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【書籍化】小さな転生貴族、異世界でスローライフをはじめました  作者: 福音希望
第七章 成長した転生貴族は冒険者になる 【学院編2】
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閑話4-2 とある夫人たちのお茶会


「しかし、まさか私たちの孫がそんな関係になるとは思わなかったわ。リアのことは親友だとは思っていたけど、同時にライバルと思っていたから」

「まあ、そうよね。私たちの間にそんなつながりが残るとは、当時から考えれば確かに信じられない話ね」


 カレンデュラとリナリアがお互いにそう評価する。

 二人は切磋琢磨し、お互いを成長させてきた。

 そのため、お互いの子供や孫を結婚させることで、関係を強化しようとすることなど考えもしていなかった。

 現に子供たちは両家の間で誰も結婚していないのだから……


「ちなみに、グレイン君は血が繋がっていないんだけどね」

「そうなの? って、ああ……そういえば、カルヴァドス男爵はあなたの娘のほかに、もう一人の奥さんがいるんだったわね」

「ええ、そうよ。リズちゃんっていうんだけど、本当にかわいらしいお嬢さんだわ」

「貴方の実の娘とどちらがかわいいの?」

「もちろん、どちらも比べ難いぐらいかわいいわ。私にとっては、二人ともがかわいい娘なんだから」

「片方は血が繋がっていないけどね」


 リナリアが娘自慢をするので、カレンデュラは呆れた表情を浮かべる。

 カレンデュラの自身の娘や孫のことを可愛いとは思うが、リナリアほどではない。

 元々のリナリアの性格か、バランタイン伯爵家の性質のせいか、リナリアは普通ではないほど家族を愛している。


「あと、一応伝えておかないといけないことがあるんだけど……」

「何かしら?」

「グレイン君ね……イリアちゃん以外にも婚約者が複数いるからね?」

「あら、そうなの?」


 リナリアの言葉にカレンデュラはあっさりと返事をする。

 その様子にリナリアは少し驚く。


「あら、あっさりとしているわね。もう少し、反応してほしかったけど……」

「貴族なんだから、一夫多妻ぐらい当たり前じゃない。むしろ、リアの旦那の方がおかしいんだから」

「まあ、そうかもしれないけど……ただ一人で旦那の愛情を受けるというのも良いものよ?」

「……それはわかるけど、貴族の家としては跡継ぎのことを考えないといけないわ。跡継ぎが産まれたからいいものの、下手をすれば御家断絶なんてことにもなっているんだから」

「それはわかっているわ」


 カレンデュラの言葉にリナリアはわかっているとばかりに手を振る。

 リナリアの結婚は周囲に祝福されていたわけではなかった。

 結婚をするだけなら祝福はされていたのかもしれないが、バランタイン伯爵がリナリアしか娶らないと宣言したせいである。

 そのせいでいろいろと問題はあった。

 だが、結果として跡継ぎも産めたし、娘たちも成長して幸せになっていった。

 この決定は成功と言えるだろう。


「ちなみに何人いるの?」

「三人……いえ、四人ね」

「四人っ!? イリアちゃんをいれて?」

「除いて、ね」

「……それは多すぎない?」


 あまりの数の多さにカレンデュラは思わずそんな問いかけをしてしまう。

 一夫多妻とはいえ、五人の妻を娶るのはかなり多い。

 妻の数が増えれば、その分の愛情が分散してしまう。

 しっかりと愛情を伝えられるのか、それが心配になってしまう。

 しかし、リナリアにも言い分がある。


「グレイン君にもいろいろあってね……一番初めのリュコちゃんはグレイン君の専属メイドなの」

「メイドに手を出した、ってこと?」

「悪い言い方をすれば、そうね。でも、リュコちゃんは【デュアル】なの」

「【デュアル】──かつて【忌み子】と呼ばれていた、異種族同士のハーフだったかしら? たしか、その【デュアル】という呼び方もバランタイン伯爵が広めていたわね?」


 リナリアの言葉にカレンデュラは思い出す。

 そういえば、数年前にバランタイン伯爵からそのような提言が国王様にされていたことをカレンデュラは思い出した。

 一般的にはバランタイン伯爵から伝えられていたことは伏せらていたが、公爵家ともなれば、その情報は手に入れることはできた。

 ちなみにその情報が伏せられていたのは、バランタイン伯爵の政敵が嫉妬からその宣言を無視し、逆のことをするのを防ぐためであった。

 それはバランタイン伯爵からそうしてもらうように伝えた話らしい。

 しかし、元々はグレインと言う少年から話が始まったようだ。


「二つの種族を掛け合わせた存在──それだけで忌み嫌われる存在だと思われていたけど、よくよく考えると二つの種族の架け橋になる存在だったのよ」

「……なるほどね。だから、影響力のあるカルヴァドス男爵家の子供に嫁がせたわけか」

「そういうこと。ちなみに相思相愛だったみたいだけどね」

「……それはよかったわね」


 リナリアの親族の時点で、そうなるとは思っていた。

 バランタイン伯爵と違うのは、【英雄色を好む】という感じで自然と女性が集まってしまったのだろう。

 だからこそ、五人という一夫多妻でも多い人数を相手しないといけなくなったわけだ。






ブックマーク・評価・レビュー等は作者のやる気につながるので、是非お願いします。

勝手にランキングの方もよろしくお願いします。


※リュコの方が【獣王】・【魔王】の長女より年齢は高いですが、跡継ぎを産む・産まないの問題でリュコの方はOKということになっています。

 そもそもリュコは身分的な点で他の婚約者と同じように子供を産むべきか悩んでおり、今は一緒に過ごすことができれば十分だと考えています。

まあ、未来の話を核とすれば、子供もいる可能性が高いでしょうが……まだそこまで考えていないので、読者の皆さんの要望があれば、すべての本編が終わった後に書いてみようかと思います。

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