表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/5

第3話 説明書は付いていません

【緊急】マニュアルなしで子育て開始!?一週間しか生きていない少女が想像以上に規格外でした。


― 望月茜と中瀬駿介、政府から託された"最重要任務"が開始!!


ようやく姿を現した"特別な子ども"。


……のはずが。


人形になる。


一週間しか生きていないのに普通にしゃべる。


初対面で茜の顔に飛びつく。


さらには――

髪の色まで感情で変わる!?


完全に予想外。


完全に説明不足。


「マニュアルはありますよね?」


その当然すぎる質問に返ってきた答えは――


「ありません。」


終わった。


これは育児なのか。


それとも、誰も説明できない"超常現象"との共同生活なのか。


茜と中瀬の前途、多難すぎる新生活がついに始まる!!

 


「遅いですね」


 


茜。


 


腕を組む。


 


 


足。


 


ぶらぶら。


 


 


完全に待ちぼうけだった。


 


 


二分経過。


 


 


長かった。


 


 


茜の中では。


 


 


「少々事情がありまして」


 


 


大臣。


 


笑う。


 


 


知っている人の笑顔だった。


 


 


色々。


 


 


「もうすぐ来ます」


 


 


「大臣」


 


 


茜。


 


手を挙げる。


 


 


ものすごく真面目な顔。


 


 


「一つ聞いてもいいですか」


 


 


「もちろんです」


 


 


「なんで」


 


 


「私なんですか?」


 


 


静かだった。


 


 


ものすごく。


 


 


大臣。


 


口を開く。


 


 


その時だった。


 


 


「きゃははははっ!!」


 


 


廊下。


 


 


子供の笑い声。


 


 


ものすごく元気。


 


 


大臣。


 


瞬き。


 


 


「あー……」


 


 


少しだけ。


 


 


嫌な予感。


 


 


でも。


 


 


続けた。


 


 


「正確に言いますと」


 


 


「望月さんは」


 


 


「実は」


 


 


「間違いでした」


 


 


沈黙。


 


 


世界。


 


 


止まる。


 


 


茜。


 


 


止まる。


 


 


頭。


 


 


真っ白。


 


 


「…………」


 


 


人生で初めて。


 


 


『間違いで呼ばれました』


 


 


と言われた人だった。


 


 


たぶん。


 


 


隣。


 


 


中瀬。


 


 


「ふっ」


 


 


笑った。


 


 


小さく。


 


 


でも。


 


 


ちゃんと笑った。


 


 


茜。


 


 


さらに傷付く。


 


 


「申し訳ありません――」


 


 


「ちょっと待ってください」


 


 


茜。


 


 


立ち上がる。


 


 


声。


 


 


少し低い。


 


 


中瀬。


 


 


横を見る。


 


 


「あ」


 


 


思った。


 


 


『始まる』


 


 


経験者みたいな顔だった。


 


 


「つまり」


 


 


茜。


 


 


指を一本立てる。


 


 


「政府は」


 


 


「何も知らない一般市民を」


 


 


「半分脅して」


 


 


「子供を育てろって呼んだんですよね?」


 


 


「はい」


 


 


「しかも」


 


 


「私は」


 


 


「本当はいらなかった?」


 


 


「第一候補ではありませんでした」


 


 


大臣。


 


 


言ってしまった。


 


 


遅かった。


 


 


茜。


 


 


怒らない。


 


 


肩。


 


 


すとん。


 


 


落ちる。


 


 


目。


 


 


床を見る。


 


 


しょんぼり。


 


 


ものすごく。


 


 


『第二候補』


 


 


結構。


 


 


刺さった。


 


 


その空気の中。


 


 


中瀬。


 


 


一言。


 


 


「子供ですね」


 


 


「誰がよぉぉぉぉぉっ!!」

 


その時。


 


こんこん。


 


 


大臣の後ろ。


 


 


壁。


 


 


叩く音。


 


 


二回。


 


 


茜。


 


 


瞬き。


 


 


「……」


 


 


壁を見る。


 


 


「扉あったんだ」


 


 


今気付いた。


 


 


完全に。


 


 


「失礼します」


 


 


男が一人。


 


 


入ってきた。


 


 


腕の中。


 


 


何か抱えている。


 


 


茜。


 


 


見る。


 


 


じーっ。


 


 


もう一回見る。


 


 


さらに見る。


 


 


そして。


 


 


「人形ぉぉぉっ!?」


 


 


中瀬。


 


 


初めて顔を上げる。


 


 


「えっ」


 


 


茜。


 


 


立ち上がる。


 


 


三センチくらい。


 


 


興奮で。


 


 


「やったぁぁぁぁ!!」


 


 


「人形なら!!」


 


 


「おむつ替えしなくていい!!」


 


 


「ご飯もいらない!!」


 


 


「子育てもしなくていい!!」


 


 


「もう二度と!!」


 


 


「老人のおむつ替えしなくて済むぅぅぅっ!!」


 


 


誰も。


 


 


止められなかった。


 


 


間に合わなかった。


 


 


完全に。


 


 


「……あ」


 


 


茜。


 


 


急に真顔。


 


 


首を傾げる。


 


 


「泣く人形?」


 


 


本気で心配した。


 


 


「電池式?」


 


 


人形を見る。


 


 


じーっ。


 


 


ものすごく。


 


