車椅子の少女
サキの掘り下げは話の縦筋に絡めながらやります。こいつキャラ的に掘り下げるのめんどくさすぎる涙。近いうちに主要キャラのとこにサキの説明を入れます。技名はヒロイックに攻めたいです。
サキがこれからどうなるかはこの話が落ち着いてからやります。
今回も新キャラ出します。意外と心が息苦しいものになるかも知れません。少し話がボリューミーなので話を分けます。
化け物になって初めて鏡を見た……。
お母さんを殺したお父さんを……私が殺した。
最後まで本当に嫌な人だった。
ーー死んで清々した。
私の体はなんか……全身真っ白の、綺麗なおねぇさんみたいになってた。
お父さんが死んでからは頭の中から凄く嫌な声が聞こえたの。
うるさいかったけど、学校でよくいるいじめっ子みたいなやつだと思ったから、ずっと無視してやった。
私が変な場所に預けられて4日位たった時、あの嫌な声が急に声が聞こえなくなったんだ。
そしたら物凄く力が湧いてきた。
私の体は大人よりも大きくなって、何かのヒーローみたいにかっこよくなってたの。
羽を広げると空を飛べた。嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。
鳥になったようで、……自由になれた気がして
強くなれたようで、……優しくなれた気がして
これが新しい私……、
誰に頼らなくても生きていける!!
誰よりも強い!! 誰にも負けない!!
もう一人ぼっちでも大丈夫なんだ!!
お母さん!! 私は多分大丈夫!!
※※※※
オキロォォォオオォォォォォォォオオオオ!
ミンナァァァァ!!!!
人間の喉から出るような声ではない。そんな声がここ、孤児院【Butterfly】に響く。孤児院っと言っても預かっているのは3人だけ。
ここの所長は自らをセルフ目覚まし時計と呼び、5時半にグラウンドから叫ぶ。ご覧の通り心だけが女の男性だ。
ご近所さんはおらず特にクレームは来ない。
「うるさい……。ハイパーうるさい」
「あの人そろそろ棺桶入ってもいい歳なのに元気だよね」
「ねぇねぇ腹減った!! (お腹空いた)早くいこうよ 」
「あんた…… 」
茶髪のポニーテールでギャルっぽいマナ・黒髪の短髪で大雑把なカナ・少し抜けているサイガ。
朝起きて自分たちの布団を片付け自分達で朝食を作る。
彼女、彩牙以外は……。
その歳は10。
髪は白髪の腰まで伸びたストレート。
瞳は少しブラウンに近い黒、身長は139cm。
そして……両足が不自由だ。
いつも通りカナに車椅子を押してもらい朝食と院内の職員達が待つ大部屋に行く。賑やかで明るく優しく暖かい。孤独だった彼女達はここで人の温もりや優しさを覚えた。
「みんなぁァァァ♡ オイシィィ♡」
カナは所長のこのセリフに温まりある返しをする。
「ねぇ所長朝から食欲無くすからその汚物みたいな声まじ止めてよ」
マナも続く。
「ちょまじ今なる吐けるっす」
「……皆朝から酷いよ〜ほら、所長が泣いちゃうよ? 」
カナとマナの優しさの欠片もない罵声と言葉の槍が今年80の醜悪なオカマの体に突き刺さる。
毎朝ダラダラと会話し、時計を見るといつも登校ギリギリの時間だ。狭い台所で3人歯を磨き一瞬で着替えてバス停に駆け出す。
サイガは楽しそうにし、カナとマナは息を切らして車椅子を押しながら全力疾走する。それでも大抵は彼女達はバスの時間に間に合わない。たがいつもバスの運転手のイケメンのお兄さんは彼女達がくるまで待っていてくれる。
因みにここは香川県の国分寺町と言う田舎町。なのだが、ある人物の募金で障害者対応バスを購入し、Butterflyがバス会社に贈与した物らしい。
※※※※
登校バスを降りる。
学校内ではいつもと変わらない授業中の眠気を誘う窓からのお日様の温もり。先生の話がだんだん催眠術に聴こえてくることにより襲いかかる強い眠気。体操服を忘れたことによる体育の授業の見学。そしてやはり退屈で何もすることがないことにより襲いかかる急激な睡魔。
それに耐えきった先にある下校時間。これが3人の毎日だ。ごく普通の小学生3人組。
少しいつもの違ったのは帰りの会での担任の教師の最後の言葉……。
「はい! えぇみんなァ!! 今日の放送でもありましたが、先週から不審者ファントム情報が相次いでいます。
おうちにいる!
おとうさん!おかあさんの為にも自分の命はしっかりと!!自分で守ってください!
絶対に知らない人とは……
喋らない!! ついていかない!!
怖くなったら防犯ブザー!!
みんなはいい子だからきっと守れるよね!
それでは皆さんまた明日!! 元気に登校してください!! 」
きりつ!!れい!!ありがとうございました!!
また明日!!
※※※※
帰りのバスの中での3人の会話。
「先生が言ってた不審者のファントム怖いね」
「でも家と逆方向だろ。こっちまで来ないって」
「まじサイガビビりすぎ」
「てかさぁ。何よりあの所長の迫力を前に……」
「もぉー!! カナちゃんは所長の事いじめすぎだよぉー! 」
「サイガー……それはむりっしょ。 あんな今すぐにでもネットの玩具になりそうな・・・」
「もお〜! マナちゃんも!」
会話が弾めば自然と声は大きくなる。そして、
「バス内ではお静かにー、バス内ではお静かに〜 」 っとなるのが当たり前だ。
「あ、すいませーん」
「もうしわけないっす」
「ご、ごめんなさい」
バスを降り、少し長い家路を歩く3人。少し急な上り坂だ。サイガの車椅子をカナとマナの二人ががりで押しながら坂を登って行く。少し辛そうだ。
「カナちゃん、マナちゃん……今日はいいよ」
「…………………………………」
「私一人でも大丈夫だよ」
「……大丈夫なわけないじゃん」
「サイガ、馬鹿じゃないの。こんな急な坂……」
「あははは!! まあ見ててよ!
いくぞぉ!! それぇぇ! 」
サイガは車椅子のハンドリムに手をかけ軽々と回す。彼女の足替わりの車椅子は力強く前進する。
そしてカナとマナの手から、手押しハンドルが離れていった。
すぐ横を歩く老人、買い物終わりの主婦。そしてジョギングをしていた中年の男。それを置き去りにし彼女が一番前を行っていた。
カナとマナの二人とサイガとの距離がどんどん離れいく。カナとマナには自分達から遠ざかっていく彼女の姿がスローモーションに見えた。
そして……、
カナは、それが嫌で嫌で仕方がなかった。
「サイガとまえれぇぇ! 」
カナが声を荒らげて叫んだ。
サイガがその歩みを止めた。
カナはサイガの元に駆け寄りまた車椅子を押す。
マナは気まずそうにそっと、横から入りカナを手伝った。
サイガは下を俯き何も喋らなくなった。
カナは無言で、ただ車椅子を押し続けた。
マナは横目でカナを見ながら手伝った。
そんな3人の少女の無言の帰り道。
手の届く時……、
意地でも彼女の元に手を伸ばしたカナは、ひょっとすると正しかったのかもしれない。
少し、最期暗くなっちゃいました。
カナに悪いことしたなぁとは思いますが・・・
いややめときます。




