――「動かない真ん中」が、加わった。

 (――二十二種類に、なりましたのね)

 (水曜日の光が、三枚、並びましたのね。「流れの中の真ん中」「見えている真ん中」「動かない真ん中」)

 (月曜日も三枚、火曜日も三枚、水曜日も三枚――三本の根が、それぞれの場所で、揃いましたのね)

 患者の書簡が、挟まれていた。十二枚のページが、並んでいた。

 (――十二枚のページが、並んでいますのね)

 (一枚目の「来た」から、今日の「境を越えて伸びた」まで――一人の物語が、行政の境をも越える言葉になりましたのね)

 (次のページには――何が来るでしょうかしら)

 「エーデルローゼ。高さ、約三十五ミリ。葉、三枚。揺るがない静けさを支えているような気がする。今日の光、動かない真ん中」

 「子爵の庭の薔薇。高さ、約十七ミリ。葉、五枚(変化なし)。変わらないことに、もう不安を感じない気がする。今日も、動かない真ん中」

 (――どちらも「気がする」ですのね)

 (確認できませんのね。でも――消えませんのよ)

 (これが――「信じている」ことですのね)

 冊子を、静かに、閉じた。

 窓の外に、夜の王都があった。今夜は、穏やかだった。

 南の診療所は今夜も機能しているはずだった。境を越えて届いた評判が、今夜も静かに、誰かの足を診療所へ向けているはずだった。周縁部の二つの区画は――今夜も、地面の下と上、両方で、静かに触れ合っているはずだった。

 温室には――二十五枚の記録を持つ、二つの芽があった。一方は揺るがない静けさを支えているような気がする。一方は変わらないことに、もう不安を感じない気がする。

 帝国では――今夜、殿下が、「三度目の水曜日」という言葉を、読んでおられるだろうか。

 (――月曜日の根、火曜日の根、水曜日の根が、冊子の中で、並んでいますのね)

 (それぞれの場所で、それぞれ違う形に、根が育っていますのね)

 (でも――根は、地面の下で、いつか、触れ合うものですのね)

 (今日、それを、確かに見ましたのね)

 冊子を、文机の上に、戻した。

 今日の水曜日を、思った。「三度目の水曜日」という言葉で書簡を書き出した朝。「境を越えた」という十二枚目が加わった午前。「動かない真ん中」という光の名前が生まれた昼。地上と地下、両方で根が触れ合っていたという発見のあった午後の巡回。「違う枝を持つ根」という感覚を持った夕方。

 (――これが、今日の「あったこと」ですのね)

 (三度目の水曜日の、積み重ねですのね)

 (明日は木曜日ですのね)

 (「週末の気配」「知っている気配」と来て――三枚目の木曜日は、どう重なりますかしら)

 (「気配」の次に来るものが、また、ありますかしら)

 (重なって初めて見えるものが、また、ありますかしら)

 (――それを、楽しみにしていますのね)

 (以前は、なかった感覚ですのよ)


――――――

(第五十四話 了)

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


三度目の水曜日で、光の名前は「動かない真ん中」に辿り着き、全部で二十二種類になりました。月曜日「一緒にいる」、火曜日「頼れる」、水曜日「支える」——同じ根から、少しずつ違う枝が伸びていく様子を、これからも見守っていただけると嬉しいです。地上と地下、それぞれの場所で静かに触れ合っていく根の話も、今後につながっていきますので、お楽しみに。


次回の更新は、土曜日12:00を予定しています。引き続き「悪女は正しい」をよろしくお願いいたします。

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