 


真剣だった。


 


 


その時。


 


 


くすっ。


 


 


人形。


 


 


笑った。


 


 


「ひゃああああっ!!」


 


 


茜。


 


 


飛び上がる。


 


 


人類史上。


 


 


見たことがない動きだった。


 


 


「で、電池ぃぃぃっ!?」


 


 


混乱。


 


 


ものすごく。


 


 


でも。


 


 


心の中。


 


 


少し安心していた。


 


 


『まあ』


 


 


『電池なら』


 


 


『抜けばいいか』


 


 


名案だった。


 


 


最低だった。


 


 


大臣。


 


 


深呼吸。


 


 


一回。


 


 


二回。


 


 


三回。


 


 


「望月さん」


 


 


ものすごく優しい声。


 


 


「人形ではありません」


 


 


茜。


 


 


止まる。


 


 


「……」


 


 


「え?」


 


 


「この子の能力です」


 


 


「皆さんを驚かせて遊んでいるだけですよ」


 


 


人形。


 


 


もう一回。


 


 


くすっ。


 


 


笑う。


 


 


大臣。


 


 


その様子を見る。


 


 


そして。


 


 


茜を見る。


 


 


ものすごく真剣に。


 


 


考える。


 


 


『案外』


 


 


『間違いじゃなかったかもしれない』


 


 


そんな気がした。


 


 


少しだけ。

 


「さあ」


 


大臣。


 


小さく笑う。


 


 


「自己紹介しましょうか」


 


 


人形。


 


 


動く。


 


 


ころん。


 


 


ころころ。


 


 


どう見ても。


 


 


まだ人形だった。


 


 


「ちゃんと」


 


 


大臣。


 


 


付け加える。


 


 


「本当の姿で」


 


 


「……」


 


 


人形。


 


 


止まる。


 


 


数秒。


 


 


静かだった。


 


 


そして――


 


 


ふわっ。


 


 


小さな光。


 


 


身体を包む。


 


 


「ひゃああああっ!!」


 


 


茜。


 


 


今日何回目か分からない悲鳴。


 


 


本人も。


 


 


数えていなかった。


 


 


光が消える。


 


 


そこにいたのは。


 


 


小さな女の子。


 


 


ころん。


 


 


まるいほっぺ。


 


 


短い手足。


 


 


すやすや。


 


 


気持ち良さそうに眠っていた。


 


 


一週間。


 


 


そう聞いていた。


 


 


でも。


 


 


どう見ても。


 


 


三か月くらい。


 


 


見えた。


 


 


「この子が」


 


 


大臣。


 


 


静かに言う。


 


 


「今回」


 


 


皆さんに育てていただく子です」


 


 


「一週間しか経っていませんが」


 


 


「もう少しだけ話せます」


 


 


「……」


 


 


茜。


 


 


笑う。


 


 


「あは……」


 


 


乾いていた。


 


 


ものすごく。


 


 


もう。


 


 


何を見ても。


 


 


驚けない気がした。


 


 


たぶん。


 


 


部屋。


 


 


静かになる。


 


 


数秒。


 


 


中瀬。


 


 


女の子を見る。


 


 


じーっと。


 


 


観察。


 


 


かなり長い。


 


 


そして。


 


 


一言。


 


 


「抱いても?」


 


 


大臣。


 


 


少し驚く。


 


 


「もちろんです」


 


 


茜。


 


 


もっと驚く。


 


 


『抱くんだ』


 


 


そう思った。


 


 


中瀬。


 


 


ゆっくり腕を伸ばす。


 


 


ものすごく丁寧に。


 


 


女の子を抱き上げる。


 


 


静かだった。


 


 


女の子も。


 


 


中瀬も。


 


 


部屋も。


 


 


全部。


 


 


平和だった。


 


 


大臣。


 


 


その様子を見る。


 


 


少し笑う。


 


 


『さて』


 


 


『今回は何をするかな』


 


 


そんな顔だった。


 


 


次の瞬間。


 


 


「ぶーっ!」


 


 


ぱちっ。


 


 


女の子。


 


 


目を開ける。


 


 


桃色。


 


 


きらきら。


 


 


いたずらっ子の目だった。


 


 


にこっ。


 


 


笑う。


 


 


そして――


 


 


ぴょんっ!


 


 


飛んだ。


 


 


中瀬の腕から。


 


 


一直線。


 


 


茜へ。


 


 


「こんにちはー!」


 


 


「おねえさん!」


 


 


「おなまえはー!?」


 


 


「えっ」


 


 


「えっ」


 


 


「えっ?」


 


 


三連続だった。


 


 


全部。


 


 


茜だった。


 


 


どすっ。


 


 


顔面着地。


 


 


「むぎゅっ」


 


 


茜。


 


 


見えない。


 


 


完全に。


 


 


女の子。


 


 


髪を掴む。


 


 


よじよじ。


 


 


登る。


 


 


器用だった。


 


 


ものすごく。


 


 


「なっ……」


 


 


「なにこれぇぇぇぇっ!!」


 


 


「中瀬ぇぇぇぇ!!」


 


 


「助けてぇぇぇぇっ!!」





読んでいただきありがとうございます!♡


少しでも面白いと思っていただけましたら、


お気に入り登録

応援

いいね


などで応援していただけると嬉しいです!


(´▽`)


また次回もよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