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~第十七章~

 ウィィィィーーーーーン……

 

 という音がして王家の紋章が彫られている壁面が左右に開いた。

 そこには島の様子が映し出されていた。


「此処から島の様子が分かるのか!?」

「ああ、此処がこの島の中枢だからな。此処に居れば、島の全ての情報を把握出来る。クンツァイトたちは、どうやらアクアオーラの財宝を探してるみたいだ」


 (尤もアンバーは、薄々この島の正体に気づいてるのかもしれないが……)


「それで君は、これをどうするつもりなんだ? 君の本来の使命って?」

「…………」


 シェルは装置に何かを打ち込みながら


「俺の使命は、このムーカイトを沈める事。クンツァイトのような人間にこの島を渡さないようにする事だ」

「ムーカイトを沈める!?」


「俺とセレスが持っていた首飾りは元々、対の首飾り。二つがそれぞれに“功”と“守”の機能を持っている。ルピア女王は唯一人地上に残る最愛の息子の身を案じて、このムーカイトと“守”の首飾りを授けた。何か事が起こっても、このムーカイトに居て島のシールドを発動させればカイの身は護られる。そう! この島は、護る為(・・・)に地上にあったんだ」


 それは地上の人々を危険に曝すものとして存在してはならないものだった。

 だから、もう一つの首飾りはアリア姫が受け継ぎ、深い海の底でノンマルタスがずっと護ってきたのだ。


 そして、もう一つ。

 ムーカイトはノンマルタスが陸の人間を信じた証でもあった。

 何時か共に手を取り合って暮らせる時が来たならば、このムーカイトを平和の為に役立てようと。

 しかし───


「ムーカイトのもう一つの機能を発動させるには二つの首飾りが揃わなければならない」

「もう一つの機能?」

「そう。この島の機能は、“防御”が鉄壁のシールドとステルス機能」

「ステルス……機能って何だ?」

「ああ、島そのものを見えないようにする機能だ。ただし、これは島の外壁が健全で、シールドを島全体に張った時にだけ有効な機能だけどな」

「…………」

「そして、“攻撃”が地殻変動を起こさせる機能。両方が揃った時にだけ使える機能と言うのは、この島の“移動要塞”としての機能だ!」

「島自体が“動く”のか?」

「そうだ。この機能はノンマルタスの都も持っている。だからルピア女王の治世に都は、元々あった場所より更に深い海の底に沈んだんだ。地上の人々にその存在を知られない為に……」



  ☆     ☆     ☆     ☆     ☆



「……終わった」


 そう言ってシェルは深いため息をついた。


「一体何をしてたんだ?」

「島を沈める為のプログラムを入力してたんだ。長い間眠っていた島だし、少し時間がかかった」


 そう言うとシェルはその場に座り込んだ。

 疲れているのか? ……顔色が悪い。


「大丈夫か?」

「ああ、少し疲れただけだ。……休めば何とかなる」


 無理もない……と私は思った。

 シェルはずっと戦っていた。

 そして、自分と同じ体格のセレスを抱いて此処まで運んだのだ。


「島が沈み始めるまでには、未だ少し時間がある」


 そうしてシェルは、今まで頑なに閉ざしていた自らの心を、想いを……

 私に語り始めた。

 ムーカイトのステルス機能についての補足を少々。

 これは“対象から発見される事を避ける事が出来る機能”という事ですが、シェルはオニキスが理解しやすいように『見えないようにする』って言ってます。


 神殿に入ってからはオニキスの理解を遥かに超えた話になってますが、それなりに受け入れてるから、流石あまり物事に動じないって言うか、諸国を旅して色々見てるから許容量が広いと言うか。

 あんまり深く考えてないだけ……かもしれないですけどね。

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