↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖剣に転生したんだけど  作者: たぬたろう
第三章 物語が動き始めるんだけど
19/26

第一話 二人が帰ってきたんだけど

*前章のあらすじ*


 体が出来たから洞窟から抜けだして近くの街でひゃっほいしてます。

 チートの自重?なにそれ美味しいの?

 男は目の前の光景に恐怖を覚えていた。

 それもそうだ。

 魔物と呼ばれる、理性無き生物が平原を覆い尽くしているのだから。


「くそ!なんだ・・・!なんなんだよコレはぁ!!」

「はやく逃げ、グゲ。」


 こちらに気づいたのだろう。

 矢が飛んできて男の隣に居た同じパーティーの男に突き刺さった。

 理性無き魔物が弓矢を使う、それは未だかつて無かった事。

 そもそも奴らは道具を使うことがない。

 あったとしても木の棒を振り回す程度。

 基本的には自分の爪と牙、そして魔物特有の能力しか無い。

 それが道具を使い、仲間を殺した。

 まるで理性があるように。

 そんな状況でその男が動けなくなるのはしょうがない事であった・・・。


「くるな・・・くるんじゃねぇええええええええええええ!!」


 その叫びは、剣を構え近づいてきた魔物の耳に届くことはなかった。





「んで、準優勝だったと。」

「やっぱ武具の差は大きいわ・・・。私のナイフ・・・。」

「だねぇ・・・。僕の剣も今回でガタが来てるし、ササのお爺さんに武器を作って欲しいけど・・・。」


 二人の武器を見てみるとアルフちゃんのナイフは真っ二つ。

 これ修理するより新しいの用意した方が確実に良いだろ・・・。

 マリオ少年のはぱっと見まだ使えそうだがよく見ると刃こぼれが酷い。

 これじゃあ魔物を斬るどころか野菜すら斬れない。

 こっちも修理より買い直しだな。


「振り回されるからやめな。」

「そうだな。アルフの言う通り良い武器使いたいなら腕を上げるのが先だな。つーか思ってた事一つあるんだよ。ちょっと待ってろ。」


 ホタルが家に来てからずっと鍛冶場に篭って武器を作っていたことを思い出した。

 アルフちゃんは一撃離脱のスピードアタッカー、マリオ少年は前衛だが戦い方が防御重視で剣は合わないだろう。

 それを考えつつ二人に合った武器をマジックボックスの中から探さないといけないが如何せん数が多い。

 二人が帰ってくる前に何本作ったっけ?


「え~っと・・・。あぁこれだこれだ。」


 ようやく探していた武器を取り出した。

 マリオ少年には短槍、彼は盾を主流とした防御型の前衛だ。

 ならば盾を構えつつ振りかぶるよりも槍を使った刺突攻撃の方が合っている。

 ハルベルト、いやハルバートって言う方が馴染み深いか、ハルバートを短くして引っ掛ける部分を取り除いた武器だ。

 これなら剣であった時と動作はそこまで変わらなずに刺突の威力も増える、何より攻撃範囲が伸び盾を使いやすくなる。

 使いこなすのに練習はどうしても必要だが、こちらのほうがマリオ少年の戦い方に合っている。

 アルフちゃんには二つだ。

 決して依怙贔屓ではない、ぶっちゃけ硬度とか不安だから二つなのだ。

 一つは俺の知識フル動員して作った脇差し、いや忍者刀かな?

 細かい区分はこの際どうでもいいが中々の一品が出来たと思う。

 無論玉鋼についてはこの世界には魔法という便利なものがある。

 レネ爺にお願いして創りあげて貰った合金だ。

 もう一つはデビルシープって言う魔物の角。

 冒険者ギルドに寄った時に女の子の冒険者が「こんな角ギルドにも売れねぇのに拾ってきてんじゃねぇよ。」って他の冒険者に笑われてたから買い取った。

 デビルって名前ついてるのにそこまで強くない大人しい魔物だ。

 ただその角だけはとてつもなく頑丈で下手な防具だと貫通する位の代物だ。

 硬くて加工のし難い素材だが、そこは俺の方が硬度と魔法がある。

 魔法拳の剣神を駆使してある程度形にして研いで研いで研ぎまくった。

 無論三つとも製作後に、レネ爺に見せたら色々甘い所はあるが十分店に置けるレベルだと褒めてもらった。

 つーかこの世界って魔物とか多くて武器使う事多い割に種類がすくねぇ。

 いや普通に短剣・片手剣・両手剣・槍とかそういう大きな分類は全部ありますよ?

