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新約聖書ー小説版ー  作者: 蒼識
第一章 マタイによる福音書
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マタイによる福音書第2章 イエス幼少期03

すいません!

新学期の委員会決めや聖母祭の準備に手間取って遅れました!

それから幾年かが過ぎた。


幼子は成長し、少年となっていた。

その名はイエス。


家族は毎年、過越の祭りのためにエルサレムへと旅をしていた。


その年、イエスは十二歳になっていた。


祭りが終わり、人々が帰路につく中ヨセフはマリアに


「そろそろ出発しよう」


と言った。

マリアも頷く。


「ええ」


人々は大勢でまとまって帰るため、子どもたちも親族や知人の間を行き来していた。

ヨセフは気にせず歩きながら言う。


「イエスも仲間たちと一緒だろう」


マリアも答える。


「きっとそうですね」


しかし――


一日ほど進んだところで、マリアがふと気づく。


「……ヨセフ」


「どうした?」


「イエスが……見当たりません」


ヨセフの足が止まる。


「……何?」


二人は急いで周囲を見回す。


「イエス!」


「どこにいるんだ!」


だが、どこにも姿はなかった。

マリアの声が震える。


「……いない……」


ヨセフは決意したように言う。


「戻ろう。エルサレムへ」


三日後。


二人は再びエルサレム神殿へとたどり着いた。


すると――


人々の輪の中心に、一人の少年が座っていた。


イエスである。


彼は学者たちの間で話していた。


「では、その律法の意味は……こう解釈できるのではありませんか?」


周囲の学者たちが驚いたようにざわめく。


「この子は……何者だ?」


「どうしてこんな理解が……」


ヨセフとマリアはその様子を見て立ち尽くす。


やがてマリアが駆け寄る。


「イエス!」


イエスは振り向く。


「母上」


マリアは思わず言った。


「どうしてこんなことをしたのですか!」


その声には安堵と不安が混ざっていた。


「お父さんも私も、どんなに心配したか……!」


イエスは静かに答える。


「どうして私を探したのですか?」


ヨセフとマリアは言葉を失う。


イエスは続ける。


「私は、自分の父の家にいるべきだと――」


「そう思われなかったのですか?」


その言葉は静かでありながら、重みを持っていた。

だが二人には、その意味を完全には理解できなかった。


しばらく沈黙が流れる。


やがてヨセフが穏やかに言う。


「……帰ろう」


イエスは素直にうなずいた。


「はい」


こうして三人は再び

ナザレへと戻った。


イエスは両親に従い、日々を過ごした。


しかしその内には、確かなものがあった。


知恵は増し、背丈も伸び、

神と人とに愛される者となっていった。

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