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戦国大戦  作者: ワンコインランチ
第2章 桶狭間編
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19/29

化かしあい

1560年 5月5日

桶狭間の戦いの2週間前


元康は忠勝と忠次と数名の護衛と共に再び義元の居城、

駿府城を訪れていた。


この日元康は桶狭間の戦いの作戦を聞きに来たのである。


現在、三河と尾張の国境付近に

今川領の沓掛城くつかけじょう大高城おおだかじょうがある。

織田軍は大高城付近に丸根砦まるねとりで鷲津砦わしづとりでを築き

圧力を加えている状態である。


義元は1週間後の12日に2万5千の兵を率い大高城の手前にある沓掛城へ進軍

それと同時に元康は織田軍から攻撃を受けている鵜殿うどの 長照ながてるが守備する

大高城へ兵糧を運ぶ。


その後元康が織田軍の丸根砦を、

今川軍家臣の朝比奈あさひな 泰朝やすともが鷲津砦を攻撃する。

大高城周辺の制圧を確認した義元が沓掛城から大高城へ

進軍している途中に織田軍3千人の奇襲を受け

起こるのが桶狭間の戦いである。



「元康、まずは命じてあった織田軍の内情だが」


義元は前回命じてあった織田軍内の転生者の内訳を元康に聞いた。


「それが実は・・・」


先日元康は服部半蔵から報告を受けていた。

その内容とは実に驚くべき内容であった。

元康はその内容を義元に伝えた。


「主要な家臣は軒並み転生者とのこと、しかし肝心の織田信長が不明です

更に織田軍に潜らせた我が軍の間諜は全滅、かろうじて家臣の服部半蔵が

この情報を持ち帰りました」


元康の言葉を聞いた雪斎が口を開いた。


「徹底的に情報を遮断しているという事か

仮に信長が転生者でなかった場合、家臣が転生者であっても

史実通りに攻めてくる事が予想されます


逆に信長が転生者であった場合、そのことを徹底的に隠し

こちらに史実にはない策を実行させないという事もありますな」


雪斎の言葉に一同頭を悩ませた。


「まぁよい

策が通じずとも織田の数なんぞまろの大軍に遠く及ばないだろう

予定通り策は仕掛ける、雪斎」


「はっ、今回の作戦を説明する

最初は史実通りに攻める、まず今川軍は2万5千の兵を持って沓掛城へ入る

元康殿は大高城へ兵糧を運び入れその後丸根砦を取ってくれ

それと同時に朝比奈殿が鷲津砦を攻める」


雪斎は淡々とその後の流れを説明した。

元康が鷲津砦を奪取した後、織田軍は数千の兵で今川本陣を襲う。

史実ではその時本陣の守りはたったの300とされていたが、

今回はここに5千の兵を配備させておく事になった。

更にカモフラージュとして残りの2万の隊列をあからさまに細くし間隔を

空けさせることで史実通りに油断しているように見せかける。


そして元康は鷲津砦を奪取後、朝比奈 泰朝と共に踵を返し

今川本陣を奇襲している織田軍の背後から挟撃。

織田軍を桶狭間にて殲滅しようと企てた。


「雪斎殿、もし織田が本陣奇襲を行わない、もしくは

こちらの予想しえない動きをしてきたらいかがしますか」


元康の問いに雪斎は続けて答えた。


「カモフラージュの2万の兵は数百ごとに中隊を組んである

もし異変があれば中隊ごとに結集し軍に戻れるよう指示してある

織田が本陣奇襲を行わなった場合、元康殿はそのまま大高城へ戻り守備を頼む」


「承知しました」


「では評定は終了とする

駿府城は任せたぞ、氏真」


「はっ!」


義元の言葉に氏真は素直に返事をしたがその表情はどこか浮かないようだった。

その少しの異変に気付いた元康は評定後氏真に話しかけた。


「氏真様、どうかなさいましたか」


「はは・・・僕は一応当主なんだけどな

例え実権は父上が握っていたとしても当主である僕は留守番なんて

ますます家臣からの信頼がなくなってしまう」


氏真の言葉はどこか悲しげでのその中にはどこか怒りの感情も感じとれた。

元康は何も言えずに俯いていると氏真がいつも通りの表情で話し始めた。


「悪い悪い、ちょっといじけただけさ

それより元康、井伊直政という男の名は知っているか」


急にいつも通りになった氏真の問いに一瞬驚いた元康だったが

井伊直政という名を聞き更に困惑した。


「ええ、先の戦で我ら松平家は井伊軍、井伊直政の援軍として

遠江防衛に参加していました

その後義元様に寛大な処置をしていただき我らは今川に従属したのです」


「そうであったか

実はな地下牢に井伊直政が捕らえられている事に最近気づき

顔を見に行ってみたんだ

そうしたら元康に会わせろとしつこくて」


「直政殿が?

もしかして私が裏切って今川に従った事に怒っているのやもしれません」


「いや、そういう感じではなかったがな

んーとりあえず行ってみるかい?着いてきて」


先ほどの事もあり、笑顔の氏真に圧に断れる雰囲気じゃないことを悟った元康は

大人しく地下牢へ着いていくこととした。




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