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婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~  作者: みみみ.com


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EP:9☆レオ様と大ジャンプで大騒動!



ギル様を見送った後、朝食がまだだった私は、お腹がすいたので朝ごはんを食べに食堂にむかった。



食堂でごはんを受け取り歩いていると、広くて大きなテーブルの真ん中で、ポツンと一人座っているレオ様を見つける。



「あ、レオ様っ!」



私の声に気づかないレオ様は、綺麗な黒髪を揺らして目の前のお皿を不機嫌そうにつついている。


よく見ると、お皿の端っこに嫌いな野菜を綺麗に避けていた。



好き嫌いがあるのね?ふふふ…可愛い〜!



私は自分の朝食が乗るお盆を片手に、足音を忍ばせてそっとレオ様の背後に近寄る。



「……残したら大きくなれないですよ?」


「うわっ!?びっくりしたぁっ!!」



クスクスと笑いながら声をかけると、レオ様はビクッと驚いて声を上げていた。



か〜わいいっ!!



振り返って私の顔を見るなり、一瞬で眉を寄せると不機嫌な顔になるレオ様。



「お、お前は昨日のクソひょろ男!!突然背後に立つな!兄上の専属のくせになんでここにいるんだよ?」


「えへへ、ギル様は公務でお出かけされたので、今は自由時間なんです。

レオ様、僕もここで一緒に食べていいですか?」



返事を聞く前にお腹が限界の私は、さらっと横に座った。

そんな私に目を見開くレオ様。



「はぁ!?誰がそんなこと許可す…」


「わぁ〜!このフレンチトーストすっごく美味しそう!いただきまーーす!」


「おいっ!人の話を聞けよっ!!」



お腹が限界だった私は目の前のフレンチトーストに目が釘付けになってしまった。


そんな私に、隣で悪態をつくレオ様。


だけれど、レオ様の文句なんて私にとっては、可愛いものでえへへっと笑って右から左へ受け流す。


そんなこんなで、とっても美味しそうなフレンチトーストをパクパクと食べ進めた。



「もぐもぐ……。そう言えばレオ様って何歳なんですか?」


「……十歳だけど。お前に関係ないだろ!」


「十歳!やっぱり可愛いなぁ!今日はこれから何するんですか?」


「何もしないよ!庭を散歩するくらいだ!」



その後も朝食を食べながら、いろんな質問をする私に、口では「あっちに行け」「黙って食べろ」とか悪態をついたりするけれど


なんやかんや全部の質問に律儀に答えてくれるレオ様は、とっても可愛い。



「レオ様!朝食が終わったら僕と一緒に遊びましょうかっ!良い場所があるんですよ!」


「だ、誰がお前なんかと遊ぶかよ……っ」



フンッとそっぽを向くレオ様。



だけれど、横を向いたレオ様の耳はほんのり赤くなっていて


素直じゃないなぁ……と、私はその姿が可愛いくてクスクスと笑う。



前世の弟とご飯を食べているような、あたたかい気持ちになった。





☆.*˚





その後、朝食を二人で完食して何して遊ぼうかなー?なんて立ち上がった


その時だった。



一人の年配の執事様が、申し訳なさそうな顔であらわれた。



「レオ様、お勉強の時間でございます」



その言葉を聞いた瞬間、レオ様はあからさまに嫌な顔をして、肩をガクッと落として落ち込んでしまった。



あらら、レオ様すごく落ち込んでる。



十歳の男の子にとって、天気の良い日のお勉強ほど嫌なものはないもんね?


……よしっ


可愛いレオ様のために、私が人肌脱ぎましょうっ!!



そう決めた私は、歩きだそうとしたレオ様の手を取る。


そして、私に任せなさいっ!と気持ちを込めて手をきゅっと握る。



「……なんだよ、リオ」



レオ様はそんな私を怪訝そうに見上げた。

私はそんなレオ様に向けて満面の笑みを浮かべる。



そして、覚悟を決めてよしっ!と気合いをいれると、レオ様に声をかける。



「レオ様、ちょっと失礼しますねっ?」


「は?ちょ!おま…わあああっ!?」



私はレオ様の小さな身体を思いっきり抱きしめると持ち上げた。


そのまま、暴れるレオ様を抱えて食堂の大きな窓へと全速力でダッシュする。



その姿に目を見開き驚いている、執事様。



「リ、リオ殿!?何をされる気ですか!?」



私はレオ様を抱えながら、窓に足をかけると執事様に振り返る。


そして、にっこりと微笑む。



「遊びに行ってきまぁぁーすっ!!」


「……はい?!?!」



そして、私はレオ様を抱えたまま二階の窓から迷わずお庭へと飛び降りた。



「レオ様!?!?リオ殿?!?」



そんな慌てた声が上から聞こえて、私の腕の中では



「うわぁぁああ!!!なにやってんだぁあぁ!!!このクソひょろ男ーーー!!!」



そんなレオ様の絶叫が青空に響き渡るのだった。



なんだかこの感じ懐かしいなぁ〜



ルリがよく叫んでいたことを思い出して落下していく中、呑気にルリ元気かな?なんて考えていた。



レオ様は恐怖のあまり私に思いっきりしがみついていた。



そして、落下していく中……ふぁさっ。



ん……?なんだか私の頭が軽くなったような、なってないような……。



そう思ったけれど、そろそろ着地体制に入る私は、そんなことを気にする余裕なんてなくて


しっかりレオ様を抱きしめながら外の芝生の上へと着地する。



──ドスンッ!!



ロゼッタ侯爵家での三階からのジャンプに比べれば、二階からの着地なんて楽ちん。



強いて言うなら、レオ様を抱えてたから大変かなって思ったけれど案外すんなりだった。



私は無事に着地を決めて、レオ様を優しく芝生の上におろす。


そして、ほっと胸を撫でおろした。



「ふぅ……!着地成功ですねっ!レオ様、大丈夫ですか?」



芝生の上にヘタり込むレオ様ににっこりと声をかけるが


レオ様はなぜだか、ポカーンと目を見開いて私を見つめていた。



まったく微動だにしないレオ様に、私は頭を傾げて声をかける。



「……どうしました?怖かったですか?」



……相当怖かったのかな?驚かせちゃってちょっと申し訳ないなぁ……。


なんて思っていると



───ポトッ



後ろの芝生の上で、何かが落ちる奇妙な音が響いた。



「へ……?」



嫌な予感がした私は、恐る恐る後ろを振り向く。



そこには……



頭にあるはずの茶色のショートカットのカツラが転がっていた。



え……、うそでしょ……。



慌てて自分の頭に手をやると、自分の髪の毛の柔らかな感触がある。


そして、視線を自分の胸元に下ろすと


淡いピンクの髪の毛が初夏の気持ちのいい風と一緒にさらさらと揺れていた。



完全に、やってしまった。



恐る恐るレオ様の方に視線を戻すと、レオ様は私のふんわり揺れる髪の毛と、地面に落ちたカツラを交互に見て、顔を引きつらせていた。



そして、ものすごく驚いた顔で私を凝視して震える声でこう言った。



「お……お前……女……っ!?」



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