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戦国大戦  作者: ワンコインランチ
第1章 遠江国編
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11/29

好機


「直政様!どうかお下がりください!

総大将が戦闘では危険すぎます!」


依然、先頭で進軍を進める直政は家臣の言葉を聞きいれずにいた。



「ここは俺が出ねばあっという間に軍は壊滅する

皆!俺のあとに続け!」


「おおおおおお!」


先頭で馬を駆ける直政と今川軍の先頭との距離はすでに100m程にまで

縮まっていた。

直政は後ろを振り返り指示を出した。


「敵は鶴翼の陣、左右に伸びた隊は無視し

直接中央突破を行う!

挟撃の形をとられる前に駆け抜けるぞ」


そういうと更に馬の速度を上げさせた。


一方今川サイドでは先頭付近、左右の弓隊が構えを完了させ

あとは合図を待ち射るだけだった。


お互いの距離が50m程に達したとき指揮官の掛け声が響いた。


「弓隊放てえ!!」


その掛け声とともに数百もの弓矢が井伊軍を襲った。

そして後方から進軍していた一矢はその光景を目撃し圧倒された。





「さて、どれほど削れるかな」


矢の雨が降り注ぐ光景を見ていた今川義元だがその直後驚愕した。

なんとほとんどの矢が不発に終わり無残にも地面に突き刺さったのだ。


矢が降って来る前に直政ら先頭集団は落下地点より前に駆け抜け、

その後方から追ってくる舞台は左右に膨らみほとんどの矢を躱したのだった。


同じくその光景に驚愕していた岡部元信であったが、

すぐに冷静さを取り戻し合図を出した。



「矢は不発だったが陣形は乱れた

左右の者に伝えろ! 挟撃開始だ」


元信の合図と共に左右に広がった鶴翼の陣の部隊が

中央を駆け抜けてくる井伊軍に向かって攻撃を始めた。


井伊軍の左右からじわじわと兵が倒れていく。


「直政様!後方部隊とどんどん差が開いていきます

このままでは孤立してしまいます!」


「構わん!留まったところでいずれにしても囲まれてしまうだけだ

俺らはこのまま総大将義元の首を狙う!」


魚鱗の陣で縦横バランス良く展開で来ていた井伊軍は

左右からの挟撃により隊列がどんどん乱れていき

最終的には細長い一列になるまで追いやられていた。


「このままじゃまずい、どうにかしないと」


部隊後方で混乱している井伊軍の中にいた一矢は

光義から受け継いだ大和弓で応戦しながら勝機を探していた。。


しかし多勢に無勢。

このままでは文字通り殲滅される可能性を感じていた。


一矢はレベルを23に上げたときにSPが40となり

開戦後に行った大島光義へのモデルチェンジでSP-15

更にアクティブスキルの使用で残りSPは13となっていた。



「光義、力を貸してくれ

アクティブスキル!【雲穿つ弓】!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――

アクティブスキル:【雲穿つ弓】使用 SP-12 残りSP13

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


一矢は進軍方向から右に向かってアクティブスキルを使用した。

岩をも貫通する矢はいくら防御可能とはいえ雑兵程度の兵相手には

効果絶大でたった一回のスキルで十数人もの兵を倒しそれと同時に

一矢のレベルが24へアップした。


「よし!これでSPも回復した」


レベルが上がりステータスが回復した一矢はアクティブスキル【雲穿つ弓】を

左側にも放ち、ぎりぎりで崩れそうになる陣形をなんとか保っていた。

一回のスキルで十数人も倒されていくのを見た今川軍は少し怯み

一矢周辺の戦況は一時膠着したのであった。






それと時を同じくして未だ先頭を駆ける直政達約300程度の隊は

包囲を抜け今川軍重臣の岡部元信を視界に捉えていた。


「やるではないか、井伊直政!

人切兵部とはよく言ったものだ!

敵を倒すごとにATKが上昇していくそのパッシブスキル、中々便利ではないか


私直々に相手をして差し上げよう」



直政の眼前に立ちふさがった元信は腰から刀を抜き構えた。


「直政様!奴は今川の重臣岡部元信です!

今川軍の中でも指折りの猛将として知られています」


「構わん!突っ切る!」


家臣の忠告を物ともせず直政は愛刀無銘伝長船倫光を構え直し、

馬と共に元信に向かって直進した。


「私の事を知りながらも果敢に向かってくるとは

勇敢かただの阿呆か


ふっ・・・一撃で葬ってやろう


アクティブスキル! 猪突・・・」


「アクティブ【伝長船倫光】!!」




電光石火。


元信がスキルを発動する前に放たれた直政の飛ぶ斬撃が

元信の胴を縦真っ二つに切り裂いた。


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