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十一から十五

挿絵(By みてみん)


11(261)

 夕されは 潮風越して 陸奥の 地見て指呼せか 星晴れ寒湯

 ゆふされは しほかせこして みちのく(の ちみてしこせか ほしはれさふゆ)


  ※ 越して/古址で

    こ‐し【古址/故址】1 昔あった建築物の土台石。 2 昔、建築物や都のあった場所。古跡。旧址。

    こ‐し【古祠】古くからあるほこら。

    指呼しこ 指をさして呼ぶこと、あるいは呼び寄せて使うことを指す。また、「指呼のしこのかん」という表現のように、指さして呼べば声が届くほど近い距離を表すこともある。


 ゆふされは-しほかせこして-みちのくの-のたのたまかは-ちとりなくなり

  同、 能因法師集(能因集)、作品百四十九


挿絵(By みてみん)


12

 万世を 籠めて締め結ふ 瑞垣か 罪冬召して 妻子を攀づ漏よ

 よろづよを こめてしめゆふ みづかき(か つみふゆめして めこをよづろよ)


  ※ 捩づ・攀づ(よ・づ) つかんで引き寄せる。よじる。

     仏語。流れて漏れ出てくるけがれ。煩悩(ぼんのう)のこと。


 よろつよを-こめてしめゆふ-みつかきの-はなをそひとは-かさすへらなる

  同、能因法師集(能因集)、作品百七十八


挿絵(By みてみん)


13

 花かつみ 生ひたる見れば 陸奥の 雉見張れ見る舵 氷魚満つ神場

 はなかつみ おひたるみれば みちのく(の ちみはれみるだ ひおみつかなば)


  ※ 花かつみ(はな-かつみ) 水辺に生える草の名。野生のはなしょうぶの一種か。


 はなかつみ-おひたるみれは-みちのくの-あさかのぬまの-ここちこそすれ

  同、能因法師集(能因集)、作品二百九


挿絵(By みてみん)


14

 紅葉葉は 盛りなりけり 真木の葉の 決まりけりなり 風葉は地味も

 もみちはは さかりなりけり まきのは(の きまりけりなり かさははちみも)


  ※ 木毬蹴りなり


 もみちはは-さかりなりけり-まきのはを-いろつくはかり-しくれふりつつ

  同、能因法師集(能因集)、作品二百二十七


挿絵(By みてみん)


15

 悔過の身か 我が名はラザロ 蠢く目 香炉沙羅花 川上の影

 けかのみか わがなはらざろ うごめく(め こうろさらはな かわかみのかげ)


  ※ け‐か〔‐クワ〕【▽悔過】 1 仏語。罪や過ちを悔い改めること。2 あやまること。



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