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嵐の日の訪問者

配色の勉強始めました。いつか白黒じゃなくてカラーのマーク作りたいな。


いやもちろん小説も頑張ります、はい。



鼓膜を殴りつける激しい雨の音に昼にも関わらず薄暗い空。外は豪雨と暴風だ。折角の日曜日の昼もこの不機嫌な空の下では子供達は遊ぶことは出来ない。


「香川県で大雨暴風警報って200年振りか?」

「カナ〜。まじめちゃくちゃ言い過ぎ。て言うかぁー、どうせなら平日に降って欲しかったよね。学校チョーめんどくさい」


「マナちゃんそんなこと言わないでよー。でもねでもね!明日には晴れるらしいよ! 」


「……サイガさんは勉強好きなん?」


「うん!やっぱり新しい事は楽しいもん! 」


「うわぁー、サイガさんまじ優等生やん 」


 

  窓の前から稲妻を纏った曇天を眺める3人の会話を遠巻きに見ている大人が二人。


「折角の日曜なのに台風直撃だなんて〜!ん〜もォー、サーーーいていィ!!」


「やかましいです所長。でもよりによって折角の休日に大雨って・・・神様っているんですかね?きっととっても性格いい人何だろうなぁーって思うんですけど」


「まあこんな日もあるわよ♡神様のせいにしちゃダメよ〜。神様っての私達を見ているだけ。でもちょっとした不幸なんてすぐに幸せに変えれるんだからね!




  オーケィィ!!?(怒)」

 

「・・・はっはぁー、なるほど」



 まだ若い男の施設職員とオカマ所長の会話。最後は彼・・・、いや彼女(?)の話をあまり理解出来ないままうなづいてしまった若い職員。


「サイガ〜、マナ〜、カナ〜、ご飯よ〜♡」


「「はーい」」

 




 ………………………………………………………………………………………………




外の世界から切り放された暗室の中。数人の人影と一人の目立つ男の影。そのシルエットは少し人間とは異なる。



そこに充満する悪臭と血の滴る音が部屋の中で響く。天井からぶら下がる命を失くした人形が二つ。

 

 

首に巻かれているのは自分の腹から出ている腸だ。それは天井に絡まり自らの主を首吊りにしている。暗室の中には床が見えなくなるほどの亡骸が転がっている。そのどれもが全く違う造形だ。


両腕を肘から切り離されて、まるで杭のように壁に貼り付けられている物。


下顎が切り取られ、そこから血と髄液が混ざったような液体を垂れ流している物。


年齢性別に繋がりもない。共通点は一つだ。ここにいる遺体は弄ばれて最期を迎えている。自らの快楽のために殺した。

 

 命の弄び方を覚えてしまった人外はその心すら怪物に成り果てる。


 



 そして、残り最後の一人に手をかける。



「助けて・・・・・・・・・神様」



「神なんていないさぁ〜。そんな素晴らしい御方がいるなら・・・今!!


 僕のやっている事が許さてるわけがないでしょ!


  アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!(笑)



  はぁーーっとっ」

 


伸びた黒髪は両目を覆い隠してしまっている。そんな暗い第一印象を持つ男は甲高い声で笑い狂う道化だ。


今助けに来るはずなどない神に命を乞うのをやめられない彼女にはよく見えた。


見た目に変化の少ないギアのファントムであるが故にこの男の非常に気味の悪い笑みが・・・。


  「さあ、じゃ始めるね? よーーーーーーーい



  はい!! どーーーん!!!!!」


 

 掛け声の終わりに異型となった右腕の爪を彼女腹の中に埋め込む。だがまだ命は取らない。


耳を覆いたくなる悲痛な叫びを上げ両手両足をばたつかせる彼女。必死の抵抗に目の前の男を殴り蹴る。


 だがこの男の表情はどんどん恍惚としていく。暴れるのが分かっているのに彼女の手足を何故縛らなかったのか。理由は明白である。


 彼にはその全てが喜びだからだ。命を絶たれようとしている者の、悲鳴・抵抗・苦痛に歪むその表情。その全てが彼の欲を満たす。


 喜びという名の感慨に、彼の心は沈んでいく。だがまだ始まったばかりだ。


「ダメ、ダメダメダメダメダメ!! まーーだだめ!! 僕のやりたいことはまだあるんだ!! 死ぬのはそれからだよ?

 



  オーケィィ!!?(笑)」


 

自分の腹中に何かと何かが混ざり合う音。痛みを通り越し凄まじい熱が体の中を走る。その後も言葉にならない幾つもの苦痛が襲いそして遂にその体は赤みを失っていく。胸の鼓動は緩やかには途切れていく。


 彼女は余りに不条理な運命の掌の中でその意識を零した。それは眠るような、というのとは程遠い物だった。

 


「ちぇっ! もうちょい頑張ってくれても良かったのになぁー。さてと次の玩具はどこからさらってこようかなっと」


彼女の遺体から1枚の名刺が落ちる。男はそれに視線を落とした。そこには【Butterfly】と書かれている。


だがそれ以上にこの男の目を引いた一つの単語があった。久しく見るその単語に男の心が踊る。



「あら? ハッハハハハハ!!! なんだよ!?


 こんなトコにいたんだ(笑) 探したよ〜。



 さて明日の予定は決まったな。ウッフっフフフ〜」




 次の日の行き先が決まった男はそのまま肉片の山で作ったベット上で眠りについた。




 ………………………………………………………………………………………………


 

 


「やっだァァァあぁぁぁぁぁぁぁ!!!


