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ヒミメグリ  作者: あじせ
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24/47

第24話 宇宙人、現る。

【最新ニュース】謎の声が宇宙人誘拐事件に繋がる!?


―望月茜、単独で「つむぎを狙う敵」を特定!?


スーパーで買い物中――

茜は突然、謎の声を聞いた。


最初は中瀬の声かと思った。


一体誰だ!?


こうして、元オカルト研究部部長、望月茜の推理が始まった!?


謎の声 → 敵 → つむぎを狙う → 宇宙人誘拐計画!?


一方、つむぎは必死だった。


「そんなはずない!」


「敵じゃない!」


しかし、子供である彼女は――


意思疎通ができない!?


そしてついに、つむぎのテレパシーが最大限に発揮され、茜に届いた!


「……親友。敵じゃない。」


事件解決!?



彼は本当にただの「親友」なの?


そして、つむぎがついに問いかける。


「…もしかして、彼は宇宙人?」


宇宙人説も、完全に否定できるわけではないのだ!


つむぎは、少し混乱していた。


カンガルーみたいに、布に包まれて。


茜の胸に、ぴったり。



高いところから、世界を見ていた。


輿で運ばれている女王みたいな、顔で。



茜は、二つのことを同時にしていた。



宇宙と自分たちの間に、何が起きているのか説明すること。


ベビーフード売り場を、探すこと。



中瀬は、後ろにいた。



何も、していなかった。



正確には。


カートを、押していた。



でも。


どうやら、スーパーのカートには間違った押し方があるらしい。



中瀬は、間違った押し方をしていた。



具体的に、どう押せば間違いになるのか。


それは、分からない。



でも。


間違っていた。



茜が、そう言ったから。



だから、カートも茜が取った。



中瀬は、本当に何もしなくなった。



もっとも。


茜の話を聞いて、考えについていくこと自体。


かなり難しい仕事だった。



それだけで、十分かもしれなかった。



「今日、少し前に声が聞こえたの」


「……」



まだ、赤ちゃん用品の通路を探していた。



「それで、中瀬くんだと思った」



中瀬が、あの顔をした。


胸に、手を当てる。



『よりによって……私?』



「そのあと、同じ声がまた聞こえて。また、中瀬くんだと思った」


「ま、待ってください。どうして私が、そんなことをすると?ラーメンとか、紙パックのジュースとか……」



茜が、カートを止めた。



振り向く。



ゆっくり。



ものすごく。



ゆっくり。



中瀬の魂の奥まで、見た。



中瀬が、唾を飲み込んだ。



「初めて会った日から、人をからかうことしか言ってないから」



中瀬は、傷ついた。



本当に。



茜が、失敗に気づいた。



「あっ!ち、違っ――じゃなくて――」



深呼吸。



「男の人、中瀬くんしかいなかったから!」



中瀬は、それにも傷ついた。



今度は、違う意味で。



「男の声だったんですか?」


違う調子で、聞いた。



「……」



茜が、考えた。



「そう……そうだった!いいところに気づいたね、中瀬くん!」



中瀬の顔が、言っていた。



『今、言ったのはあなたでしょう』



「でも……つむぎちゃんだった可能性は?考えませんでしたか?」


中瀬は、状況を見直そうとした。



茜が、またカートを止めた。


勢いよく、振り向く。



つむぎが、危うくカートへぶつかりそうになった。



茜は、気づかなかった。



「私を誰だと思ってるの、中瀬くん!?」


「私は――」


「学校で、オカルト研究会の部長だったの!」


「……」


「つむぎちゃんのテレパシーの声は、そのまま、つむぎちゃんの声なの!」


「そ、それは知りま――」


「聞いたことない!?テレパシーの声、一度も聞いたことない!?」


「……分かりません。覚えてません」



茜が、苛立った。



「覚えてない!?私は、この子の世話をするために選ばれたのよ」



つむぎが、目を見開いた。



「今、分かった……私が選ばれたんだ……敵の小さな声にまで、気づけたから……」



茜の、劇的な時間だった。


スーパーの景色まで、味方するように変わって見えた。



その間に。


つむぎは、一つの言葉を理解した。



『敵』



赤ちゃんの頭で、考えられるだけ考えて。


何かが、分かった。



言いたかった。



でも。


茜の演技は、今が頂点だった。



「そうよ……つむぎちゃんを奪おうとしている敵がいて、それで、もしかしたら――」


「あん、あん!」



声。



つむぎが、話そうとしていた。



しつこく。



「あれ……?」



茜と中瀬が、見た。



つむぎの声は、どんどん強くなっていた。


たくさん、話しているようだった。


目的も、あった。


急いでも、いた。



でも、出てくるのは。


解読できない、赤ちゃんの声だけ。



「あん、あん!あ、あん、あん、あん!」


「……」


「……」



つむぎが、止まった。



また、始めた。



もっと、伝えようとした。


もっと、急いで。



「あん、あん!!あ、あん、あん、あん!!」



「何かに取り憑かれてる!!」