 けどね?その中の細かい種類が少ないんですよ?

 片手剣つったらレイピアとかサーベルとかククリとか思い浮かべるじゃない?

 けどこの世界片手剣っつったら兵士が持ってるような形のがあるだけ。

 装飾があるかないかの差ぐらいしかねぇ。

 槍だって兵士が持ってるような一般的な槍位。

 ランスとか薙刀とかトライデントみたいなのって無いんだよ?

 この武器の種類で飯が食えるわってレネ爺笑ってたよ。

 俺冒険者じゃなくて鍛冶師で食っていけそうな気もするよ・・・。

 使い方もある程度知ってるし、経験ないけど。

 経験なんてレネ爺に師事すりゃなんとでもなるから問題ではないし、レネ爺自体がこの世界じゃ最高のブランドだし。

 いやまぁ、皇帝さんに教えた行政チートで十二分に食っていけるんですけどね?

 むしろ金余りんぐ。

 そろそろ本気で別の金の使い方模索しないといかん・・・。

 新しく商売始める人に出資金を貸すとか・・・?

 ん~まぁこれはまた今度考えるとして今は二人に武器を渡そう。


「ほれ。これマリオのだ。」

「槍?にしては不思議な形だ・・・。」

「これはハルバートって言うんだけどな。斬る、突く、引っ掛けるを主体とした武器だ。まぁ、これは俺が盾と合わせて使えるように片手用にして引っ掛けるを削ったから正確にはハルベルトじゃないけどな。慣れるまでは大変だと思うけど、盾と合わせれば守り主体に動ける。マリオはこっちのが合うかも知れないからちょっと使ってみてくれ。練習は付き合うからさ。」

「うん、やってみるよ。確かに僕は前衛だけど使うのは盾が多かったからね。なによりササからのだからね。」

「んで、アルフにはこの二つだ。」

「剣とナイフ?でもこれ今まで使ってたのと対して・・・。なにこれすごく細いんだけど!?」


 忍者刀を鞘から抜いたアルフちゃんがすごく驚いている。

 まぁこの世界の武器って大体肉厚だから日本刀みたいな細い武器は存在しない。


「あぁ、忍者刀って言うんだ。細いけど切れ味は良いし、硬度もある。というより俺の持ってる知識フル動員して素材となる合金から作り上げた一品さ。それとそっちのナイフはデビルシープの角を使ってる。と言っても削って研いだだけなんだけどね。それでも十分な硬度を持ってるから両方持っていくといい。」

「色々言いたい事はあるけど・・・。この三つって相当良い代物じゃないの?こんな良い武器のお金なんて払えないわよ?」


 まぁ確かにお金は大事だ。

 けどこれはまぁ俺をパーティーに入れてくれた恩みたいなもの?

 それに仲間に武器を渡すのに金を貰うのもなぁ・・・。

 つーか今金いらねぇ。

 今この瞬間にも増えているだろうから無駄。

 どうも行政チートのアイデア料だけじゃなくお母様に対する寄付の一部も流れこんでるようだし。

 金で地下の倉庫一つ埋めれる位あるからこれ位使わせろ。

 とか言ったら嫌味になるから最初の、仲間に武器渡すの当たり前ってことだけ伝えよう。

 それと尤もらしい言葉も。


「ぶっちゃけその辺の武器屋にギリギリ出しても恥ずかしくない程度の代物さ。それにこれは値段を付けれない試作品だし、俺達仲間だろ?仲間の命を守らないと俺の命も守れないからな。気にすんな。」

