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最凶のファントム

最強と最凶のファントムキラーホエール、いかがでしょうか? (建前)



















やっべえ・・・、調子乗ってこの人強くしすぎたよ。


マジでどうしよう(本音)

「えっと、……えっと 」


「チッ! 」


 アスカとサキは、ただ見てるだけ。2人は何処で手を出せば良いのか分からないのだ。中途半端に戦いを覚えた彼らにはミ、コトとアキラの二人の戦いの間に入れる程の技量が無かった。

 

 垂直の建物を駆け上がり、数秒感覚で攻めと守りが入れ替わる。お互いのポジションが何度も変わる。下手に手を出せばただミコトの邪魔になるだけだ。


 外壁を掴み、垂直の建物の壁に張り付く2人。


 ミコトに対して三方向、右にシャチ・左に猫・真上にアキラの3体で取り囲む。先に手を出したのは機械シャチ。空中を高速で泳ぎ、ミコトに一直線に突っ込む。


手を離し真横に走り出すミコト。向かった先には機械仕掛けの猫。

まるで小さな武器庫の様に体の至る所から刃を出し、カウンター狙いの体制で構える。


  だが無計画で敵に突進するミコトではない。猫に突進しながらもブレイガンの銃撃で牽制する。飛び道具を持っていない機械猫は刃をしまい込んでたまらず後退した。


「ブレイガン!ギュスターヴだ早くしろ!! 」


 急に走る方向を、真上にいるキラーホエールに変え、垂直の壁を駆け上がる。主の指示を受けたドラグブレイガンの刃は赤い電気を帯びる。


 普通なら避けるべき技だが、手の内を知っているキラーホエールはあろうことかミコトに突っ込む。


「舐めんなよ、引導渡してやるよクソアマ!! 」


「冗談だろぉ 」



  二人の距離が詰まっていく。刃は外壁を剥がしながら突き進む。

そしてミコトの間合いにキラーホエールが入った。



( ! )


 正面からキラーホエールの動きをみていたハズのミコトは、突如その姿を見失う。ミコトのギュスターヴは不発に終わる。


 キラーホエールはミコトの背後を取っていた。


「くそっ……まだだ!!」 「いや……終わりだぁ 」


 


  ミコトの巨大な尾は背後に回った敵に対するカウンターだが、彼女の手の方が早い。ミコトがその尾を使う前に鷲掴みにし、建物を駆け下りていく。


  壁を掴み抵抗しようにも彼女の怪力には勝てず、ミコトは引っ張られる。もう手足は既に空中だ。抵抗は出来ない。





  彼女はミコトを地面に叩きつける。その高さ約ビル6階分。コンクリがまるで豆腐の様に砕け、鼓膜を破る爆音が響く。たが皮膚の硬いギアのファントムには致命傷にはならない。ミコトは何事も無かったかの様に素早く立ち上がり、キラーホエールに銃口を向ける。




 息を整え勝負を決するための技を繰り出す。




「ブレイガン……ブルータスだ。これでフィニッシュだ 」


 



  銃口が青く発光する。ミコトにはもうあとが無い。残りもう一つの技は彼女には絶対に当たらない確信があった。感情的になりつつも決して無計画には戦わない。


「フィニッシュってお前、それクソブーメランだな……笑えるよ」

 


  彼女は一切笑わない。



  彼女も勝負を付けに来る。今度は機械猫が彼女の右足と一体化する。そこに近寄るのを躊躇う程の激しいスパークが起こり路面を焦がす。


 

  空気が引き締まり、圧縮された時が流れる。夜の闇の中、直視する事の出来ない程の眩い2つの光がぶつかり合う。


それは決して交わらない。まるで今のミコトとアキラの様だ。




この刹那……ミコトは帰りたくても帰れない。



振り返っても……もうそこには無い、過去を見た。



何故こうなってしまったのか。



戻る方法はないのか。




彼らしくもない、そんな一瞬の迷いだ。



だが、それを彼女に対する憎しみで振り払い、ミコトはその引き金を引いた。



6つの青い光弾が放たれる。その反動で路面を剥がしながら後退した。意思を持った光弾は自分の獲物を認識し、それを焼き尽くさんと襲いかかる。数と徹底的に相手を追い詰める周到さで敵を仕留める。


