十一から十五
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夕されは 潮風越して 陸奥の 地見て指呼せか 星晴れ寒湯
ゆふされは しほかせこして みちのく(の ちみてしこせか ほしはれさふゆ)
※ 越して/古址で
こ‐し【古址/故址】1 昔あった建築物の土台石。 2 昔、建築物や都のあった場所。古跡。旧址。
こ‐し【古祠】古くからあるほこら。
指呼 指をさして呼ぶこと、あるいは呼び寄せて使うことを指す。また、「指呼の間」という表現のように、指さして呼べば声が届くほど近い距離を表すこともある。
ゆふされは-しほかせこして-みちのくの-のたのたまかは-ちとりなくなり
同、 能因法師集(能因集)、作品百四十九
12
万世を 籠めて締め結ふ 瑞垣か 罪冬召して 妻子を攀づ漏よ
よろづよを こめてしめゆふ みづかき(か つみふゆめして めこをよづろよ)
※ 捩づ・攀づ(よ・づ) つかんで引き寄せる。よじる。
漏 仏語。流れて漏れ出てくるけがれ。煩悩のこと。
よろつよを-こめてしめゆふ-みつかきの-はなをそひとは-かさすへらなる
同、能因法師集(能因集)、作品百七十八
13
花かつみ 生ひたる見れば 陸奥の 雉見張れ見る舵 氷魚満つ神場
はなかつみ おひたるみれば みちのく(の ちみはれみるだ ひおみつかなば)
※ 花かつみ(はな-かつみ) 水辺に生える草の名。野生のはなしょうぶの一種か。
はなかつみ-おひたるみれは-みちのくの-あさかのぬまの-ここちこそすれ
同、能因法師集(能因集)、作品二百九
14
紅葉葉は 盛りなりけり 真木の葉の 決まりけりなり 風葉は地味も
もみちはは さかりなりけり まきのは(の きまりけりなり かさははちみも)
※ 木毬蹴りなり
もみちはは-さかりなりけり-まきのはを-いろつくはかり-しくれふりつつ
同、能因法師集(能因集)、作品二百二十七
15
悔過の身か 我が名はラザロ 蠢く目 香炉沙羅花 川上の影
けかのみか わがなはらざろ うごめく(め こうろさらはな かわかみのかげ)
※ け‐か〔‐クワ〕【▽悔過】 1 仏語。罪や過ちを悔い改めること。2 あやまること。




