六から十
06
何時となく 心空なる 我が恋児 我割るなRazoro 故国名とつい
いつとなく こころそらなる わがこひ(ご がわるならぞろ ここくなとつい)
※ 故国/護国、つい/対
「我はラゾロ、死者からよみがえりー」
(本家取り・下句)
いつとなく-こころそらなる-わかこひや-ふしのたかねに-かかるしらくも
内裏歌合
永承四年十一月九日(1049年12月6日)
作品二十八
07
木工等知る 華夏に寝過多の 自負や否や 富士の高嶺に 架かる白雲
もくらしる かかにねかたの しふやひ(や ふしのたかねに かかるしらくも)
※ も‐く【木工/杢】木を使って建物や器物をつくる人。大工。こだくみ。
か‐か【華夏】《「華」ははなやか、「夏」はさかんの意。中国人が自国を誇っていった語から》文化の開けた地。都。
(本家取り・上句)
いつとなく-こころそらなる-わかこひや-ふしのたかねに-かかるしらくも
同、内裏歌合、作品二十八
08
仄かにも 見ゆるものから 七夕は なだらか野守る 弓も二河の帆
ほのかにも みゆるものから たなはた(は なたらかのもる ゆみもにかのほ)
※ に‐が【二河】 仏語。火の河と水の河。人間の瞋憎を火に、貪愛を水にたとえたもの。
ほのかにも-みゆるものから-たなはたに-ひかりをわけて-かすにやあるらむ
能因法師集(能因集)のういんほうししゅう(のういんしゅう)
成立年時未詳(※1050年以後)
作品二十三
最終詠歌の主題“閏五月
09
世のほとも 塵やはつらむ 桜原 草村鍔矢 理知も遠の世
よのほとも ちりやはつらむ さくらは(ら くさむらつばや りちもとほのよ)
※ 津速産霊神
※ 叢
よのほとも-ちりやはつらむ-さくらはな-つきならましかは-おきてみてまし
同、 能因法師集(能因集)、作品五十五
10
をやまたも また云うばかり 亡きモノも 生成り芽バブい タマも玉屋を
をやまたも またいふはかり なきもの(も きなりがばぶい たまもたまやを)
※ 生成り 自然のまま
バブい 赤ちゃんみたい
をやまたも-またいふはかり-なきものを-うたてつゆけき-たひころもかな
同、 能因法師集(能因集)、 作品百二十




