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(3-1)久美子から見た信行との出会い

久美子は、二重市五郎に交際を断った。その大きな理由は、心の底から壱五郎に好意を寄せていなかった。そして久美子の事情をまったく聞かず、二重家に嫁に入るのを前提とした言い方が嫌だった。

 久美子は正式に結婚を申し込まれた訳ではないが、壱五郎の気持ちを受け入れる事が出来なかった。

 その後、電話を貰ったり、手紙を貰ったりしたが、電話に出ることも、手紙の返事を書くこともなかった。


 そして次の冬が来た。昨シーズン、久美子は、すっかりスキーの虜になっていた。理由はスキー指導員の二重市五郎の教え方が上手かったからだ。

SAJの指導員の中には、理論を重視して、延々と技術論を雪上で喋り続け、1日のレッスン中、数本しかリフトに乗らない教師がいたが、二重壱五郎は違った。難しい事は一切言わず、習得する目標設定を的確に伝え、ぶれない指導をしたのだ。


 久美子の心は、二重壱五郎から離れてしまったが、スキー熱だけは残った。

さて、信行と久美子の出会いに戻そう。


<<詳しくは、第1章 1話 「待合室の出会い」をお読み頂くと、よりこの物語のストーリーが理解できると思います。宜しくお願い致します。>>


第1章1話では、信行の目線での久美子との出会いです。以下はそれを抜粋した部分です。


    /////////////////////////////////////////////


信行は待合室でのベンチで、コロッケを食べながらビールを呑んでいると、信行と少し離れたベンチに座る2人連れの女性の一人が、信行を観察する様に見ていた。信行と目が合うと。


「クッスっ!」


 その女性が笑った。女性に笑われたので、恥ずかしくなり、残りのコロッケをザックの中に収め、残りのビールを飲み干した。

 その時、待合室に列車の到着のアナウンスが流れた。信行は、改札を通り、上りのホームに向かった。ホームにスキー板とバックを置き、向かいのホームを見ると先ほど笑った女性が連れの女性と話をしていた。スキー板を横に置いていたので、信行と同じ様に滑りに来ていたのだ。


/////////////////////////////////////////////////


次回は、久美子目線です。


続く・・・




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