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戦国大戦  作者: ワンコインランチ
第1章 遠江国編
8/9

同化


「光義ぃぃ!!」


一矢は短刀を握りしめ光義に駆け寄る。

黒衣の僧が光義を貫いていた左腕を抜き、

右手に持っていた錫杖(しゃくじょう)を構えた。


「誰だお前!」


レベルアップして更に身体能力が上がった一矢は

すぐさま黒衣の僧の背後に回り短刀で切りかかった。


が、黒衣の僧は振り返ることなく、

錫杖の石突(下部、地面に付く部分)を後方に繰り出した。

もろに石突部分を短刀を持っている右肩に喰らった一矢は

後方に弾き飛ばされた。


体勢を崩された一矢であったが、

すぐに体勢を整え反撃に出た。


前後左右上下どこから切りつけても

体の向きを変えることなく錫杖で防御された。



「ふむ、速度は悪くない


が、肝心の決定力はいまいちだな」



黒衣の僧はそういうと

今度は錫杖の上部を一矢に向けた。


「アクティブスキル【錫杖金剛伝】(しゃくじょうこんごうでん)」


鉄で作られた先端に同じく鉄で取り付けられている

遊環(ゆかん)と呼ばれる輪っかがシャンシャンとなる。


次の瞬間まばゆい光を放ち、一矢の視界を奪う。

そして息つく間もなく一矢の全身に無数の打撃を喰らわせた。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――

150のダメージ

HP:8

―――――――――――――――――――――――――――――――――――



黒衣の僧のたった一回のスキルで瀕死にまで追い込まれた一矢。

レベルの差を感じざるを得なかった。


なすすべなく仰向けで倒れる一矢に

黒衣の僧はゆっくりと歩み寄った。



「殺すつもりだったが無意識に急所を避けたか

ふむ、中々見どころがある

今回は見逃してやろう


今日は大島光義の首を獲りに来ただけだからな」


「ぐっ・・・なんで光義を・・・」


痛みで動かせない体を無理やり動かし

なんとか上体だけ起こし黒衣の僧に目をやる。


「大島光義の調略能力は我が軍内でも危険視していた

これ以上中立の豪族を味方にされても困るのでな


おまけにこやつのパッシブスキル【百発百中】も厄介だ


いくらレベル差があったとは容易に近づくことは困難だった

だから先ほど、針で貴様の動きを鈍らせ援護した瞬間に

背後から近寄ったのだ」



「あの針、お前だったのか・・・」


「大島光義を失った今貴様ら井伊軍には

これ以上援軍は増えん


これで残った中立の豪族、さらに元々貴様らについていた者たちも

こちらに寝返ることになろう


戦をする前に勝負ありだ」



黒衣の僧はそういうと振り返り、

一矢から遠ざかって行った。


「はぁ・・・はぁ・・・

みつ、よし・・」


一矢は体を引きずりながら光義の元へ行った。


すでに絶命している

体は冷たく、血の気もない。


「光義!おい、起きろよ・・・」


一矢は無心で光義の体を揺らす。

だが反応は一切ない。


視界に映るステータス画面では

大島光義HP:0と表示された。



「くそっ何で光義が・・・」



肩を落とし愕然とする


ふと目をやると光義のそばに固有武器の弓があった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

大島光義

装備(固有):大和弓 ATK+30

アクティブスキル【盗賊の首長】SP10で取得可能

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


画面に表示された文字を見て一矢は光義に目をやった。



「光義、絶対仇はとってやる

だからそれまでこの弓預かるぞ」


一矢は光義の固有武器大和弓を手にした。


「アクティブスキル【盗賊の首長】」


スキルを発動させると存在していなかったのように

大和弓は消え去り、その代わりに通知画面が開かれた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

大島光義の固有武器:大和弓 ATK+30を手に入れた


更に【盗賊の首長】の効果

大和弓の持ち主が死亡している為、同化可能

同化しますか?

―――――――――――――――――――――――――――――――――――



とりあえ大和弓は手に入れた。

でも同化ってなんだ。持ち主が死亡している為?

【盗賊の首長】の効果は

手に触れたものの所有権を自分に変えるだけのはず。


まさか隠し要素なのか


「はい」


一矢はあまり戦闘で使い道がないはずだったアクティブスキルの

新たな可能性を感じ、同化を迷わず決意した。




次の瞬間、光義の体が光始め、それと同時に

光義の体が薄くなってきた。


薄くなるとともに光の粒子となったものが

一矢の体内に入っていく。


「な、どういうことだこれは」


特に体に異変は感じられない。

ただ、光の粒子が一矢の体内に入るとともに比例し

光義の体がどんどん薄まっていく。


気付けば光義の遺体があった場所には血痕だけ残り

光義自身の肉体は完全に消滅していた。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――

大島光義との同化が完了しました


モデル:大島光義に変更可能

アクティブ【雲穿つ弓】…岩をも貫通する弓を放てる

パッシブ【百発百中】…50m以内の定めた標的に必ず命中 ただし盾などで防御可能

―――――――――――――――――――――――――――――――――――



一矢の視界に表示された画面には確かに光義の名前があった。


モデルが変更可能ということは、

石川五右衛門から大島光義にモデルを変更することで

光義が使っていたスキルも使用可能になるという事か。


「モデル変更」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

モデル:大島光義に変更 SP-15

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


試しにモデルを変更してみると

先ほどまで手に持っていた一矢の装備短刀がなくなり

光義が使っていた固有武器大和弓を手にしていた。


「特に体に変化はない

使える武器とスキルがまるっきり変更されるのか」


モデルを大島光義に変更することで使える

アクティブスキルとパッシブスキルも光義の

【雲穿つ弓】と【百発百中】に変わり、

逆にこの状態では石川五右衛門のスキル

【盗賊の首長】と【抜忍の弟子】は使用不可になる。



「SP消費は-15

今の俺のSPだと戦闘中のモデル変更は2回までか

もしかして他にもモデル同化が可能だとしたら・・・

戦い方が無数に増える」



一矢は更なる可能性に希望を抱いた。

だが逆に同化するという事は同化する対象の人物が

死亡しているという条件がある。


今回は命の恩人の光義と同化した。

味方と同化でもすると味方からの反発を受ける可能性、

敵と同化をし、その敵のスキルを使うと勘違いして

味方から敵のスパイなんじゃないかと疑われる可能性もある。


この同化の効果は慎重に使う必要があった。



「光義は許してくれるよな?

絶対お前の仇をとってやる、だからせめてそれまでは一緒に・・・」



一矢は光義の命を奪ったあの黒衣の僧への敵討ちを決意した。

そして光義の遺体があり、現在血痕が残るその場所に

手を合わせその場を後にした。



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