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【聖獣機神ガオガオン】社畜エンジニア、東京のダンジョンでメカ美女たちと合体無双〜スイーツ片手に気ままな魔将機狩り〜  作者: 月神世一


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EP 4

政治家と特命の大使、そして奪われたワイン

「――つまり、我がアメリカとしては、日本政府が秘匿している未知の自律型兵器を、国際的な安全保障の観点から共有していただきたいと、そう提案しているわけです」

赤坂の高級料亭。

静かな座敷に響くのは、流暢な日本語を操る駐日アメリカ大使の、慇懃無礼な声だった。

その向かいに座る与党幹事長・若林幸隆は、出された最高級の玉露には口をつけず、ゆっくりと懐から『ハイライト』を取り出した。

「共有、ね。エイペックス社のCEOが、随分と派手なデモンストレーションを東京湾でやってくれているようだが?」

「あれはあくまで、民間企業による『ダンジョン開拓技術のプレゼン』に過ぎません。……若林先生。我々も、エイペックス社が世界のインフラに及ぼす影響力は無視できないのですよ」

大使は暗に「アメリカ政府とエイペックス社は繋がっている」と仄めかしている。

日本のインフラを握り、圧倒的な資本で首根っこを掴む。それが彼らのやり方だった。

カチッ、と若林がライターで火をつける。

紫煙を深く吸い込み、天井に向けてフゥーッと吐き出した。

「大使。君たちは一つだけ、致命的なミスを犯したな」

「……ミス、とは?」

「あの若きCEOは、標的を炙り出すために都内の『限定スイーツ』を買い占めるという力技に出た。……あれは、最悪の一手だ」

若林は灰皿に煙草を置き、フッと口角を上げた。

その目の奥には、政界の古狸特有の、底知れぬ凄みが宿っている。

「彼らは踏んではならない地雷を、両足で思い切り踏み抜いたんだ。うちの優秀な『掃除屋』は、報酬さえ払えば完璧な仕事をする。だが、その報酬ケーキを横取りされたとなれば……もう、私でも彼を止めることはできない」

「……スイーツ? 一体、何の話をされているのですか?」

「合気道の世界ではね、相手の力の流れを読み違えた者が、一番派手に畳へ叩きつけられるんだよ。……大使、お国の大企業が『バグ』として処理されないよう、せいぜい祈っておくことだ」

困惑する大使をよそに、若林は愉快そうに二本目のハイライトに火をつけた。

***

同じ頃、百夜玲王のマンション。

「……おう。なんじゃと? 税関で止まっとる? エイペックスとかいう外資の法人が、港の物流ラインごと買い上げただと……?」

デュアダロスは、手にしたスマートフォンをギリギリと握りしめていた。

その背中から、どす黒い瘴気がゆらゆらと立ち上り始めている。

「ワシが……シャバに出て初めて、自分の小遣いで注文した輸入物のヴィンテージワインが……届かん言うんか、ワレェ!!」

パキィッ!

デュアダロスの握力と漏れ出した魔力によって、哀れなスマートフォンは粉々に砕け散った。

「玲王! 準備はできとるんじゃろうな! ワシのワインを止めたあの金髪のガキ、絶対に許さんぞ!」

「言われなくても、こっちはいつでも行ける」

俺は特製のリュックにノートPCを押し込み、玄関のドアを開けた。

背後には、臨戦態勢の四神たちが続いている。

「あのデカいトカゲみたいな機械、アタシの爪でズタズタに引き裂いてやるんだから!」

白虎が鋭い牙を覗かせて唸る。

「定時前ですが、本日は特別にフル稼働で対応します。……ええ、徹底的に」

青龍が眼鏡の位置を直し、冷たい殺気を放った。

「玲王様への愛の巣を脅かす不届き者、重力でペチャンコにして差し上げますわ!」

玄武が俺の腕にしっかりと抱き着き、朱雀は炎を纏って不敵に笑う。

「俺の幻のモンブランと、デュアダロスのワイン。……これ以上、俺たちの平和な休日を荒らされる前に、あの空飛ぶ鉄クズをスクラップにするぞ」

俺はスマホの画面をタップした。

実行ラン。ミラー・ダンジョン、広域展開』

マンションの玄関から、半透明の光の波が東京湾へ向かって急速に広がっていく。

現実の東京と完全に切り離された『裏東京・デバッグ空間』。

ここから先は、俺の書いたコードと、聖獣たちの力がすべてを支配する領域だ。

「行くぞ。あの傲慢なCEOに、世界で一番高い勉強代を払わせてやる」

俺たちは光の波に飛び込み、巨大な人工魔将機『リヴァイアサン』が待ち受ける東京湾へと急行した。

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