台風様ァァァァァァ!!!!」


「カナまじうっさい(うるさい)。」


「コラコラ〜、カナ〜。ご飯の時は程々うるさく、うるさすぎずよ〜!!」


テレビのニュースの台風情報に歓喜する10歳の少女。そこに女の子らしさを感じる事は全くできない。


 夕食の中、カナが嬉しさで雄叫びを上げた。今回の台風は非常に鈍足で明日の月曜日もまだこの香川県の近くに停滞しているようだ。当日になってみなければ分からないが恐らく警報で休校になるだろう。


「よし!明日はポケモ・・・」


「テスト近いんだからガマンして勉強しようよ!」


「えっえーー、いいじゃんサイガァ〜1日ぐらい」


「だってカナちゃん通知表にロウソクが3本立っ・・・」


「ちょっと!! 今ここで言わないでよ!」







「……………………………はい?カナどう言う事かしら?」


「・・・あっいや、その」


所長の顔が強ばる。賑やかな食卓の空気が張り詰めいていく。


「学生の本文は勉強でしょ」


「おっ・・・仰る通りです」


「仕方ないわね。明日は勉強会にしましょう。皆!いいわね?」


「「ハッハイ!!」」


 夕食を終えた3人は自分達の部屋に向かう。心なしか、カナの顔は夕食の後とは思えないほど窶れている。


「あーあ、サイガが余計な事言うから明日の楽しい休日が崩壊した〜」


「ご、ごめん。あれは本当にごめん」


「まあ通知表にロウソク3本立てちゃったカナが悪いんだけどね。ぶっちゃけ」


「へいへい。分かってまーす」


その夜マナとサイガはカナに付き合い2時間ほど机の上で勉学に励んだ。そしてカナはあろう事か九九の段をほとんど覚えていなかった事が二人の前に明るみになった。


 ………………………………………………………………………………………………


  翌日、やはり曇天のままだ。空に日の光が見えない。Butterflyの中では机の前にノートと参考書を開く3人。順調に問題を解いていくサイガとマナに対してカナだけが頭を抱え微動だにしない。


「カナ〜? さっから筆が動いていないわよ〜?」

「・・・いやちょっと待ってください。もう少しで一筋の光が見えそうなんです」

「ほ〜、あらそうなの?」

「所長〜。私ちょっとトイレ言っていいかな?」

「いいわよサイガ。一人で大丈夫?」

「ハーイ!全然大丈夫でーす!」


 サイガは机を離れ部屋をあとにした。少し足早に車椅子を女子トイレまで走らせ中に入る。手すりを掴み腕力だけで体を支えながら便座に腰掛ける。


「フー危なかった」


ようを済まし手を洗い、再び車椅子に腰掛けようとしたその瞬間違和感を覚えた。いや違和感と言う曖昧な言葉ではない。


 


 鼻の奥に、アルカリ溶液をそのまま入れられたような信じられないほどの悪臭を覚えた。余りの強烈なその匂いに鼻と口を抑える。


(何!!?この匂い!?気分が悪くなりそう・・・


家の・・・すぐ前からきてる!?)


 



「そうそう〜、そうよカナ!! やれば出来るじゃないのー!!」

 

「えへへ(笑)褒めても何も出ないよ、所長」


「カナ昨日まで九九覚えてなかっんだよ?マジやばくね?」


「マナ!! 余計な事言わないで!!」


「まあまあ、昨日の事は今日取り戻せばいいだけだから」


 



玄関からチャイムが三度鳴る。やけにせわしない印象を受ける。


「あれ? こんな天気に客?」

「お客様って言わなきゃだめでしょ〜!こりゃ!!


 もお〜わざわざこんな天気に来なくてもいいのに。早く出てあげないと」


所長が少し慌てて玄関に向かう。お化粧をしてなかった事を気にしつつも客人を待たすわけにも行かずそのままの格好で玄関を開けた。


「はーい♡こんな天気の中ご苦労さまですー。


 どうぞ中に・・・ 入っ






  カナタ?」






「やーやーひっさしぶりーーーー、っとさ。


  オッジィィィィチャァァァァァァァァァァン!!






 会いたかったよ? あんたも会いたかったでしょ?




 ウッフフフフフフ(笑)」


 玄関の先いた客人は甲高い声で叫び笑い、体から黒い煙を吹き出す。その煙は施設の中に入り込み中の人間達の視界を奪う。所長は煙の中で男の体が人型を保ちながらも異型に代わっていく様子を見ていた。


大きく長い爪の生えた黒い大きな左腕。両目から幾つものケーブルが首筋の中に入り込んでいる。その異型の腕に所長の首元が掴まれた。


「おじいちゃん? 今大事な人は何人ぐらいいるの? まあ後でいいや。


大事なのはお腹の中身だからね! あああああ心が飛び跳ねそうだよーーー!!!!」


「カ、ナタ・・・やめ・・・なさ、」

 

「僕に指図しないでよ? 僕はファントムなんだ。

 人間を弄べる側の存在なんだよ。全ての人間は僕の玩具なのさ」

 

「所長ーー!!! どこにおるん!!?」


「所長ーー!!!」


  カナとマナが煙で視界を奪われた中叫び始めた。


「!! カナ!! マナ!! やめな、」


「はいストップ!黙ろうね?」


 カナタは所長の腹に膝蹴りを入れる。そして所長の顔を声のする方向に向けさせ耳元で囁く。



「聴こえるだろう?あのそそられる声。



誘ってる。 誘ってるのさ僕をね。さあ一緒に行こう。僕の人形劇を見せてあげるよ」

 


嵐の日の訪問者はその身も心も怪物に成り果てていた。伸びた前髪でその目は見ることが出来ないが横に大きく広がった口もとからその表情は読み取れた。


 


彼はただ自分の本能のままに。



挿絵(By みてみん)


挿絵を表情すれば今回のキャラに対する僕の想いが見れます。


ネタばらしになるかもしれませんが

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