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【聖獣機神ガオガオン】社畜エンジニア、東京のダンジョンでメカ美女たちと合体無双〜スイーツ片手に気ままな魔将機狩り〜  作者: 月神世一


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EP 8

緊急事態! 規格外の大魔将機、出現

ビーーーーーッ!!!

ビーーーーーッ!!!

新宿の超高層ビルの屋上で、俺のノートPCが、そして街中の防災サイレンが狂ったように鳴り響いていた。

「……冗談だろ。なんだこの規格外の質量とマナの波形は」

俺はPCのモニターに映るレーダー画像を見て、思わず息を呑んだ。

東京湾の中心部。そこから、これまでの『将』級魔将機とは比較にならない、異常なエネルギー反応が急速に浮上してきている。

ズゴゴゴゴゴォォォォォッ!!!

遥か遠く、東京湾の海面が大きく盛り上がり、真っ二つに割れた。

巻き上がる巨大な水柱の中から姿を現したのは、まるで動く要塞のような超巨大な異形の機械兵器だった。

六つの腕に、都市をまるごと吹き飛ばすほどの巨大な砲塔。全身を覆う禍々しい赤黒い装甲は、朝日に照らされて不気味に鈍い光を放っている。

「……『大魔将機』。まさか、あれほどの個体がこの日本に出現するとはな」

真紅のスーツ姿の朱雀が、額に冷汗を浮かべながら呟いた。

先ほどまでの飄々とした態度は消え失せ、その目は明確な『恐怖』を捉えている。

『……いかん。あいつの放つ瘴気だけで、空間が歪んでおる』

ガオンが低く唸った。

「私の計算では……勝率0.0001%以下ですね。現在の私たちの個別出力では、あの分厚い装甲に傷一つつけられません」

「うそでしょ……! アタシたち、あんなバケモノと戦うなんて聞いてないわよ!」

青龍が冷徹に絶望的な数値を弾き出し、白虎が耳をペタンと伏せて震える。

無理もない。俺のAIが算出しているあの『大魔将機』の熱量と破壊力は、文字通り東京という都市を一瞬で焦土と化すレベルだ。

すでに湾岸部の自衛隊基地から迎撃のミサイルが放たれたようだが、大魔将機が展開した赤いバリアに触れた瞬間、すべてが虚しく蒸発した。

「玲王様……! あんな鉄クズは放っておきましょう。私の重力結界で、玲王様と私だけが入れる絶対安全な『愛の愛のシェルター』を作りますわ!」

「玄武、頼むから今はくっつかないでくれ。タイピングの邪魔だ」

俺は腰に抱きついてくる玄武をいなしながら、猛烈なスピードでキーボードを叩き続けていた。

大魔将機の構造解析、マナの流動パターンのシミュレーション、そして……唯一の対抗策のプログラミングだ。

「……逃げるなんて、冗談じゃない」

俺はギリッと奥歯を噛み締めた。

「あいつの進行ルート上には、銀座の『老舗フルーツパーラー』、表参道の『限定パンケーキ店』、そして俺が毎週通っている『最高級チョコクロワッサン』の店があるんだぞ! 東京が火の海になったら、俺のスイーツライフが完全終了するだろうが!!」

俺の悲痛(?)な叫びに、四神たちがポカンと口を開けた。

『……人間、貴様。この世界の危機に、本気で甘い物の心配をしているのか?』

「当たり前だ! スイーツのない世界なんてバグだらけのクソゲーと同じだ! 俺は今日、無事に帰って極上のコーヒーとマカロンを楽しむ予定なんだよ!」

俺はPCを閉じ、ガオンの背中に飛び乗った。

「ガオン! 白虎! 青龍! 玄武! 朱雀!」

俺の喝破に、人型の姿をとっていた四神たちがビクッと肩を揺らす。

「個別の出力で勝てないなら、全部繋げて(リンクして)限界突破オーバークロックさせるしかないだろ。お前ら、本来はそれができるはずだ」

俺の言葉に、ガオンが目を見開いた。

『ま、まさか人間……貴様、我らを【聖獣合体】させるつもりか!?』

「他に手があるか?」

「無茶よ! こっちの世界はマナの濃度が薄すぎるの! アタシたちが全員同時に本来の姿に戻って合体なんてしたら、エネルギーが足りなくて一瞬でシステムダウンしちゃうわ!」

白虎の叫びは正しい。聖獣たちの合体には、莫大なエネルギーの同期と制御が必要だ。

だが、そのための『特A級AIエンジニア』だろう。

「エネルギーの総量と配分、各パーツへのマナの流動制御……システム周りのデバッグと最適化は、すべて俺のAI(脳)で引き受ける!」

俺はリュックから、これまで買い集め、まだ手をつけていなかった『非常用ストック』のスイーツを取り出した。

超高濃度カカオのチョコレート、ハチミツたっぷりの特製フィナンシェ。それを一気に口の中に放り込み、脳のブドウ糖を限界まで引き上げる。

「俺の脳髄コアと演算能力を、お前たちのメインシステムに直結させる。排熱処理も同調率シンクロレートも俺が完璧にコントロールしてやる。だから……」

俺は不敵に笑い、四神たちを見渡した。

「お前たちはただ、俺の書いたコードの上で、一番気持ちよく暴れ回ればいい!」

その瞬間、ガオンの胸のコアが激しく鼓動を打った。

『……フッ、ハハハハッ! 面白い! どこまでも規格外で、呆れるほど強欲な男だ!』

ガオンの咆哮に応えるように、四神たちの瞳にも強い光が宿る。

「……残業代、たんまりと請求させていただきますからね」

「仕方ないわね! アタシのクレープの恨み、晴らさせてもらうわ!」

「玲王様との初めての共同作業フル・ドッキング……! あぁ、愛が爆発しそうですわ!」

「フッ、俺の美しさを世界に見せつける最高のステージじゃないか!」

青龍が眼鏡を投げ捨て、白虎が牙を剥き、玄武がドレスを翻し、朱雀が真紅の炎を纏う。

「行くぞ、お前ら! システム・フルオーバーライド!!」

俺の叫びと共に、新宿の空に五つの極彩色の光が打ち上がった。

目指すは東京湾。最強にして極上の『反撃』のプログラミングが、今、実行ランされる。

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