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幸湖日記  作者: 炎華
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60.上級ダンジョンと上級プレイヤー

人間は、いや、生ある全てのものは、学ぶために『ここ』に生まれてくる。

『ここ』は、ロールプレイングゲームでいう、『ダンジョン』であり『塔』なのだ。

決して現実の世界ではない。

『ここ』で何を学ぶのかはわからない。

自分で決めてくるのかもしれないし、目標を与えられてくるのかもしれない。

それは、これから本来魂が存在すべき場所に還らないとわからない。

そして、それを十分学び終わるまで、何度も繰り返し生まれて来る。

何度も、何度も。

あのとき、お父さんが言った『私にわかる姿』で来た、ということは、そういうことなのだ。

生まれかわれば、そのときの姿がある。

私の、今の『うさぎ』の姿は、前世の姿のうちの一つだと、以前幸が言っていた。


『ここ』と『彼岸』の狭間にいる私は、時々、『彼岸』の記憶の断片が蘇る。

幸にもそれがあるようだ。

それは、『断片』であって、全てではない。

あくまで、断片だ。

それで余計に、生前の私が出した『結論』が真実であったと、確信できるのだ。


『ここ』は、低次元だという。

ゲームの中でも上級のダンジョンだ。

『ここ』に生まれてきた魂は、生き辛くて当たり前。

それを覚悟で『ここ』にきたはず。

それに耐えて攻略できれば、魂のレベルが上がる。

そして、『ここ』に来られたということは、十分上級の魂の証拠なのだ。

もし、自分で選んで生まれてきたのなら、何かを学んで還らないと損だ。

何一つ無駄なことはない。

全部、自分の為なのだ。

本来の、自分のため。


幸は

たぶん、私にそれを気付かせるために来てくれた、と私は思っている。

本人は、本犬は、何故ともちゃんと私の傍に生まれてきたのかは、わかっていないのだと思うが。

幸が逝ってしまって、実際はまだ逝ってないのだが、

出会えた事柄が、どれも無駄ではないと思えたから、起こる全ての事象を受け止めてこられた。

こんなに早く『ここ』を離れることになろうとは思わなかったけどね。

そして、思う。

私は『ここ』で、どこまで学ぶことができたのだろうか。

ちゃんと目標を達することができたのだろうか、と。

そして、この間視た、あの記憶。

記憶?

あれが、記憶だとしたら、私は、どこかで、罪を犯したのだ。

あの方の、美しい顔を歪ませてしまうような罪を、私は犯してしまったのだ。





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