「はぁ・・・そういうことも考えてこの家を買ったのかしら?」

「それもあるけど、最終的にはリングを作りたくてね。その拠点の意味合いもあるんだよ。」


 ここをリングの本拠地にする計画はまだ進行中だ。

 本拠地にする場所、今の家。

 結構広いし冒険者が集まるには十分。

 リング開設資金、チート金。

 むしろ今一番大きい使い道がこれ、使って冒険者ギルドに恩も売れる。

 リング開設するための立場。

 これが足りない、ここのとこずっと武器作りに没頭してたからクエストしてないんだよね・・・。

 二人も帰ってきたし、そろそろクエストやってランク上げないとなぁ・・・。


「リングって・・・。普通首都にあるものよ?街なんかでリングを作るって前代未聞よ?」

「それにリングを作るにはギルドに中級上位と認められる事と莫大な資金が必要だよ?資金はここを見れば大丈夫そうだけど、僕たちはまだ初級上位、ササはまだ中位だろ?」

「ん?あぁそういえば報告し忘れてたな。デス・カメレオンの死体をギルドに提出したら俺と含めてお前らの階級も中級低位になったぞ。」

「どういう事よそれ・・・。」


 どういう事も何もカーティちゃんにあの死体どうするか聞いたら「私達じゃ扱えないのでギルドに売りましょう。」と言われたからギルドに提出しただけだよ?

 お金はパーティーのプール金にまわしておいたからそれも後で説明しないとなぁ。

 それに階級についてはそれだけじゃない。


「まぁ俺は元々の事情含めて初級じゃ不味いと思われたんだろ。色々させるためにさ。んでそんな俺が入った事と今までの実績から見て中級低位にみんな上がったわけ。」

「「・・・。」」

「ちなみに俺は個別で指名依頼受けて完了してるから、今中級中位だ。」


 あらまぁまたぽかーんとした顔で思考停止してますわよ奥さん?

 なんかこういう顔見るの楽しくなってきたなぁ。

 ん~嗜虐心が疼いてくるねぇ・・・!


「入って二週間で中級中位って何よその上がり方・・・。普通は早くて一年とかかかるわよ?」

「失礼します。」


 アルフちゃんとマリオ少年が呆れて言葉も出なくなって来た頃にホタルがお茶を持って来た。

 エプロンドレスがよく似合ってて可愛いなぁ・・・、さすが俺の義妹!


「お茶、お待たせしました。」

「えっと・・・ササ?この娘は?」

「あぁ指名依頼で保護した子の一人でな。身寄りが無いらしいから引き取ったんだよ。」

「ホタルと言います。お兄ちゃんに拾われ、ここに住まわせて貰ってます。」


 ぺこりと綺麗に頭を下げるホタル!絵になる!

 ここまで可愛いとまさに天使としか言えなくなる!

 ありがとう神様!こんな可愛い義妹を俺のとこに遣わしてくれて!


『うふふ~♪』


 ・・・お帰りください。


「名前も無く家もない。それにこんな姿だったからな。孤児院に送ってもまともに働かせて貰えるとも思えなかったから俺の義妹として引き取った。」

「まぁ確かにそうだけど・・・。ホタルさんだっけ?あなたはそれでいいの?」

「はい。助けて貰った御恩もありますし、私はお兄ちゃんの為に働きたいんです。それに・・・。」


 なにやらホタルが赤くなってもじもじし始めたがなんだろう?

 そういや前にもこんな状態見たな、あれは確かレネ爺とお母様に説明丸投げした時だったか?

 あの時は俺は買い物に出てたから何話してたかは知らないけど、まぁみんなと同じ程度には知ってるだろう。


「ちなみにこの娘も俺の事についてレネ爺から説明受けてる。なんかあったらここに来ると良いよ。ホタルは良い子だしな。」


 俺について知っている。

 それだけで多少安堵したんだろう。

 相手側に居るが秘密の共有が出来る、それだけで人間というのは安心するものだ。

 信仰されている女神様に関わる秘密だからかなり重要だし、簡単に話せる事じゃないけどみんな安心しているだろう。

 けど俺には一つだけどうしても大事な事がある・・・。

 それをきちんと今!ここで!述べておかねば安心して外出すら出来ない・・・!


「俺の可愛い大事な義妹だからな?手を出すなよマリオ。」

「いや、ないから安心して。」

「大丈夫よササ。こいつ好きな子居るから。」


 ほう?マリオ少年は想い人居るのか。

 なるほどなるほど。

 これは良い事聞きましたよ奥さん。

 絶好のマリオ少年弄りタイムです事よ!


