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チートゴースト  作者: 未知風
2章「チートルートを渡りゆく者たち」
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1話「初めての町での出発は慎重に」

宿を出て仲間たちと共に町の出口を向かう。もちろん、それは最初に入ってきた入り口とは違う場所である。


「そんで、俺らはどこに向かうんだ?」と私が言うと、花咲さんは待ってました、とでも言うような顔をして私のことを振り返る。

「私に任せてください。普通の人たちはそのままやみくもに進むか、特殊な機械によるマップを見ながら進むと思います。しかし私たちは超クールで可憐な……」

「あっ、さっき言い忘れたけど可憐は別としてクールぽっさはひとかけらもないと思うよ、花咲さん」

「いや、そういうのは心の中で言おうよ。どうせ彼女もかっこよくてかわいいなんて思ってないと思うから」と私の言葉に対して有川さんは言う。

「えっ?そうなの?」


いや、彼女本気でそんなこと思ってたのかよ、と少なくとも私は思った。しかし次の二人は違った。


「有川さんはあんなすごい技を使用してるんだからかっこいいに決まってますよ」とテンマ。


確かにテンマが言ううことは一理ある。


「そうですよ。彼女は見える人には見えて見えない人には見えない。それだけではなく、彼女は体を浮かせる。そんなこと私にはできません」とユキさん。


それはかっこいいのか?っていうか、幽霊だしユキさんにできないのは当たり前だろう。


「やっぱりそうですよね。てへへ。じゃ、私、もっとかっこいい機能をみんなに与えましょう」


花咲さんが照れながら言うと、目の前に地図が現れる。


「今、映しているのはここの町のマップです。そしてこれがこの世界の地図です」


太く丸く長い地形が映し出される。ところどころに濃さの違いがある。より濃いところを線で引き、私たちのいる町から上にあるとある場所を示していた。


「はい、これが私たちの敵のボスの大将さんの住処となっております。そしてこの線は最短ルートとなっております。つまりこれらの三つの町を通過した後に大将さんの住処に行けるということになります。また、やや薄い場所は多少時間がかかってもそんなに問題はないという町です。しかし薄い町はタイムロスになる可能性の高い町となっています。ちなみにケンさん、今お金はどのくらいありますか?」


さきほど財布の数を確認したのを思い出す。


「そうだな、三千五百円だったかな……この世界だと千倍になるんだっけ?そんぐらいのクソッタレだよ」


花咲さんは不思議そうにこちらを見る。


「本当にそうですか?」

「ん?どういうことだ?」

「財布の中身……空っぽですよ」


私は財布を確認する。中身は一円も入ってなかった。


「なんでだ?」

「だって私たちの分も使ったからね」と有川さん。

「おい、どういうことだ?」

「先ほどの服や食事代に使いました。だって私幽霊で転生時に私のお金現世界からもらってませんから」と花咲さんは言う。

「俺はこの町のアイテム買ってたら使い切ったんだ。だから兄貴たちを襲って金を奪うことにしたんだ」とテンマ。

「私は昨日こちらに舞い降りた天使ですから」と有川さん。


そして三人同時に「ごめんください」が鳴り響く。いや、まって。俺に謝れ。なんで逆に要求してんだよ。それともどこかお邪魔するのか?


「ユキさん、お金はある?いつの間にか持ってる荷物の中にある?」

「残念ながらご主人様。私めもお金なんてありません。なにせ、あの宿で過ごす費用と今回の旅の準備に使い切ってしまいました」

「そうか。むしろこっちこそごめん。テンマ以外お前ら、服を脱いで全裸になれ」


私の言葉に赤面して彼女たち三人はキレタ。冗談にしたいが、最終的な手段であるのに。


「はぁ?確かに私たちが使ったのは悪いのですが、全裸になれとは……」と有川さん。

「ご主人様ではなく、やはり最低男でしたね?」とユキさん。

「いや、恥ずかしいことをして金になればと思いまして」と私は反論する。

「は?私まだしたことないし。死んでくれません?」と再度有川さん。

「いえいえ、もう彼は死人ですよ?」と再度ユキさん。


誰か止めてくれ、と私はテンマを見る。彼は「やべぇよ、兄貴。たった」とアホなことを言う。「空気を読んでくれ」と彼に突っ込みたかった。


「はぁ。こんな話をするために言ったんじゃないのに。ユキちゃんや有川さんには話しましたが、この世界にもクエストがあります」と呆れた顔で話す花咲さん。

「クエストってお金になる奴?なら、早く言ってよ?」

「あん?あんたが変なこと言うから言えなかったんでしょうが!!」


彼女がそう言うと上から二つの十字架が降ってきた。土にのめり込むその十字架は私とテンマの名前が記されていた。その名前から静かに赤い液体が流れ込む。不気味だ。


『幽霊は怒っている。”嫌な気持ちにさせる”を繰り出した。今すぐ謝れ』


それ技なのと思いながらシステムメッセージを見た。そして私とテンマは涙を流しながら、土下座をし「ごめんなさい」と言った。

こうして私たちは怒ってる三人を先頭に私たちの最初の町『おいちょっとお町』を出た。そして次の『話せば長くなるからやめようか町』に向かうのだった。

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