2話「チートルートは敵ばかり」
新たな町に向けて私たちは幽霊に教えられた道を歩いていた。未だに彼女たちは怒っているようだ。
『目の前に【イシかみつきガメ】が現れた』
システムメッセージが現れる。石ではなく、医師のかみつきガメのようだ。白衣に眼鏡、聴診器を身に付けている。
「顔色悪いね。そんじゃ、服脱いでみよっか?」
今、その言葉をかけたら……。
「ゴーストバズーカ!!」
花咲さんは空間に手を突っ込むなり、黒色の大きな大砲を取り出す。そして彼女はそれにつながった発射口の真後ろのひもを引っ張って無音で大砲を撃ち放つ。火は使わすに使用できるので便利で環境にいいのか分からない大砲である。
『無能な吉田は”ゴーストバズーカ”を使用した。近くに集まっていた【春日の出カエル】や【ヤマタノネコ】などまで巻き込んだ。しかし他の冒険者にあたることはなかった』
いや、威力スゲーよ。反動があまりないのに威力すごい。あの黒い球なんだよ。
「ふふん」
彼女は得意げに喜んでいた。
「お腹すいた」と有川さん。
「そうですね。この辺でご飯でもどうかしら?腹が減ったら戦で胃液が出るって言いますし」とユキさん。
「メイドなのに汚いですよ。でもそうですね。ごはん食おうか」
私の言葉に賛成し、ちょうどベンチがあったので私たちはご飯を食べた。ちょうど食べ終わった頃に怪しい影が私たちに忍び寄ってきた。
『【殺意の鬼】が現れた。すぐさまに”岩石を投げる”を繰り出した』
本当に岩石が飛んできた。体力が一番少ない私があれを食らうと確実に即死する。
『天使の有川は”硬くなった巨大な翼”を繰り出した』
私や他の仲間たちを包み込むかのように彼女の背中から生えたと思う大きな羽が広がる。
「ったく。私は男に守られたいのに」と小声を漏らす。
彼女が包んだ翼を小さくしながら元の姿に戻していくと、岩石が散らばっていた。
「じゃ、私の出番ね。ゴーストライフル」
また空間から深緑の細長い散弾銃を取り出し彼女は鬼に撃ち放つ。鬼は痛そうにして身動きがなくなり、そのまま安らかに眠ったらしい。
『無能のよしだによって【殺意の鬼】は倒された』
ついにひらがなになったか。
私たちはしばらく歩くと、システムメッセージが現れる。
『【暁の日に見た馬】が現れた』
そこには体全体が真っ赤で炎を体全体に包んでる馬が現れた。
「どうしましょ?これじゃ、攻撃してもやけどになるわ」
「俺の出番だぜ、クールに行くぜぇ?」
テンマはそう言うと、弓矢を取り出した。
『テンマは”クールな弓”を使用した』
「なるほど、弓矢で狙って打てば倒せるってわけか」と私が納得して言う。
「いえ、違いますよ、兄貴。ただの弓矢の格好ができるモデル弓です。打つ格好の形で糸と弓矢が強力瞬間接着剤で止められてます。また、万が一当たってもゴム製なので危険はありません」
「ふーん、なるほどね。貸してくれるかな?」
「兄貴ならいいっすよ」
「ありがとう。あっ、ごめん。落としちゃったぁ」
私はその弓矢を足で踏み潰し、木製の弦の一部を粉々にする。
「うわ、ひどい。確かにいらないものかもしれないけどそこまでやるかな?」と有川さん。
「ほんと。ひどいわぁ」と花咲さん。
確かに私は悪い。だが、使えないし荷物の邪魔だろうが。
「兄貴……」
「ごめん。もっといいもの買ってやるから」と重々しい口調で言う彼に対して私が言う。
「ありがとうございます。いらないから捨てようと思ってたのでやっと処理できました」
明るい声で彼に言われる。やっぱりゴミじゃねえか。何で買ったんだよ、この弓。
「お話の途中横槍失礼しますね、最低男さん。あそこにいるお馬さんにお仕置きしないといけませんので少しばかり勝手に動かせて頂きます」とユキさんは言う。
『ユキは”天候変化の雲”を繰り出した』
馬の上にだけに広がる雲。そしてその部分だけ雪をが降り注ぐ。
『【暁に見た馬】は凍りづいた。【暁に見た馬】は身動きが取れない』
「ありがと、ユキさん」と花咲さんは言うと、「ゴースト刃物」と叫んで馬の前に大きなナイフを落とさせる。
『無能は”ゴースト刃物”を繰り出した。馬の首と体が二つに離れた。テンマよりも無能はやはり役に立たなかった』
私たちはこんなふうに歩いては止まって敵を倒すという動作を繰り返しながら前に進む。その度に名前が変わり、そして現在の私はシステムメッセージにより『カス』となった。