茜が、勢いよく反応した。



「もうですか?」


中瀬は、宇宙人の侵略をあまり気にしていなかった。



「中瀬くん、早く!ベビーフードを一つと、おむつを一袋!」


「はい!」


「守るからね、つむぎちゃん!」



茜が、急いで車へ向かった。



着いた。



「……」


「……」



妙な、空気になった。



茜が、つむぎを見た。


つむぎが、茜を見た。



沈黙。



「……取り憑かれてたんじゃないの?」



沈黙。



りりりりっ。



携帯が、ものすごい音で鳴った。



「ぎゃああああ!!」



茜が、驚いた。


つむぎは、茜の驚き方に驚いた。



画面を、見た。



中瀬からだった。



『もう……本当に、何なの、中瀬くん』



電話に、出た。



「もしもし」


『望月さん、インスタントラーメンのベビーフードは、ありませんでした』


「……」



茜は、何と言えばいいのか分からなかった。



「よかったね。じゃあ、ニンジンのにして」


『分かりました』



少し、間。



中瀬が、ベビーフードを取った。



『望月さん』


「何」


『つむぎちゃんのおむつのサイズ、分かりますか?抱いた時の手の大きさと、囲める範囲からすると――』


「一番、小さいの」


『私も、そう思いました。それにします』


「……」


『それだけですか?』


「うん」



電話が、切れた。



茜は、携帯を見ていた。



『三十八歳にもなって、どうしてこんなことができるの?』



劇的なモードへ、戻った。



つむぎを、見る。



さっきとは、違う目。


強い。


探るような。



つむぎが、驚いた。



「つむぎちゃん……教えて……敵の宇宙人は、いる?」



つむぎは、集中しているようだった。



『宇宙人』が、何なのか。


分かろうとして。



ばんっ。



車のドアが、閉まった。



「ぎゃあああああ!!」



「すみません」



中瀬が、落ち着いて言った。


買い物袋を持って、乗り込みながら。



茜とつむぎは、驚いて反対側の座席にくっついていた。



「はい。ベビーフードです」



中瀬が、つむぎの怯えた顔を見た。



「何をしたんですか、望月さん?」


「私!?誰かがすっごく大事なことを聞いてる時に、突然車に乗り込んだのかもね!『敵の宇宙人はいる?』っていう、すっごく大事な質問を!」


「……」



中瀬が、考えた。



「つむぎちゃんに、敵の宇宙人がいるか聞いたんですか?」


「任務を進めるうえで、重要な情報だから!」


「宇宙人が何なのかも、知らないでしょう」


「確かに!」



中瀬が、つむぎを膝に乗せた。


ベビーフードを、食べさせるために。



茜は、身振りで車内全部を占領していた。



「緑色で、頭が変な形で……賢くて、独特な特徴があるの!」



つむぎは、口の周りを汚しながら食べていた。



中瀬も、つむぎと同じ顔をした。



「……」


「……」


「……」



中瀬が、危険な質問をすることにした。



「すみません。どうして私たちが攻撃されているのか、まだ分からないんですが」


「わざと中瀬くんだと思わせるような声が聞こえたの。そのあと、中瀬くんじゃないって分かった。だから、考えたの。どうしてだろうって」


「あなたがおかしくなっている可能性は?」


「おかしくなってない」


「……」



中瀬は、何も言わなかった。



言いたかったけれど。



つむぎは、じっと見ていた。


何か、言いたかった。



「とにかく。私たちを引き離したかったのかもしれないでしょ、中瀬くん!引き離して、有利になってから、つむぎちゃんを奪って別の星へ連れていくの!この敵……計画の裏にいる相手を、捕まえないと!」



突然。


つむぎが、ものすごく集中した顔になった。



目を、閉じた。


肩を、上げた。


変な顔に、なった。



「つむぎちゃん!?」


「またですか?」


中瀬も、見た。



つむぎは、集中し続けていた。



『お願い、お願い……!』


『言わなきゃ……!』



「うんちしたいんだ!!」


「望月さん……違うと思います。まだ、消化する時間もなかったでしょう」


「ど、ど、ど、どうするの!?」



つむぎは、続けていた。



集中して。


真剣に。


あの、力を込めた顔で。



そして。



『親友。敵じゃない』



小さな声が、届いた。



ほかの声とは、違っていた。



茜には、聞こえた。



中瀬は、耳を叩いた。


蚊だと、思った。



つむぎが、目を開けた。


二秒間、テレパシーを使っただけで。


疲れ切っていた。



静かに、なった。



全部、普通だった。



普通では、なくなる

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます!!

(*´꒳`*)


皆さまが読みに来てくださること、そして応援してくださることが、本当に嬉しいです!


よかったら、絵文字で今回の感想を教えてくださいね!

★で応援していただけたら、さらに大喜びします!!

ヽ(>∀<☆)ノ


いつも温かい応援を、本当にありがとうございます!

次のお話でも、もっと楽しんでいただけますように!


それでは、また次回お会いしましょう~!!

(。・ω・。)ノ♡

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