「へ~誰なのさ。」

「ギルドでたまに見かけない?女の子三人のパーティーのメガネかけた。」


 女の子三人のパーティー・・・?

 あぁデビルシープの角を売ってくれた女の子達だわ。

 何のために持って帰ってたのかは聞いてないが快く売ってくれたんだよね。

 可愛かったから1金貨で買い取ってあげたらすごいびっくりしてたのが印象に残ってる。

 相場は1銅貨にもならないって話だったし。


「あ~そういえば居たねぇ。確か採取系のクエストを専門にしてる」

「わー!アルフ!言わないで!ササもそれ以上やめて!!」

「くっくっくっ。良い酒の肴になりそうだ。」

「あんたまだ飲んじゃ駄目でしょ?」

「バレなきゃ良いんだよバレなきゃ。」

「ホタルちゃん、飲もうとしてたら力づくで止めてね。」

「はい!お兄ちゃんの扱い方はしっかりわかってますから安心してください!」


 そうなんだよねぇ・・・。

 ここんとこ飯も食わずに鍛冶場に篭ってたりとかすると怒られるんだよ。

 それでも大丈夫って言っていると泣きそうな目でこっちをジッと見つめてくるからついつい言う事聞いてしまう・・・。

 カーティちゃんからかおうとしても同じ結末。

 全く、可愛い義妹に頭があがらないわ。


「さっそく尻にしかれてないかササ。」

「俺もそんな気がするけど義妹に甘いのは否定出来ない。状況を変える気も無い。」


 なんかアルフちゃんとホタルが二人で盛り上がりだしたからマリオ少年とこそこそ密談を始める。

 まぁ、むしろ悪いとこは悪いってしっかり言ってくれるんだから状況変える必要性がない。

 結構そういうとこ聖剣で洞窟に篭っていたからか常識知らないし、肉体的無茶も平気でするからな。

 人間に近い生活してないとどこでボロが出るかわからねぇ。


「だめじゃん。そんなんじゃいつかあの子が彼氏連れてきたらどうすんのさ?」

「え?世界之頂点之剣(ロード・オブ・ソード)で」

「嫌われるよ?」


 ぐ・・・。

 あんな天使な義妹に嫌われるとかかなりエグいとこついてくるなマリオよ・・・。

 的確に俺の弱点を突くとは君を侮っていたよ・・・、もう少年と呼べないな・・・。


「わかった・・・涙を飲んで全力で殴るだけにする。」

「それも駄目だよ!?」


 ちくしょう・・・。

 お兄ちゃんは義妹を嫁に出したくありません・・・。


「あっお兄ちゃん。お客様が来たよ。」

「客?なんだろう?二人共良いか?」


 マリオ少年と密談してるとホタルが玄関に来た人に気づいたようだ。

 さすが獣人、まだ呼び鈴すら鳴らしてないのに気づくの早いねぇ。

 けど客人か・・・。来るとしたらカーティちゃんかマクスさんかギルド職員位か?

 レネ爺はここには魔法を使って飛んで来るからホタルは客とは呼ばないし。

 レネ爺の場合はお爺ちゃんって言うから違うんだろう。

 この家に来る人間はそう居ない。

 なぜなら俺が街で色々やって怒らせると危険だとみんなが知っていて、その怒る部分がわからず関わらない様にしてるからだ。

 触らぬ神に祟り無しとは、まさにこの事だな。

 二人を見ると頷いてるからまぁここに呼べば良いか。

 そうやって考えてると呼び鈴がなった。


「うし。ここに通してくれ。」

「わかった。」


 さて、カーティちゃんが来たならプール金の話をするとして、マクスさんかギルド職員ならクエストの依頼かな?

 はい!不穏な空気を醸しつつ第三章突入です!

 異世界物で定番となる戦争の始まり始まり!

 第三章ではまた新キャラを出す予定です!

 ハーレムですか?ありませんよそんなの?

 そしていい加減女神様の名前を考えないといけないのでこの三章で付ける予定です。


 体調に関してはあまり良い状態とは言えませんが小説を書く程度には問題ありませんのでのんびりと更新していくつもりです。

 どうぞこれからも聖剣に転生したんだけどをご愛読のほど、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。