この6つの光の玉は標的を永遠に追いかける獣の様だ。殺意が具現化したような恐ろしい攻撃。




 だが、彼女の技が1枚上手だった。


  猫の尾にも似た長いケーブルが右足から現れミコトの腹に巻きついた。そのケーブルを巻き取る右足のコイルは彼女をミコトの元へと連れていく。


 


  ミコトの懐に突き進む彼女の足元からは激しい火花が散り路面には炎が走る。光弾の網を紙一重で掻い潜りついに間合いに入る。

 

 


  さっきの大技で体が大きく体が反っている今のミコトにはこの危機を防ぐことなどできなかった。


 スパークする右足の痛烈な蹴りがミコトの腹に突き刺さる。




「いっ!! ガアァァァァァ! 」


 

  彼女はミコトの叫び声と肉の焦げる匂いを嗅いでも、攻めの手を緩めない。彼の体に電流を流し込むキラーホエール。その顔に一切の感情は現れていなかった。


ついに力尽き倒れるミコトは人間の姿に戻った。光弾も技の使用者が倒れてしまい。彼女の元にたどり着く前に空気中で消えてしまった。


 全身に痛々しい焼け跡が残り痛みで立ち上がることが出来ない。



  ミコトを見下ろすのは無表情のキラーホエール。



「ちょっと前と変わんねぇなミコト。


限界か。もうそれ以上強くなれねぇのかもな 」






  彼女の背後から二人が襲いかかってくる。




 アスカは自分の仲間を傷つけられたことに激怒して、考えなしに飛び出しただけ。




 サキはただ今度は自分の番だと思い、飛び出しただけ。




 この二人はただ襲いかかるタイミングが同じだっただけだ。



 キラーホエールは【格下】に遅れは取らない。機械仕シャチを操り、尾びれのひと振りで二人を突き飛ばす。


あまりに簡単な簡単なあしらわれ方だ。



「おい、突っかかってくんなよ公務員。そこのバカ相手にするのもめんどくさかったんだ。


お前らとまで遊んでられるかよ……クソだるい 」




  年頃の少女とは思えないぶっきらぼうな喋り口で、彼女はその場をあとにした。 アスカにも負けぬほどの跳躍を見せビルからビルへと飛び移って行った。もう追うことは出来ない。


 


  アスカはミコトに駆け寄る。かなり痛々しい傷跡が体中にあるが命まではとっていなかった。情が湧いたからではない。ただ単に彼女は依頼以外の殺しはやらない。ただそれだけ……。


 

 

  3人は、彼女一人に対し手傷一つ付けられずまんまと逃がした。そして彼女が奪っていった命は……




 ファントム系2体 成人男性56人 成人女性5人





  ファントムの遺体はもちろん髪の毛一つ残らず、人間も人の形を保った遺体は一つも無かった。


 後に3人は今回の強盗団の殆どが元犯罪者で構成されていることを知った。中には死刑を免れた殺人犯もいたそうだ。


 



 彼女の依頼主がどのような人物なのか。


 一体どのような恨みを抱いていたのか。



 

  その全ては彼女だけしか知らない。快楽殺人鬼でも無く、人を傷つけるのが好きな訳でも無い。





 何故こんな事を続けているのだろか?


 他に何か違うやり方は無かったのだろうか?


 何故16の少女にこんな非道な行いが出来るのか?



 


  彼女は弁解もせず、彼女を理解する人間も表れない。彼女はこれからも一人、永遠と孤独なまま戦い続ける……、一匹狼。



彼女に共感できるものなど、この先永遠に現れない。




挿絵(By みてみん)


 

 




要らないと思った演出を頑張って削ってるんだけど投稿した本文を見てみるとやっぱり削りたくなる。



この繰り返し(´・ω・`)

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